2017年3月28日 南紀 高田川 ナル谷

メンバー:RURUさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、0.5、 靴:イドログリップ
地形図:新宮、紀伊大野
遡行図、概念図はこちら

南紀ツアー、4本目は昨年行けなかったナル谷を選択。やはりこの沢も大滝を擁している沢で、結構下山が面倒らしく、1泊2日で遡行している記録もある。
陽は長いので早出で対応すれば何とかなるだろうと日帰りで計画してみた。


16:30滝本本谷基点→17:50ナル谷基点
6:20基点P発→8:00取水堰堤→10:20 459m左俣谷/右俣沢分岐→13:00奥ノ二俣→13:30 663m遡行打ち切り(左俣谷との境界尾根に上がる)
→14:45 459m左俣谷/右俣沢分岐→15:30 380m付近ショート尾根取り付き→16:00 485m乗越→16:15取水堰堤→16:55基点P着

18:30高田温泉発→19:37熊野尾鷲道路入口→20:20尾鷲北IC→23:15長篠設楽原PA、6:25同発→10:00久喜IC→11:50自宅着

ナル谷は遡行時間が長いため、前夜のうちに滝本から高田側に車で移動。発電所から100mほど手前にトイレ付の東屋があり、ここがナル谷の基点
なる。道はわずかに未舗装が残るがフィットで問題ない。softbank携帯だとアンテナが1本でギリギリメールの送受信が可能。RURUさんのAUでは圏外。
ここから発電所を回り込むと一ノ滝への遊歩道が伸びている。まぁ発電所から沢通しで進んでも何ら問題ない。ゴーロ帯をしばらく進むと大釜を持った
一ノ滝が見えてくる。落差はそれほどでもないが風格のある滝だ! 直登は難しく。右岸巻き。一ノ滝上は側壁が立っていて、上にある3m滝も一緒に巻
いて沢床に戻る。
ナル谷基点あづまやP
一ノ滝が見えてくる(カーソルあてて)
側壁が立っていて落ち口に簡単に降りれない

沢が右に曲がった先に今度は左側からナル谷ハイライトの二ノ滝が姿を現す。左壁がスラブ状になってて見事だ! この滝は傾斜も緩くいろいろルート
取り出来そう。中段テラス(?)まで水流沿いで上がって、左のスラブに移動。ラバーソールであれば快適に登って行くことができる。
二ノ滝(カーソルあてて)
中段テラスへ(カーソルあてて)
上部は乾いたスラブを登る(カーソルあてて)

二ノ滝上はナメ床。その直後10m位の滝(?)を登ったら取水堰堤が現れる。ここでトポをみたらこの取水堰堤下に三ノ滝があるとの事・・・なんか名前を
付けるほどの滝があったかな??? と言う印象。取水堰堤工事で滝が削られちゃったとか・・・?
 取水堰堤上は河原状が続く。イワナでも走ってくれれ
ば目の色も変わるのだが、小さいハヤ(?)を見かけるだけ。
二ノ滝上のナメ
これが三ノ滝か???(カーソルあてて)
堰堤上は河原状が長く続く(カーソルあてて)

この平凡区間は結構長い。途中見かけた滝は4m大岩滝だが、これも簡単に右から巻ける。テン場は至る所にある。途中、沢床の真ん中に大岩が鎮座
している場所があり、この岩付近から帰り道に使う右岸ショートカット道が伸びているので気に留めておくと良いだろう。この少し先で5m堰堤。左側から簡
単に超えられる。
4m大岩滝(右巻き)
この岩の右岸辺りに帰りに使うショートカット道あり
5m堰堤

この先、大雲取山に詰め上がる沢筋が左岸から入るが、意外と貧弱だった。すると地形図に459mの記載がある左俣沢/右俣沢の分岐になる。ここまで
はテン場に困らない。水量比は(1:4)で圧倒的に右俣沢の方が多く、右俣沢に入る。ここから先が変化が多くなってくる様だ。まずは巨岩帯の登場。上を見
上げると8m石積滝が見える。滝の上部を左岸で巻くと、さらに面倒な巨岩で構成された岩間滝。抜け道を探すが見つからず。巨岩を縫うように右岸を巻
いて巨岩帯を抜けた。
459m左俣沢/右俣沢分岐
8m石積滝
抜けるのが面倒な巨岩帯(カーソルあてて)

するとすぐに大釜を持った8mトイ状滝。左右どちらからも経つれず、両岸の壁も高い。。。そういえばKawataさんが「腰まで濡れる所がある・・・」と言っていた
が釜の何処を通っても足が地に付かない感じ。。。RURUさんに「1ポイント泳ぎだけどイイ?」って確認してから進む。1.5mm厚のウエットを着てても冷たい!
せめてカッパ着てから行くべきだった・・・釜を泳いだ後、滝の左壁から直登を試みたが、今一つホールドスタンスが細かく、寒さを耐え忍んでいるよりは
水流右のルンゼから小さく巻いた方が体も暖まりそうで、直登を辞め小さく巻き上がった。滝上に出るとすぐに7mナメ。右から行けると思ったが釜の深さ
が邪魔して取り付けず左から巻き気味に上がる。その先の2mCSは左壁から微妙な経つりで進み最後はCS上にジャンプして超えたが、勢い余って滝上
の釜にまたドボンする。。。簡単に右から巻けます
8mトイ(カーソルあてて)
7mナメは小さく左巻き
2mCSをジャンプで超える!

寒いので、直後チョット焚火で暖まってから歩きだした。ここからはナメ床が続く。。。長いナメ床が終わると9mナメ。傾斜が強く左岸高巻き。次の7mナメ
は右から登れた。さらにナメ床を挟んで8mナメ、5mナメと癒し系の様相が続く。。
長いナメ床が続く・・・
9mナメ
7mナメは右から(カーソルあてて)

さらにナメ床を進むと左岸に石垣が見えてくる。この先で顕著な二俣。ここが655mに位置する奥ノ二俣だ。水量比は(1:2)で右の方が多い。時間は13時。
まずまずのペース。通常、このナル谷はここで遡行終了と言った感じになるらしい・・・。さて、ここからの下山をどうするかだ。。。用意してきた『関西基点
沢登りルート100』
のトポでは”459mまで沢筋を下降し・・・” とあるが、ナメ滝とか、巨岩帯とか出て来るので、面倒であまりやりたくないので、奥ノ二俣を左に
入り、少し進んだところから尾根を跨いで左俣沢に移動して425mポイントまで下り、そこから仙道を利用して取水堰堤まで戻るという計画だ。(概念図参照)
今日はRURUさんのスマホGPSが利用できるので心強い。GPSが無い場合は必ず奥ノ二俣で高度計を合わせておくことを勧める。クルマが2台ある場合は、
1台を俵石側にデポして、林道に上がり一般登山道のある烏帽子山経由でおよそ4時間半で確実に戻れる様だ。
奥ノ二俣から左に入り5分掛からず沢床が屈曲する
終了点に到着。左俣沢との境界尾根を登っていく。。。

ナメ床は続く(カーソルあてて)
左岸石垣を見ると奥ノ二俣(カーソルあてて)
左俣を少し進み、左俣沢の境界尾根をめざす


途中GPSを信じず違った尾根を跨いでしまいロスしたが、通常なら30分掛からず境界尾根に上がれるだろう。境界尾根を跨ぐとガレを下り伏流となってい
左俣沢に出る。左俣沢は平凡。途中から右岸の樹林帯を歩けばペースもあがり。時間ロスしたにもかかわらず。1時間15分で本流459m地点に到着。
ここから仙道跡を利用して本流を下降。この仙道跡は随所に崩壊しているが、岩壁や淵で進めない場合以外は右岸に付いている。

左俣沢への下り
東俣沢を下る
本流に出てから右岸の仙道跡を利用


5m堰堤を降り、例の大岩を過ぎたあたりで右岸尾根のショートカット道に向け登る。GPSで後で確認したらショートカット道より下流側から上がっていた。
すると、明瞭な踏跡が出てきたので、これを利用して尾根をトラバースすると、残念ながら道が消失。一旦小尾根に上がって、RURUさんのGPSを見てみる
と、もう少し登ったところにショートカット道があるらしい。とりあえずそこまで登ってみると、地形図とGPSが指し示した場所ピッタリ(高度485m)赤テープ
数箇所付けられていた! この赤テープに沿って尾根を下ると、少し先でテープを見失ってしまうが、大方尾根を下り、取水堰堤上の水流の音と、取水堰
堤下の水流の音の聞こえない地点を聞き分けて降りていくと取水堰堤が見えてきた あとは、取水堰堤からの導水管に沿って歩き、ラストは発電所に
向けた激急下り(導水管を縫うように薄い踏跡あり)を慎重に降りて終了。遡行打ち切りポイントから3時間半で下山出来た。
温泉は高田グリーンランド雲取温泉(500円)に入る。さぁ長~い道のりを関東に向けて帰りますかぁ!!!

ショートカット道485m付近には赤テープあり
取水堰堤からは導水管道を進む
ラストは発電所への激急下降(カーソルあてて)

P.S:ナル谷は序盤の大滝と後半のナメは良かったが、中間部の平凡区間が長い印象。魚影は結構見かけるが、全て小さいのが残念。下山に
   時間が掛かるが早出すれば日帰り遡行が可能。沢慣れしている人ならザイルは30m1本でOK。初級者が居る場合は大滝が有るので40m
   以上を用意したほうが良い、靴はラバーソールが良い。GPSがあると下山は安心だろう。テンバは巨岩帯以外、至る所にあります。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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