2016年7月23~25日 奥只見 袖沢北沢→白戸川メルガ股沢下降

メンバー:RURUさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5 靴:イドログリップ
地形図:高幽山、会津朝日岳
遡行図、概念図はこちら

今週は会社の祝日で3連休。関東の梅雨が明けない中、新潟方面の天気は安定しそうなので、袖沢北沢→メルガ股沢下降の周遊を思いつく。通常は雪渓とアブが
居なくなる9月以降に計画される沢だが今年は雪が少ないのでチャンス!アブもギリギリ間に合うだろうと考えた。今回、虫にはめっぽう強いRURUさんがスケジュール
を合わせていただいた。


17:50自宅発→18:35小金井駅発(栃木ICで高速)→20:55石打PA、4:55同発→6:12小出IC→6:00エコパーク奥只見(基点P)
初日
6:25基点P発→7:55北沢入渓→12:50 950m左岸枝沢出合→14:05 1120m行動終了
二日目
5:35出発→5:55 1170m二俣→7:10 1280左岸枝沢出合(幕営地)→8:35 1380m付近最終幕営地→10:52-11:15丸山岳山頂
11:50 1725mメルガ股沢沢床→14:20 1150m最初の幕営地→15:50 1035m行動終了
三日目
6:15出発→7:55 885m左岸枝沢出合(袖沢移動点)→8:55袖沢乗越→10:20袖沢合流→11:35基点P着


基点となる袖沢林道の入口は少々解りづらいが、地形図の通りに進んでいくと施錠された電力会社の門が立ちはだかっていた。すぐ近くに綺麗なトイレも
設置されてるエコパーク奥只見に車を停める。定期バスもここまで運行しているらしく携帯も繋がる。。。袖沢林道入り口の門は通常のゲートと違って隙は
無く、仕方なく乗り越えさせてもらった。警報装置が作動しそうな雰囲気が漂うが、警備員が追っかけてくることも無く無事突破・・・。袖沢林道は只見川を
渡ると未舗装になるが、状態は非常に良い。ただ、”時間短縮”を理由にチャリを用意しても、帰りは急激な上り坂になるので、トータル的には時間短縮に
はならないと思った方が良いだろう。。。トンネルを抜けるとアブが出て来たが、朝早いこともあり、数は少なくてホッとする。途中、下降で戻ってくる沢を確
認、基点から1時間半で北沢出合に到着。思いの外貧弱な流れが林道脇の草木の間から見える。RURUさんのGPSで確認するとやはりココの様だ。
基点のエコパーク奥只見と袖沢林道入り口(カーソルあてて)
立派な橋で只見川を横断
貧相な感じの北沢出合

北沢に入ると、しばらく平凡な様相が続く。岩はメチャクチャ滑りやすく二人ともラバーソールなので若干慎重気味・・・。この辺りでは魚影は全く見ない。
100mほど高度を上げるとゴルジュになる。釜は深く無く、顕著な滝も無いので楽しく進んで行けた。ゴルジュが終了した先になっても魚影は見ない。竿を
出してしばらくすると1匹かかり、魚が居る事は確認できた。しかし、その後当たりもないので竿をしまうとすぐに3段18m滝が現れる。下段だけ巻けば登っ
て行けそうだが、両岸の壁に行く手を阻まれ、仕方なく右岸で滝全体を高巻いた。
平凡な様相がしばらく続きます
ゴルジュ入口(カーソルあてて)
3段18m滝は右岸高巻き

滝上は、両岸が立った様相になっていたが、沢床は小滝が現れる程度で概ね平凡。925mまではテン場適地が散見されるが、2泊3日で遡行するにしても
もう少し先まで進んだ方が良いだろう。この先、沢は豪快な雰囲気に変化し
、それと共にテン場は無くなる。ただ、腰まで水に浸かる所はあるものの、難しさは無かった。
3段18m滝上の様相
925mまではテン場適地は随所にある
豪快な感じに変化(カーソルあてて)

地形図に記載のある950mで出合う左岸枝沢は意外と細く、奥に10mほどの滝を掛けている。ここは河原は少しあるもののテン場には不向き。。。このすぐ
先で5m滝。左の乾いたところを直登。さらに小滝を複数こなし、7m滝は濡れるのを嫌って安易に右から簡単巻き上がった。

950m左岸枝沢
5m滝
7m滝は右から

標高1020m付近から1050mまでの区間で、多くの記録で幕営したとの記載を見たが、良い場所が見当たらない。イタドリの群生台地はあるので、この
何処かに刈りこんだ所があるのだろうか? ただ、この辺りで初日の行動を終えると、二日目の行動時間が長くなる様なので、もう少し先に進みたい気持
ちもあり、1170m二俣に良いテン場があるだろうと期待し、左岸に10mトイ状滝で入る枝沢を見て先に進む。すると1120m付近右岸に4人くらいまでなら
横になれるスペースを発見!このすぐ先には10m滝が現れたので、時間は早いがここで初日の行動を終了した。薪は豊富。魚影もあって釣れた所までは
良かったが、釣った魚をさばいている時に5m離れた所にクマが来たらしく、糞をして立ち去って行ったようだ。。。焚火もしていたのに・・・と思うと驚き!
ホイッスル吹きまくった事もあり、その後姿を見ることは無かった。
1040mに見つけたテン場(?)
10mトイ状で入る左岸枝沢
1120m付近で行動終了


二日目
今日は長時間行動が予想されるため早出する。昨日見た10m滝は直登叶わず右ルンゼから小さく巻いた。滝上から10分かからず1170mに位置する
二俣。水量比は(1:2)。残念ながらここにはテン場適地が無い。1020mで行動して正解だったようだ。ここは水量の多い右に入るとすぐに5m滝。左壁の
バンドを利用して容易に超えられる。
10m滝(カーソルあてて)
1170m二俣
5m滝は左壁バンドで上がる

ここから北沢の核心部に入って行く。全体的にゴルジュチックな様相の中、小滝が連続。7m滝は左ルンゼから岩をタワシで磨きながら直登。RURUさんに
は上からザイルを投げる。この先、一見悪く見える滝も、近づいて見ると弱点が必ず見つかり助かる。10m滝は左から取りついて上がって行ける。
ここはRURUさんもノーザイルで登って来た!
7m滝(カーソルあてて)
悪そうな滝も弱点有(カーソルあてて)
10m滝(カーソルあてて)

この先、3条5m滝を上がると、1280mで出合う左岸枝沢。水量比は(2:1)ここの出合には増水には耐えられないが、横になれるスペースがある。ここから
はまたゴルジュチックになり小滝連続。腰上まで水に浸かるが、難しい所は無い。6mほどの滝も出てくるが右から登れる。しばらく小滝をこなしていくと、
1380m付近左岸に多少の増水にも耐えられそうな台地があり、焚火の跡も発見! ここが最後のテン場適地になる。1泊2日で同コースをこなす場合は、
初日に最低限ここまで来ないとダメだろう。
1280m左岸枝沢とテン場(カーソルあてて)
小滝が続く様相に(カーソルあてて)
1380m左岸の最終テン場

この先も小滝が続く様相になるが1425m付近から穏やかな様相に変化。1530m(1:1)二俣は左を選択する。ここを右に入ると8m滝が一つ出てきて終了ら
しいが、左に入ると、5m滝が2つほど出てきて、その一つは右ルンゼから巻いたが嫌らしかった。最後は水は枯れても沢形は残り藪漕ぎは無い。草原に
出てると稜線は近い。結局雪渓は全く見なかった。。。
小滝を超え1425mになると癒し系に(カーソルあてて)
1530m左俣の悪い5m滝(左岸巻き)
草原に上がって終了♪

幅広尾根は、丸山岳に向かって薄い踏跡が伸びている。丸山岳は200名山にも入っていないようだが、一般ルートが無いだけで、沢屋さんの多くが知って
る”沢屋100名山”と言って良いだろう。一番高い所を目指せばすぐに三角点が見つかる。”丸山岳”なる看板が無いのも沢屋さんだけの山だからか???

ここからメルガ股沢に向かって真西に進路を取る。すぐに背丈ほどの笹薮になるがガスが掛かって無ければ視界は利く。藪は北沢側の方が薄いので、
ウザくなったらそちら側に進路を求めると良いだろう。ある程度進んだ所からメルガ股沢に下降すると西方向に奥只見スキー場が見えた。強引に密笹薮
を降りて行くと1725mの高度でメルガ股沢の沢形に出た。
丸山岳を望む
丸山岳から真西に伸びる尾根を進む
スキー場とダム湖が見える!

メルガ股沢も濡れた岩は滑りやすい。1400m位まで平凡な様相を下ると10mトイ状。左岸を小さく巻いて降りる。さらに下って行くと5m、6m(?)の連瀑
残置シュリンゲもあるが、30mザイルだと下まで届かない感じ。右から巻くと右からも顕著な枝沢が流れ、どうもココは中間尾根らしい。3m位下った所にも
残置シュリンゲがあり、利用させていただいて懸垂。どうもここが1245m地点の様だ。この先3m級の小滝を懸垂。1150mまで下った右岸に最初の幕営
適地を発見する。ここまで下れば魚影もあり、日程的にも十分だが、時間は14時過ぎ。1040m付近にもっと良いテン場がある事を期待し、休憩だけして
下降を続ける。
メルガ股沢 10mトイ状
1245mに掛かる滝で最初の懸垂
1150m下って最初のテン場

ここからは随所にテン場があるのかと思いきや全く無い。7m滝をクライムダウンし、3m滝を2回懸垂してようやく1038mに位置する二俣に到着。水量比
は(1:3)。ここから明るい広河原状に成るのかと思いきや、両岸にイタドリが群生する景観。30m程歩くと左岸にいくつものパーティーを向かい入れたと思わ
れるテン場を発見!吸い込まれる様ににここに入り今日の行動を終了する。ちなみにここ以外には、このテン場から15m程上流側左岸に一張り・・・と言っ
た感じか。。。時間は16時前。急いでツェルトを設営。薪集めと食糧調達に出かける。アブは居ないが蚊が多く、ツエルトの通気口を閉め忘れて夜中餌食
になる。。。
7m滝を下る(カーソルあてて)
1038m二俣
左岸に絶好のテン場


三日目
今日は袖沢乗越を超えて帰るだけだが、距離は長い。。。ここからは滝らしい滝は無かった。テン場適地は意外と少なく三角点沢出合(増水には耐えられない)と、935m付近右岸(釣師ご用達?)に良い場所を見つけた。袖沢乗越に通じる左岸枝沢はゴルジュ内の4m滝で出合っている。”赤テープがある”との記
録も見たが今は無い。高度計しか持っていなければ、三角点沢出合で必ず高度を合わせておいた方が良いだろう。
こんな場所もあり
三角点沢出合とそのテン場(カーソルあてて)
袖沢乗越に通じる左岸枝沢(カーソルあてて)

枝沢に入ると上流部で分岐するが、この辺りには赤テープが残っていた。藪漕ぎも無く35分で袖沢乗越に到着。そのまま尾根を跨いで反対側の沢に
下降ルートを求める。いくつか滝は出てくるが、ザイルは出さずに下降できる。袖沢横断は増水してるとチョット怖いかも。。。昼間の袖沢林道はアブが
多い。それでも纏わりつくのは10~20匹程度。。。防虫ネットを被るほどでも無い。虫にめっぽう強いRURUさんに先頭を歩いてもらう。決してO型の人を
先頭にしてはいけない。先頭は一番虫が寄り付かないA型の人のお役目か・・・。 
今日は平日で、南沢出合で林道補修工事を行っていたが、みんな防虫ネットを被る事なく、平然と仕事をされてました! アブもたかってないし・・・。いった
いどんな裏ワザがあるのか無理にでも聞けばよかったかな???
袖沢乗越
袖沢右岸支流の滝をクライムダウン
袖沢を横断

P.S:袖沢北沢→メルガ股沢下降は丸山岳へのメジャールートだけあって、結構良かったです。魚影も多いので、竿を出しながら・・・と思う人は2泊で
   行った方が良いでしょう。1泊で抜けるのは少人数の足の揃ったパーティのみ可能です。2泊で行く人は二日目の行動時間がながくなるので注意。
   今年は雪が少ないですが、通常7月ですと雪渓処理がカギになりコースタイムも大幅に変わる事でしょう。通常遡行では濡れるのは腰上まで。
   やはり秋にお勧めの沢です。ザイルは30m1本で十分。やたら滑るので靴はフェルトの方が良いのかな・・・。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして) ※赤丸はテン場適地


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