2017年3月11日 奥多摩 北秋川 千足沢
メンバー:ひろた単独
装備:ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5、 靴:イドログリップ
地形図:五日市、武蔵御岳
最高気温が東京で13℃という3月上旬だと、行ける山域も絞られ、さらに行ったことのない沢となると、なかなか見つからなくなってきた。今回、秋川流域でWEB・地形図を眺めてみると
北秋川の千足沢に天狗滝・綾滝という二つの滝がある事を知る。。。登山道が沢筋を通っている為か、この沢を『遡行』というジャンルで記録を残しているのは皆無。今までの経験上、 登山道が通っている沢も人が通らなければ、ほとんど登山道の存在は気にならない事は判っているので、ハイキングがてら行ってみる事にした。 4:48自宅発→5:55久喜IC(圏央道)→6:20川越IC→7:25千足
8:10基点P発→9:00天狗滝下(途中大休止)→10:40綾滝下(685mで右岸支流に入る)→12:55高黒山南側稜線→13:15 富士見台(1054ピーク)
→13:35下山開始→15:00基点着 早朝出発、チョット高速利用で2時間半強で北秋川千足到着。柳沢橋という名前の橋が架かっていたが、地元の方に話を聞くと沢名は”千足沢”で良い
様だ。県道沿いに天狗滝、綾滝の小さな道標が立っているので、そこを車で入って行く。道は全舗装だが凄く急登。最奥の駐車スペースは車を展開させ るスペースを必要とするので、車を駐車するときには他車に迷惑が掛からない様に。駐車スペースは精々4台程度だろう。ここではsoftbank携帯は圏外。 歩き出しすぐに登山道が沢を横断するので、ここから沢通しで進む。登山道の存在は全く気にならない。少し行くと小滝が出迎えてくれる。
この先、3m滝を頑張って水線通しであがり、2条小滝を越えると大岩帯に入る。ここにでてくる岩間5mCSは水線通しでは上がれず左岸を小さく巻く。 さらに3m滝をツッパリで超えると大岩帯は終了だ。 すると、天狗滝の前衛にある小天狗滝の案内板を発見! 回り込んだ所にそれは有った・・・高さは8m。下部が割とノッペリしており直登はムリ。登山道
は右岸を通っているが、水流右の乾いた壁で小さく巻いた。ラバーソールのフリクションがあれば何とかなるだろう。落ち口ピッタリに出ると、下からは見 えなかった3段8m滝が間髪入れずに現れる。この滝を含めて小天狗滝と言うのかは不明だが、今回は別として取り扱う。この3段滝は直登可能。 この滝を上がると、眼前に天狗滝が現れる。17mはあろうか。白い岩盤から水を落とす様はスバラシイ♪ 釜に近づいてみると、浅くてそれほど大きい釜
では無いが、ここだけ魚影がある! 釣師が運んだのかな??? さて、この滝だが、直登は見た瞬間ムリで高巻きしか考えられない。右岸は壁が大きく立ちはだかっているので左岸にルートを求める。すると、滝横にあ る岩バンドが伸びている。上手く行けば、落ち口ジャストにトラバース出来そうだ。早速取り付く。沢慣れしていない人にはザイル出した方が良いくらいの 巻きだが、まぁ特に問題ない。早速落ち口に向かってトラバースしてみると、落ち口手前でスパッと切れ落ちており、フリーではムリ。さらに天狗滝すぐ上に 4mナメがあり、直登はおろか、両岸の壁さえもノッペリしており手が出ないのが解る。仕方なくさらに1段高巻いて見ると、この4mナメ滝上に3m、5m2条滝 が天狗滝上ゴルジュ内に控えており、懸垂で降りた所で登れそうも無いことが判る。。。結局、5mナメ滝上まで全体を高巻いて天狗滝を終了した。
ここから先は平凡な様相が続く。途中沢形が二つに別れ、水流の多い右に入ったがインゼル状で、しかも右側は途中で沢形が消失。左側の沢筋に移動 すると再び水流が現れた。この先で登山道が横断すると、今度は綾滝が現れる。20mくらいあるだろうか? この滝も先ほどの天狗滝と同様にトイ状で水 を落としており登れない。登山道は大きく左岸を巻いているが、水流右の凸壁で小さく巻けるかTRY。しかし、近づいてみると、スタンス・ホールド少ないの で、凸壁右側にあるルンゼで高巻いた。
綾滝を超えると少ない水流がなお一層少なくなる。左岸岩壁がある所にチョットした岩潜りを発見。これを潜ると二俣が現れる。水流は左側だけにある が、下山時に解った事だが、本流は右側になる。。。この二俣を右に入った30m先につづら岩からの登山道と平行する沢筋が左岸から出合う様になって いるのだ。 さて、先程の二俣を左に入ると、こちらもすぐに水が枯れてしまった。正面に岩壁が立ちはだかっている。どうも高黒岩の基部にぶつかった 様だ。
ここで沢筋が右に曲がるのかと思いきや、左側に30m涸滝。ここが本流では無い事は判っていたが面白そうなので、ここを登ってみる。。。傾斜は緩い が、ノッペリ系。枯葉を落としながら左側を慎重に登る。20m強上がり、残り7mくらい残した所で、落ち口にある段を、右側にトラバースしないと登れない事 が判明。右にトラバースを試みるが、ホールド・スタンスが足りず断念。唯一この場所からなら右岸を高巻けるので、この位置から小さく高巻いた。始めか ら草付交じりの右側を登れば何とかなったかもしれない。 巻いて上がると、また似たようなスラブ状涸滝が続いている。何処で区切ったら良いのか判別しにくいが、4m涸滝、6m涸滝としておこう。4m枯滝は、右 壁を掴みながら上がる。割りとテクニカルな感じ。すぐ上の6m涸滝は凹角に入り込んで突破しようとしたが、凹角から出る所で、良いスタンスが無く。あえ なく小さく右岸巻き。 さらに涸滝は続く。5m涸滝は傾斜が緩く容易。8mCSもスタンスをいくつか拾えて突破。6mトイ状は枯葉をどけて足を決めながらがって行く。すると一旦 開けた所に出る。右を見ると枝尾根にスンナリ出れそうだが、どうしても左の巨岩が詰まったゴルジュに目を奪われてしまう。。。やはり進行方向はこち らか・・・。
近づいてみると、ゴルジュ内にビッチリ岩が詰まっていて、とても悪い。ゴルジュ入口のすぐ左岸側に弱点とみられるチョットしたルンゼがあり、こちらで小 さく巻こうとしてほぼ垂直に登って行くが、最後の1,2手が岩が脆そうで、悩んだ挙句に断念。1.5mほど下がって壁をトラバースして、この岩が詰まったゴル ジュを高巻く。懸垂せずに降りれる場所は1か所だけで、慎重にクライムダウン。後はルンゼ形状もはっきりしなくなり。詰め上げるだけ。出た所は、つづら 岩のある主稜線から大分離れた1054mピークから南に延びる尾根だった・・・。
主稜線に向かって北に向かうと、976mピークに到着。高黒山との看板がぶら下がっていた。これで、ようやく何処の沢筋を上がって来たのかが解った次 第(概念図参照)。1054mピークは”富士見台”と言うらしく富士山の展望が良い所だが、今日は山頂付近の高さで雲がかかっており全体は拝めなかった。 マイナーな山域だが、主稜線になると、登山者も何人かすれ違う。。。 時間は1時半・・・。当初、隣の八割沢やか、大沢を下る事も計画していたが、来る時、かなりショボイ沢だった事を確認したのでつづら岩経由で普通に下 山する。つづら岩はクライミングゲレンデとなっている様で、真新しい支点が多数ボルト打ちされていたが、イマドキ、車から降りてすぐゲレンデと言う所も 多いので、こんな所まで登って練習・・・なんていうクライマーは皆無だろう。。。富士見台から約1時間半で起点に戻る。
P.S:千足沢は、天狗滝・綾滝訪問のハイキンコースではあるが、沢登りとして真正面から向き合うと割とキビシイ面もあり、意外と楽しめました。
綾滝を過ぎて、本流側は平凡な様相が続くようなので今回通った高黒岩のある右岸ルンゼで詰め上げると良いでしょう。ここに突っ込む場合 ザイルは40m程持って行くと安心。靴はラバーソールでないと厳しいと思います。 |