2017年2月26日 北茨城 花園川 猿ヶ城沢→熊ノ蔵沢下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、 靴:フェルト
地形図:磐代片貝、川部
遡行図、概念図はこちら

結構冷え込む日が続いた2017年の冬。2月に遡行しようとすると、表丹沢あたりがメインになるが、首都高の料金も倍に跳ね上がり、通行料金の高い圏央道も土日休日割引もなく、
単独だと出来れば避けたいところ。WEBで近県の沢を探していると、茨城県内の最高峰“栄蔵室”(えいぞうむろ)の東面に位置する花園川上流に遡行対象になりそうな沢を見つける。
地形図には沢名が記載されていないが、当日、地元の方に聞いてみると猿ヶ城沢、熊ノ蔵沢と呼ぶそうだ。今回、“栄蔵室”のピークを沢で繋いで周遊する計画を立ててみた。


6:20自宅発→6:48笠間西IC→7:42北茨城IC→8:10花園キャンプ場着
8:55花園神社市営駐車場発→10:11 580m二俣→10:25七ツ滝→10:38第一滝見橋→13:23栄蔵室→13:48熊ノ倉沢下降開始
→15:30県道着→16:05市営駐車場着


今回の遡行の基点となる花園オートキャンプ場を目指す。北茨城ICからの道は全舗装だが、朝8時過ぎでも道が凍結している箇所があった。花園オート
キャンプ場の入り口で、花園川は二俣に分かれるが、どちらも花園川で、ここで左俣・右俣と呼んで差支えないだろう。。。左俣に700m程入ると広い無料
駐車場があるので、ここを基点にする。トイレもあり、softbank携帯も繋がる。 今日は2月と言う事も有り、厚さ1.5mの上下セパレートウエットの出で立ち。
準備を整えてると1台の車。栄蔵室に登るとのこと・・・さすが茨城県最高峰、こんな時期でも登山客が居る。

入渓点となる花園神社(概念図参照)は結構立派な神社で、1200年以上の歴史があるらしい。周辺には遊歩道が設けられているようだ。。。
猿ヶ城沢は茨城県の沢にしては水量がある印象。ボサ沢では決して無い。魚影が走りそうな釜も多数見かけるが、遊歩道が近くを通っているせいか、魚
影は見ない。遊歩道や林道が沢の近くを通っているようだが、遡行中に興ざめする事は無かった。

基点の花園神社市営駐車場・・・寒い
由所ある花園神社と遊歩道マップ(クリックして)
猿ヶ城沢 2条小滝

滝らしい滝も無く、概ね平凡な様相を進むと3m小滝。この先で林道の橋を潜ると、岩の上には氷・・・海から比較的近いところにある沢だが、標高500m足
らずで早くも凍っている所があるのにはビックリだ! ここで堰堤が二つ出て来る。小さく巻いて上がると、小さいながらも魚影を発見。
3m小滝
林道横断点を過ぎると早くも氷が・・・(カーソルあてて)
堰堤上の様相

すると、530mに位置する顕著な二俣。水量比は(2:3)で左俣/右俣の出合となる。どちらも林道の橋が架かっているのが見える。地形図を見ると本流筋
は右俣で水量も多いので迷うことなく右に入る。橋が掛かっている所で林道に上がってみると、この橋は”第一滝見橋”と表記されており、左俣/右俣を別
ける中間尾根に「奥ノ院」と書かれた鳥居があり、ここを登って行くと左俣側に七ツ滝と言う観光スポットがある様だ。偵察がてら登ってみる事5分足らずで
七ツ滝が姿を現す。多段(おそらく7段なのだろう)25m位の滝で、最奥に控える滝は10m近い切り立った滝になっており、しかも半分氷に覆われていた。
その下の滝もベルグラが張っており、滝下までも行けなかったが、おそらく直登は結構厳しいだろう。記念撮影だけして”第一滝見橋”まで引き返し、右俣
の遡行を続ける。
。。
530m(2:3)二俣を右に入る
左俣/右俣中間尾根に設けられた七ツ滝入口
七ツ滝(カーソルあてて)

右俣は左俣の様な大滝は無く、出てきても小滝ばかりで難しい所は全くない。ただ、凍っている箇所は増え、雪が薄ら積もっている場所も出て来る。。。
ふと時計を見ると12時。焚火休憩してお湯を沸かして暖をとった。

2条3m(カーソルあてて)
猿ヶ城沢最大の4m滝
標高700m超えると雪も・・・

もう、この先滝は無い。。。775m(1:1)二俣を右に。さらに807m(3:2)二俣を右に入ると次第に水も枯れる。稜線に向かって詰め上げると地形図に登山道
のように記されている所に林道が横断していた。稜線に大きな電波塔があり、その工事用資材を運ぶ為に切り開いたのだろう。稜線には登山道があり。
一番高い所を狙って移動すると栄蔵室山頂に到着 「茨城県最高峰」の記載はあるが、展望は残念ながら無い。
775m(1:1)二俣を右に入る
源頭です
栄蔵室山頂

さて、下山であるが、栄蔵室周辺は複雑に沢が入り組んでいるので注意。まぁ間違っても同じ県道に出るので、遭難することは無いが、さすがに山の反対
側に下ると、林道歩きが尋常じゃなくなる! 小生、相変わらずGPS持ってないので、磁石と高度計を頼りに下降に使う熊ノ蔵沢をめざす。途中、案の定、
北面の沢に引き込まれてしまい引き返した。一つ小尾根を跨いで、狙った沢筋に入れたようだ
熊ノ蔵沢は東面の沢であるが残雪は猿ヶ城沢より多い印象。途中明瞭な踏跡が沢筋に沿って現れるが、すぐに沢から離れ尾根に上がって行ってしまう
ので、ここから忠実に沢を下って行く。最初に現れるトイ状3mで滑って転び、右足ふくらはぎを攣ってしまう。二日前の筋トレの疲労が取れてなかったの
だろう。歳というものか・・・。
熊ノ蔵沢を下降
800m付近に明瞭な踏跡
滑って転んだ3mトイ状滝

この先、703m(1:1)で右岸枝沢が合流すると5mトイ状7m滝と、まずまずの滝が現れる。7m滝はまだ氷が付いており、これを避ける様に左岸側から小さ
く巻いて降りた。
703m(1:1)二俣。右から降りてきた
5mトイ状
7m滝。写真右のリッジで降りる

この先も、小滝ばかりだが、猿ヶ城沢よりは変化がある印象。こちらから登った方が楽しかったかな??? 6m滝はクライムダウンできず。右岸を巻いて
降りる。570m左岸枝沢を見る辺りから右岸・左岸に釣師の踏跡を見るようになる。
3m、2mの二連瀑
6m滝は右岸巻きで下降
570m左岸枝沢

極力、沢筋を歩こうとしたが、さすがに時間も押してきたので、沢床が見える範囲で踏み跡を利用して下る。栄蔵室山頂から2時間10分で県道到着。ここ
のチャリをデポしておくとキャンプ場までひたすら下りなので便利だが、歩いても35分で基点駐車場に戻れた。
小滝が散見
県道に出る(カーソルあてて)
基点に到着♪

P.S:茨城県最高峰の栄蔵室を沢で周遊するコースだったが、茨城県の沢にしては、水量も有り楽しめた。熊ノ蔵沢の方が、滝らしい滝があるので、
   熊ノ蔵沢→猿ヶ城沢下降の方が楽しいかもしれない。滝はすべて巻いて登れる物なので、初心者を連れての沢歩きにはお勧め。ザイルは30m1本で
   充分。靴はフェルトでもラバーでも問題無し。 尚、沢名は一応、地元の方に聞いたものだが、確証はないので、ご存知の方は教えてください。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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