2016年11月20日 栃木 釈迦ヶ岳 尚仁沢 権現沢
メンバー:鈴木さん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、マイクロカム 靴:イドログリップ
地形図:高原山
11月も下旬に入り寒さも厳しくなってくる中、日曜は10月下旬なみの暖かさに戻るという事で、地元栃木の釈迦ヶ岳南面に位置する権現沢を遡行することにした。
権現沢の下流に位置する尚仁沢は、“尚仁沢湧水“として環境庁の「名水100選」の認定を持つ有名どころ。権現沢自体はマイナーな沢であるが、地元の人が 何組か調査遡行している様で、いくつか記録がWEBで出ている。癒し系の沢らしいので、単独で計画していたのだが、山登魂の鈴木さんから連絡が入り、こんな マイナーな沢にご一緒していただく事になった。 17:15→18:55落合橋PA着、6:35同発→6:50基点P(概念図参照)
7:15基点P発→7:43精進橋→7:47権現沢入渓→9:42 1090m二俣(右に入る)→12:35 1330m(1:1)二俣(左に入る)
→13:50 1730m稜線登山道→14:10釈迦ヶ岳、14:17下山開始→15:47精進橋→16:08基点P着 権現沢は何処にあるのか見つけるのは簡単だが、どうやってアプローチするのかが非常に解りづらい沢だ。。。県道63号線の側道を入り、この辺でいい
んじゃない???って所に車を停める。(概念図参照) ここからハイキング道跡みたいな道(一部消失)をたどって行くと未舗装の車道に出た。この道は状態 は良く、車は問題なく走れそうだが、1台の車も見なかったので、もしかしたら入口にゲートがあるのかもしれない。権現沢に降りて行くクネクネ道を降りて 行くと精進橋に到着。この少し先で車道が180度折れ曲がっていたので、ここから入渓したが、右岸に作業道が伸びているので、もう少し上流側で入渓し た方が良いかもしれない。堰堤を5,6個超える羽目になった。
昨日、まとまった雨が降ってたのだが、最終堰堤を越えても水が流れていない・・・。”歩く沢”と鈴木さんには伝えていたものの、遠くからわざわざ足を運ん でもらって、この有様で、申し訳ない気持ちでいっぱい。。。入渓して25分、高度計読み860mでようやく水が流れ始めるようになる。さらにしばらく歩いてよう やく沢歩きらしくなってきた。 すると両岸が立ってくるが、通過に問題は無い。濃くは無いが魚影もあるから不思議だ。すると岩陰から最初の滝となる5mCSが現れる。釜は深いが左
から釜を跨いで1枚岩を鈴木さんがフリーで登り、後に続く。滝上はまた、概ね平凡な様相。アトラクションを見つけては楽しんでいく感じ。。。 しばらく進むとゴルジュ内に1090m二俣。水量比は?っと覗いてみると左の沢筋には全く水が流れていない。地形図を見ると本流筋も右なので、迷わず
右に入る。ゴルジュはまもなく終了し2段4mナメ。深い釜を鈴木さんは横開脚で、自分は縦開脚で釜を跨いで水流右から直登。ここから小滝が現れイイ 感じになってくる。
広葉樹の葉がすべて落ちた明るい様相を進むと右岸から湧水を落とす滝が現れ良いビューポイントとなっていた。するとこの先再びゴルジュっぽくなり、 12m滝が行く手を阻む。1ポイントA0が入りそうだが、頑張れば水流右を登れそう。ただ、”歩く沢” という「ゆる~い」感じで歩いて来て、急にこんな滝が 現れても気持ちが高まらず、7~8m手前左岸ルンゼで8m程上がれば滝の途中にトラバース出来そうだったので、鈴木さんが取りつく。ここは岩が脆いの で注意。バンドに上がると、どうも滝に向けての5mは土の細バンド。ノーザイルだとリスクが大きいのでザイルを出す。すると、スタート地点に古い残置ハ ーケンを発見!これにランニングを取ってトラバース開始。トラバース中は残置を見つけられず。最初に現れる灌木でビレイ。水流の所までトラバースした ところで鈴木さんのマイクロカムが決まり、4m程度直上して滝上に出た。 後日、他の記録を見ると、かなり戻って左岸を大高巻きしている方々が多い様だ。
滝上すぐ先には6mの直瀑が掛かっていた。釜はそんなに深くないので、釜を渡って水流右に取りつく。スタンスは狭く、良いホールドも無く苦戦・・・鈴木さ んが、巻いて上からザイル出しますよ!と言ってくれるが、気合と守護霊さん頼みで這い上がる。上からザイルを投げて鈴木さんがフォロー、なんか簡単に上が ってきた!!! ここからナメ床になるが、すぐに終わってしまう。。。お昼時なので焚火休憩♪
この先、またしばらく平凡な様相が続く。すると、1330mで(1:1)二俣となる。右には7m程度の滝を掛けているが、本流筋の左を選択。4mナメ、3mナメと 二つの滝が続くが、ヌメヌメで巻き気味に上がった。この上の2段6m滝も黒光りしており、タワシで磨きまくらないとラバーソールでは登れないだろう。 この先1380mで右岸から沢筋が入るが水は流れておらず。右を選択するとと6m滝。水流左の苔が付いている所を登る。滝上、ナメ床から平凡になり 1415m付近で沢幅が大きく広がる。少し進んで1420mで一旦伏流。少し進むと水流が復活し2段3mトイ状。細かいスタンスを拾って突破。さらに1490mの 二俣も右を選択した。。
ここから先はもう源頭の様相。水量の多い方を選択。最後はガレ状になった所を右に進む。右の枝尾根に上がると笹薮になり、15分ほどの藪漕ぎで 1730mの稜線登山道に出た。すると鈴木さんが、先月、滝ハナ沢遡行時に稜線で遭遇した登山者に、ここでまたバッタリ遭遇するという珍しい事が起こっ た。これは、「沢登りを一緒にやりましょう!」 という事なんでしょうね!
その登山者と別れ、我々は釈迦ヶ岳に上がる。栃木県の名峰だが、自分は今回が初めて。ここは神社とお釈迦様が山頂でコラボしている珍しいところだ。 まぁお互いそっぽを向いているが・・・ 時間は14時過ぎ。下山は権現沢右岸尾根に付けられた登山道を利用。明瞭な道で歩きやすい。地形図で神社マークのある所から地形図では権現沢に 急降下するように付けられているが、現在ではこの道は廃道になっており、尾根に沿って明瞭な道が林道に向かって伸びているようだ。我々な、廃道をそ のまま下降して権現沢右岸の作業道に出て、精進橋に到着。ここから基点Pまでは歩いて20分程度だ。
P.S:権現沢は概ね平凡な様相の沢だが、適度に滝も有り、オフシーズンの沢としてはお勧め。遡行者も少なく静かな沢登りが楽しめる。
時間があれば鶏頂山へ足を延ばすのも良いだろう。魚影も有るので、ノンビリ宴会遡行にも良いかも・・・。テン場至る所にあるので 困らないはず。ザイルは30m1本で充分です。靴は滝を登るならラバーソール+タワシが良いでしょう。 |