2017年3月5日 丹沢 河内川 コノマ沢(モロト沢)

メンバー:ひろた単独
装備:ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:山北
遡行図、概念図はこちら

早春丹沢企画!せっかく6時間掛けて丹沢まで来たので昨日の滝口沢だけでは勿体無い。。。同じ河内川流域のコノマ沢を狙う。この沢丹沢には珍しい切れ込み鋭い
ゴルジュを有するそうだ。単独で何処まで出来るか判らないが、とにかく行ってみる事にした。。


7:22道の駅「山北」発→7:30コノマ沢入渓→7:50 2段12m滝下→8:15 二俣ゴルジュ入口7m滝下→8:50 右俣10m滝上(右俣ゴルジュを登る)
→9:35 左俣3m滝上(左俣遡行:途中焚火休憩有)→12:10 410m(3:1)二俣→13:00 620m大ガレ上で遡行打ち切り→14:05基点P着


中川川流域で一晩明かし基点の道の駅「山北」に車を移動。足回りを固めて出発する。ふれあいビレッジキャンプ場の真ん中を通っているのがコノマ沢
だ。そそくさとキャンプ場を横断し入渓する。すぐにゴルジュになり、倒木奥に4m滝が立ちはだかる。岩は花崗岩では無く、小石が転々と埋没している礫
岩で、房総や茨城の沢でも良く見かけるものだ。。。水流左、埋没している小石にスタンスを求め、甘いホールドを掴んで這い上がる。フェルトソールだと
かなり厳しいかも・・・。この滝の高巻きは相当面倒なので頑張るしかないだろう。この先小ナメを過ぎると堰堤。右岸にハシゴが付けられているのでテコ
テコ上がる。
コノマ沢入渓点
いきなり渋めの4m滝
堰堤は右岸からハシゴで上がる

すると両岸が切り立ち2段12m滝が行く手を阻む。これは登れない・・・。高巻きは左岸。滝傍は抉れていて50m程は巻き上げられるが、落ち口見ながら、
懸垂せずに滝上に降りれる。降りた先には癒し系の3mナメ。丁度朝日の入る方向にあり綺麗。この滝を上がると、両岸岩壁に囲まれた中を切り裂くよう
に水を落とすトイ状滝が前方に現れた。小規模な沢にしては威圧感は充分! 近くに寄ってみると滝の高さ自体はそれほどでも無く7m滝・・・と言った所。
トップクライマーなら両手両足ツッパリで・・・って手もあるかもしれないけど俺にはムリ。。。高巻きは左岸か・・・
2段12mを大高巻き(カーソルあてて)
2段12m滝上の3mナメ
岩壁を切り裂く7m滝

大高巻きに入ってすぐザレリッジでショートカットしたところまでは良いが、そこから滝に向かってのトラバースが渋くて、さらに巻き上げられる。先ほどの
高巻きより労力を使う事は確かだ。安全圏に入り、滝上に降りて行こうとすると二俣ゴルジュとなっていた。そうそう!WEBで書いてあったな!右俣には10m程
の滝
が掛かっており、その下に先ほど7m滝になっていたが、10m滝下に懸垂で降りてしまうと、右俣にもノッペリした滝が掛かっており、下手をすると7m滝
を懸垂で降りるしかなく、また大高巻きのやり直しになってしまいそう。。。 では右俣10m滝上に懸垂するのはどうか・・・?その上には3m程度のCS滝が
あるが最悪それを登れなくても、右俣の右岸側からゴルジュを脱出できそうなので、懸垂で10m滝上に降りる。ロープを回収する前にゴルジュ脱出が出来
るかを確認!大丈夫そうだ
高巻き途中からゴルジュ内の右俣を覗く
高巻き途中からゴルジュ内の右俣を覗く
二俣ゴルジュ右俣の10m滝上から覗き込む

ザイルを回収して、右俣3mCSに挑む。水流右の岩壁が比較的安定していたのと、倒木もうまく利用でき、意外とあっさり登れた。続2段6m滝も快適に
直登。これであっさり二俣ゴルジュの右俣は終了。少し先まで行くと二俣になっていた水量比は(2:1)。。。ここで、引き返し、今度は二俣ゴルジュの左俣に
移動する。

右俣3mCSは水流右から超える
2段6mは水流左から登る
右俣はあっけなく終了のイメージ

こちらの方がゴルジュは深い。ただ、こちらは難しい滝が無さそうなので、懸垂で降りても大丈夫そう。岩壁は脆いので懸垂中の落石には要注意。40m
ザイルいっぱいまで懸垂すると、左俣一番下にある滝上まで届いた。降りた所でバランスを崩すと釜がやたら深くて胸まで濡れてしまった・・・ぎゃぁぁぁー!

左俣一番下の滝には下りなかったが、ショルダーとかすれば登れそうな感じかな。。。小滝を登り返して(難しくない)ザイルを回収。少し進むと。このゴルジュ
左俣側も終了する。
二俣ゴルジュ左俣を懸垂(カーソルあてて)
右俣10m滝を左俣から見る
丹沢にしては切れ込み深いゴルジュ。

ここからはナメの小滝、3mナメ滝が散発的に出て来るだけで、概ね平凡な様相がつづく。もう、核心部は終了と思い、陽の当たる所で早速焚火休憩♪
シイタケ見つけて塩焼で食べた!、日帰り遡行でも調味料と網は必須アイテムだね
癒し系の3mナメ。
新緑まだだけど、キレイ
シイタケ一個だけだけど、旨かった♪

時間は10時50分。。。高度計をみるとまだ290m程度・・・まだ1/3くらいしか進んでないけど、いいのかなぁー???  ここから概ね平凡な様相高度計読み350m
位のところで5m滝。どのくらいの高度からか気づかなかったが、岩が礫岩から花崗岩に変化していた。おそらくあのゴルジュ付近までは、大昔海の底だ
ったんだろう・・・、さて、この5m滝水流左からTRYしてみるが結構渋く断念して、そのまま右岸を小さく巻いてあがった。。。ここから滝が散見されるように
なる。続く6m3段滝を快適に上がると、左岸枝沢の15m滝が落ちる所に5m滝。これも安易に小さく左から巻いたが、上から見ると、水流左から登れそう
な感じだったので残念・・・。
5m滝(カーソルあてて)
6m3段滝
奥の5m滝は右岸巻き(カーソルあてて)

この先右岸から細流が入ると2段7m滝。水流左壁を上がるが岩が脆くザレていて、かなり神経を使った。高巻きは割と大き目の巻きになるので、悩む所
だろう。滝上は小滝が散見する癒し系の様相。すると、左岸から割と顕著な沢筋。水量比(3:1)。どうも410mに位置する二俣の様だ。地形図では明瞭な
沢筋になっていないのでGPSを持っていないと、なかなか場所が判りにくい。。。ここを過ぎると両門状になった6m滝。右側は枝沢で、もうちょっと水量が
あると綺麗だっただろう。ここは右滝から上がって巻けば簡単だが、ここは左(本流側)滝の水流右にTRY。水流に入るポイントの1歩が緊張するが、何とか
滑らず突破できた。
2段7m滝(カーソルあてて)
410m(3:1)左岸枝沢
6m両門滝(カーソルあてて)

すると、また二俣。水量比(1:1)で右俣を覗くと立て看板がみえる。地形図を照らし合わせるとどうもここが430mに位置する二俣のようだ。右俣には入らな
かったが三井氏の記録を後日見ると“神奈川県の設置した水源やらの事が書かれた看板”とのことだ。彼はここで遡行を打ち切ったようだが、まだ標高で
200m以上残っているので、本流筋の左に入り遡行を続ける。。。
右岸ルンゼを見送ると、両岸みごとな大ガレになっていた。ここはkamogさんの記録をみると、2010年の豪雨で総崩れになったと表記されている。これは
これで変化があって楽しい。この大ガレが終了すると5mY字滝。これがコノマ沢最後の滝だった。。。
430m(1:1)二俣を左に入る
両岸大ガレ帯
最後の滝となる5mY字滝

すると、正面にグレーの大ザレがフィナーレを飾る(?)がごとく立ちはだかっていた。このグレーのザレは見事なまでにザレザレでなかなか上に上がれな
い。右側の茶色いザレのほうがまだマシで、ここを頑張って上がるしかないアイゼンが欲しいくらいだ。ここを気合で上がりきると高度計620m。上尾見上げ
るともう沢形は無く。稜線上に何も求めるものも無いので終了する。。。

帰りは左岸尾根を利用している人が多いようだが、右岸に林道が通っているので、右岸で帰る。。。ラッキーなことにザレ終了点の高さから少し上がった所
うすい作業道が付けられており、尾根に上がることなくトラバースできる。高圧鉄塔の真下を抜け、降りてきた尾根に合流して少し下ると林道にぶつか
(概念図参照)。林道の折り返し点をショートカットしながら降りていき、下山開始から僅か63分で基点に戻ることができた。
コノマ沢最後の大ザレ(カーソルあてて)
沢床から30m程上がった所に作業道(カーソルあてて)
降りて来た尾根

P.S:コノマ沢はゴルジュだけではなく、中流部以降に出てくる滝も渋めだが登れるものが多く、アトラクションが多くて楽しい!最上部付近の大崩壊もあり、
  河内川流域にしては変化のある楽しい沢だった。もちろん名物ゴルジュもは丹沢を愛する人にとって一見の価値があるだろう。ザイルは沢慣れしている
  人なら30m1本でも何とかなるが、40mを持っていくと安心。靴はラバーソールがお勧め。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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