2017年3月27日 南紀 小口川 滝本本谷

メンバー:RURUさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、0.5、 靴:イドログリップ
地形図:紀伊大野
遡行図、概念図はこちら

南紀ツアー三日目、昨日の鳴谷と同じ 赤木川水系にある小口川に移動し、滝本本谷に向かう。この沢に掛かる宝竜滝は那智の滝に次ぐ大滝らしい。
関西地区ではメジャーな沢で入渓者も多くWEBでも多くの記録を見かける。とても綺麗な沢と言う事で楽しみにしていたところだ。。。


7:00赤木川ぞい小和瀬バス停前発→7:35滝本本谷基点着
7:55基点発→8:10宝竜滝下→9:45取水堰堤(途中焚火休憩有)→10:55二俣(イオの谷出合)→13:30ナメラゴの滝上
→13:55ボタバ沢出合(終了点)→14:30滝本本谷/滝本北谷中間尾根→15:00ナメラゴの滝上→16:20基点P着


昨晩は熊野古道入口に位置する小和瀬渡し跡に車中泊。道の駅風の場所であり快適に寝れた。ここから県道44号に入って行く。ガードレールも無い
細い道だが全舗装。非常に奥まった所だが2,3集落を通過。基点の滝本集落にも人が住んでおり、郵便受けに職員が巡回していた。駐車スペースは
県道沿いに数台分あり、県道から側道を入った奥にも駐車可能だ。通常の2WD車でも安心して入って行ける。こんな山奥でもsoftbank携帯が繋がるのは
嬉しい。車道から遊歩道を進んでいくと宝竜滝が見えてくる。一ノ滝、二ノ滝の2段構成だが、近づくと二ノ滝は見えないが一ノ滝だけでも圧巻だ!
県道44号からの入口
宝竜滝
一ノ滝40m

一ノ滝は左岸を巻くが、側壁が続いており、近い所からは高巻けない。杉谷の右岸を進み杉谷に出て来る10m滝手前のリッジから高巻きを開始する。
大高巻きをしてしまうと、二ノ滝も一緒に巻いてしまうので注意。沢が見えてくると、二ノ滝下に降りる踏跡がある。二ノ滝の方が若干落差が大きい様だ。
この大滝も左岸巻き。踏跡もあり高巻きは容易。 宝竜滝上に出るとゴーロ帯が続く。。。
杉谷10m滝下から高巻き開始二ノ滝下へ(カーソルあてて)
二ノ滝とその落ち口から(カーソルあてて)
宝竜滝上はゴーロ帯

3mナメを上がると右に屈曲し2段10mナメ。水流左に取りつくが結構滑っており、逃げ気味に登って行った。すると今度は5mナメ、ここは水流右端から。
間髪入れずに出て来る6mナメは釜も深く手が出ず左岸を高巻いた。
2段10mナメ
5mナメは右から(カーソルあてて)
6mナメは左岸高巻き

するとここで取水堰堤。ここからは発電所への巡視路が伸びているとの事。魚影があるので、チョット竿を出してみるが釣れずに断念。左岸に屋敷跡の
石垣を見ると左から”奥コッペ滝”と名付けられた7m滝。この左岸石垣の所には岩小屋になっていて焚火の跡がある。我々もここで焚火休憩。。。奥コッ
ペ滝を左から上がるとイイ感じのナメ床が続く
取水堰堤
奥コッペ滝横で休憩
奥コッペ滝上のナメ床(カーソルあてて)

この先、沢床が平凡に戻ると(2:1)二俣。RURUさんは二俣と気づかず右に進んで行くので引き留めた。右の沢は”イオの谷”と呼ぶらしい。。。ここを本流
の左に入ると見事な滝が見えてくる。”燈明滝”と呼ばれる2段40m滝だ。。。高巻きは左岸だろうが、登れそうなのでザイルをだして、水流左から取りつく。
草付とのコンタクトラインを少し上がって、水流側に向けて斜上残置類は一切ない。高度感はあって緊張するが、スタンスホールドは有るため、Ⅳ-と言っ
た所か。下から見えないところが滑るので注意。30mザイルいっぱいで1段目終了。木の根と上から延びる灌木に支点を求めピッチを切る。
(2:1)二俣
燈明滝ルート(カーソルあてて)
1ピッチ目(カーソルあてて)

2段目は水流を右岸側に横断して上がって行くのも楽しそうだが、かなり水を被りそうなので、そのまま水流右を直上。それでも頭から水を受け、結構濡
れる。さらに、ラストの2mを水の流れる所から突破しようとしたが、水を受けながらホールドを探すのに苦労し断念・・・。右の灌木帯にチョットだけ入って
滝上に出た。寒いので水流にすぐに戻らず、燈明滝上を右の灌木帯を歩いて登ると、今度は”白滝”と名付けられた20mが現れる。こちらの方が寝てい
て、下部の1ポイントをショルダー、あるいはA0すれば、左右どちらからでも上がって行けそう。。。パートナーが登攀系だったら突っ込んでただろうが、ここ
は左岸から安易に巻いてしまった。白滝上もイイ感じのナメになっている。
燈明滝2ピッチ目
白滝20mは左岸を巻いた
白滝上のナメ(カーソルあてて)

ここから小滝を2つほど超えていくと巨岩帯。ここを抜けると”ナメラゴの滝”12mが現れる。直登は難しく右岸から巻き上がると明瞭な踏跡。これをたどっ
て下山するらしい。。。滝上に出ると沢床の傾斜はなくなり、ナメ床が散見されるようになる。
巨岩帯
ナメラゴの滝
ナメ床が点在

しばらく進んでいくと、右岸から顕著な枝沢・・・看板が立っており「ボタバ谷」と書かれている。地形図では小さい沢筋なのに「やけに水量があるなぁー?」
思ったら、滝本北沢から導水路で水を引っ張ってきていた。本谷にある発電所へより多くの水を引き込むためだろう。本流は同じ様相が740mの奥ノ二
俣まで続く様なので、ここで遡行を打ち切る。どのWEB記録も下山で苦労して居るようなので、ここからが核心か?

ここから本谷と北沢の中間尾根を目指す。上がり切った所には踏跡があり、これを辿って行くと鹿よけネットにぶつかるのでそれに沿って進んでいく。。。
ここまでは順調だったが、ピークに登って行くところで、プツリと踏跡が消える。ピークの南側は開けているが、鹿よけネットが張り巡らされて入れない。
仕方なく、ここから本流に向かって下降した。こんな事なら圧倒的にボタバ谷からナメラゴの滝上まで沢通しで引き返した方が早かった。。。
終了点としたボタバ谷出合(カーソルあてて)
北沢との中間尾根を利用(カーソルあてて)
ここで道が消え、本流に向かって下る(カーソルあてて)

ナメラゴの滝上から右岸に伸びる踏跡に入ると、また、鹿よけネットが出て来てこれに沿って道が伸びる。途中、踏跡が消えるが鹿よけネットが上に登って
行くまでこれに沿って進んでいくと、大きな尾根が見えて来るのでこれに乗る。ここまでは正解だと思うのだが、この尾根上でまた道を見失う。GPSを持って
いるならこの辺りで現在地確認すると良いだろう。我々はGPSを持っておらず。適当かつ強引に降りて行ったら懸垂はしなかったものの、北沢に出てしまっ
た。随分間違ってしまったものだ・・・。北沢の右岸林道に上がり基点に戻る。まぁそれでもボタバ沢から2時間半掛からなかった計算。
ナメラゴの滝上から右岸踏跡に入る(カーソルあてて)
本谷/北沢の境界尾根を下る
滝本北沢に出て終了(カーソルあてて)

P.S:滝本本谷はアプローチが面倒だが、日帰りの沢としては内容十分で、しかも美しい沢だった。白滝は巻いたが、燈明滝と共に直登したら
   より充実した遡行になるでしょう。ザイルはこの二つを直登するなら40m1本用意した方が良いです。下山はボタバ沢より先に進んだ場合も
   ナメラゴの滝まで沢通しで戻った方が早いです。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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