2016年10月1日 飯豊 一ノ戸川 大白布沢本流(御沢)

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:川入
遡行図、概念図はこちら

9月に入って”天気”が安定しないのは判るが、”天気予報”が安定しないので計画を立てるのに苦労する。そんな中、天気予報を元に絞り込んだのが今回の大白布沢。
飯豊東面に位置し、栃木からはアプローチしやすく、飯豊の沢の中で日帰り遡行できる数少ない沢のひとつと言って良いだろう。WEB上では左岸支流のタカツコ沢
が有名であるが、逍遙溪稜会さんの記録を見ると、本流が面白いらしい。単独で不安もあるが行ってみる事にした。


17:08職場発→17:45-18:03片岡→19:25田島→20:27 R49→21:10いいでのゆ、5:17同発→5:32御沢野営場基点P
6:00基点発→6:30入渓→7:50大滝下→8:30大滝上→9:40 961m地点→11:40 1190m二俣→13:20稜線登山道
→13:40-58三国岳山頂→16:05基点P


大白布沢の基点は”川入”にある御沢野営場になる。駐車場は無料でスペースは20台位あるので問題ない。携帯はdocomoでもここは通じないらしい。
ここから三国岳へ登山道を進むと5分くらいで大滝への遊歩道との分岐。この遊歩道を大滝まで歩いても良いのだが、手前の長滝も巻いてしまう事
になるので、遊歩道が右岸から左岸に横断する所から入渓した。ちなみにタカツコ沢に入りたい場合は、さらに手前の巨大堰堤上から入渓すると良い。
本流は、概ね平凡な様相が長滝まで続くのかと思ったら大間違いで、初っ端から深い釜を持った嫌らしい小滝で始まり、その先もゴルジュが続く。
御沢野営場が基点(カーソルあてて)
遊歩道を奥まで入らず入渓。
序盤、想定外のゴルジュ

しばらく進むと直登出来ない3m滝が出てきて右岸を巻くが、渋い高巻きになる。沢床には7m懸垂で降りる。。。最初からこんな感じだと日帰りで終えられ
るのか不安になるが、面倒なのはこのCS滝だけで少し進むと長滝が現れる。奥行のある滝で2段構成。高さは15m位か、下部左の1枚岩もラバーソール
のグリップ力があれば上がって行けそうな気もするが、さらに左から容易に上がって行けるので、そちらで難なく上がる上部は寝ているので問題はない。
この滝上は平凡な河原状。ここで遊歩道が合流する。下部の内容も捨てがたいので、手前から入渓する事をお勧めする。
右岸を高巻いた3m滝
長滝15m
長滝上で遊歩道が合流する

この先、右岸枝沢が入る所で、奥に大滝の上部が顔を出す。大滝手前には4m滝、2条5mの二つが控えているが、特に問題なく上がれる。。。 大滝
20mあろうか。結構立っていて高巻きするならちょっと大きくなりそうだが右岸か・・・ただ、右端に細バンドが伸びており、ここを上がって行ければ、直登
出来そうな雰囲気がある。途中まで上がって左岸の草付に逃げる事も出来そうなので、単独だが取りついてみる。。。フリーだと最初の1段を上がって躊躇
するレベル。濡れている所は滑りやすく右壁にガバが少ないのが難。ハーケン打ってセルフを取って1ポイント上がると、もはや懸垂する以外に戻る手立て
が無い。。。10m程上がって”逃げれる草付”と見立てた場所までたどり着く。ここから2mがノッペリ岩でホールドが無く渋い。タワシで磨きまくれば上がれそうな傾斜だが、カムも決められるところも無く、高さもあり恐怖心が先立ってしまう。。。問題は
”逃げれる”と思った草付・・・この取りつきが結構立っていて
簡単に逃げれそうで無かった。(涙)

う~~~~ん・・・

と半分セミ状態だが、草付を垂直に登る1スタンスを見つける。草が抜けたら終わりだが、この細長い草これ何ていう名前の雑草なんでしょ?には長年助けられ
た実績がある。まぁ行けるだろうと両手で草を掴みスタンスに上がる。怖すぎる・・・!さらに草を掴んでスタンスを探し、5手目から6手目くらい上がって漸く灌
木を掴めホッとする・・・ただし、灌木があるのはココだけ。。。ここから草付&1枚岩を経てようやく安全圏に入って滝上に出る・・・この滝だけで40分掛か
った。。。ハーケンが打てるリスはあるので、ザイルを出して普通に登ればⅣ+くらいの感覚で登れるでしょう。
大滝とその手前の2条5mは右細バンドから上がる
20m大滝(カーソルあてて)
ここを上がって行く

滝上はゴーロ状。正面に長坂峰に付き上げる右岸枝沢を見ると沢は右に折れ曲がり、ここの左岸に増水には耐えられないがテン場向きの河原がある。
本流はゴルジュになり左から2段5m滝。ここは下段を水流左、上段を水流右であがる。さらに3mトイ状を超え少し進むと8m滝。幸い水流右で簡単に上に
上がれる。

長坂峰に詰め上げる右岸枝沢とテン場(カーソルあてて)
ゴルジュになり2段5m滝(カーソルあてて)
8m滝

この滝を超えるとゴルジュが無くなり5mナメ滝を経て癒し系に変化。岩盤も発達したところもあり明るい様相で気持ちい。高度計読み950m付近に右岸に
二人くらいな横になれるテン場がある。この先左岸に逍遥さんも紹介していた岩が挟まった7m滝で出合う右岸枝沢を見た15m先に地形図で表示のある
961m右岸枝沢が入る。水量比は(3:1)で、見た目は貧弱な印象。
5mナメ
癒し系様相と見つけたテン場適地(カーソルあてて)
916m左岸枝沢と手前のCSの枝沢

この先、高度計読み983m左岸に3,4人横になれる所を発見。整地はちょっと時間がかかりそうだが沢中1泊で刻むならココが位置的にBESTか・・・?
そして、ここからまたゴルジュに入って行く。 大岩のあるトイ状小滝は右壁経つって取りつこうとしたが経つれず断念。この先の6mチムニー滝はツッパリ
で超えようとしたが、右壁があまりにノッペリしておりこれまた断念。それぞれ左から小さく巻いて上がった。するとこの先で多段10m滝で入る左岸枝沢が
入り良いアクセントになっている。
左岸、安い物件ですが・・・
大岩小滝と6mチムニー滝(カーソルあてて)
左岸枝沢の多段10m滝

ゴルジュはさらに続くが沢床はゴーロ状が続く。するとさらに幅の狭いゴルジュになる。最初の2mCSがショルダーでもしないと厄介そうだが、直径7cmくら
いの倒木をうまく利用して上がれた。続く3段7m滝は水線通しで、さらにCS小滝をツッパリで、出口の2段4m滝も概ね問題なく突破できたが、雪渓がある
と大高巻きを余儀なくされそうな所だ。
幅狭ゴルジュに入口の2mCS
3段7mは水流通しで
幅狭ゴルジュを振り返る

幅狭ゴルジュを抜け、小滝を上がると、1190mに位置する(1:1)二俣に到着する。テン場は無いのが残念・・・。ここは右を選択した。ゴーロ状を上がって
行くと小滝が連続。先週行った朝日俣沢岩魚止沢をコンパクトにした印象・・・。トイ状の小滝を上がるとV字状のゴルジュ。ここは雪渓が残ると厳しそう。
この時期はそんな不安も皆無。12m滝で入る右岸枝沢の所は前衛の小滝も重なってイイ感じだった
1190m二俣
小滝連続
右岸から枝沢12m滝が入る

V字ゴルジュ内には絶望的な滝は無くラッキー。ゴルジュを抜けると高度計読み1390mで(3:2)二俣。ここを左に入ると両岸の草がうるさくなってくる。さら
に藪の中に隠れた二俣を水流の多い方を選択する。もう”詰め”に入っているのだが藪の中に隠れる滝が出てきたり、水もなかなか涸れず、沢形はほぼ
稜線まで続いていた。
1390m(3:2)を左に入る
源頭の様相
登山道到着

明瞭な登山道を歩く事、20分で三国岳。山頂に綺麗な小屋が建っている。ちなみに、この辺りの稜線はdocomoなら完全に通話圏内との事。山頂直下は
タカツコ沢なのだが、広大なスラブが広がっていた。。。山頂から2時間ちょっとで基点に戻る。
山頂にある三国岳避難小屋
山頂直下の稜線とタカツコ沢源頭スラブ(カーソルあてて)
地蔵山山頂付近からの下山道、入って行けます!

P.S:大白布沢本流は、滝も多く充実しおりお勧めの一本です♪マイナスポイントししては魚影が無い事くらいです。。。支流のタカツコ沢の記録を見る限りでは
   難易度はこちらの方が1ランク上でしょう。雪渓の付き方によっては難易度はさらにアップするので要注意。本流を遡行してタカツコ沢を下降するのも楽しい
   かもしれません。ザイルは雪渓が無ければ30m一本でOKですが、雪渓の不安がある場合は40m用意した方が良いかもしれません。靴はラバーソールの方
   が良いでしょう。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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