2016年7月30日 秩父 浦山川 冠岩沢
メンバー:bicycleさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:秩父、武蔵日原
7月末の週末、本来なら”梅雨明け10日”と安定した夏空が続く時期なのだが、昨今の異常気象の影響か、もはや死語・・・と言っても良いくらい、
実際に安定した夏空は続かない。。。。今週は、沢登りを初めて1年というbicycleさんとジョイントして1泊2日の沢を計画していたが、非常に不安定 との天気予報に翻弄され、秩父 冠岩谷に急遽転身。この沢、短いなりにも大滝を秘めている秀渓との事。WEBでも多くの記録がアップされているが 私も体験してみることにした・・・。。。 17:15自宅発→大平経由18:35 R50→19:15太田駅前→20:10花園IC通過→21:08浦山ダム
6:20基点P発→6:32入渓→9:05 25m大滝下→11:30大滝上(大休止)→13:05 8m滝下(練習)→14:15 8m滝上→14:40稜線登山道
→15:00ウノダワ(ここから沢筋下降)→16:00基点P着 bicycleさんとは、浦山ダム資料館”うららぴあ”前の駐車場で待ち合わせ、ここで仮眠をとる。20台以上駐車可能で静か。トイレもあり、携帯も繋がる。
さらに意外に涼しいのがポイント! 翌朝、県道73号を南下し。冠岩沢を横断する橋手前に車を停め基点とする。ここから冠岩沢右岸に車両進入禁止の林道が伸びているが歩いてみると 鳥首沢出合まで車は入れる様だ(概念図参照)。ここは車が2.3台駐車可能。橋を横断して登山道を歩き適当な所から入渓したら、堰堤を2つ、3つ超える事 になった。まぁそんなに苦痛では無い。
平凡な様相を進んでいくと3m滝。bicycleさんは右から、自分は左から上がった。この上は小滝が散見されるものの、概ね非凡な様相が続く。途中作業道 の橋もあった様だが、今は残骸と化している。昔は綺麗だったかもしれないが、伐採された間伐材が転がっていたりして、今一つな感じはぬぐえない。 高度計読みで750mを超えると、2mのトイ状3連瀑で滝場が始まった。水流沿いを登れて楽しい! この連瀑を超えると第1の関門の12m2段滝。持って行ったトポには”15m”とあるが、そこまでは無い。左の乾いたラインが定石ルートらしいが、ここは
bycycleさんがリードで水流沿いを攻める。下段を上がったところで、”この先が難しい”との事なので、ザイルを巻き上げてもらって2ピッチ目として、私が リードする。水流すぐ左のノッペリ岩をラバーソルのグリップを利かせて登り、カムで1か所支点を取って定石ルートと合流しそのまま直上する。Ⅲ+ 12m滝上は間髪入れずに5m2条、4m滝と続きすべて水流沿いで頑張って登った。
連瀑帯上は平凡な様相に戻るが、植生は天然の広葉樹林帯に変化。散見する小滝を上がって行くとハイライトの2段25m段スダレ状滝が現れる。『登れ
るらしい ・・・』と記されたWEB上の記録を見るが実際登った記録は見た事無く、取りついた記録すら見た事ない。今回は40mザイルを持ってきたので、とりあ えず取り付いてみるつもり・・・。。。 ・・・とは、言うものの、西丹沢の凶悪な滝を思わせる悪い様相でヌメヌメ。丹沢にある”お助け残置”も期待できず 、 まずは手を合わせる。。。 1段目上部は水流右にある草付のさらに右の岩が乾いている様なので、そこまでたどり着ければ良いのだが、そこに繋がるラインが今一つ見いだせない。 下見もそこそこに右端ルンゼから取りついて、中央寄りに斜上するものっぺり岩を直上出来ず。左から小さく巻き上がるのもムリそうで断念。。。 仕切りなおして、左端の倒木を縫う様に上がるルートを選択。倒木自体は安定しているが、ザックが引っかかりやすく。まさに”縫うように”と言う言葉がピッ タリ。支点巻き付け結びで倒木に支点をとる。岩にハーケン打つよりもこちらの方が安心感がある。倒木から滝と草のコンタクトライン上に乗り移り、ここ から5mを一気に登ると逃げ道に繋がるバンドに出る。 ここでハーケン2枚打って支点を取り、水流側に1段上がると滝の一番太い水流の真横に来る。 ここを2m直上出来れば良いのだが、ホールドが甘い。カムが斜めに決まるポイントも見つけ支点は取るものの、これは気休めと思った方がイイ感じ。甘い ホールドをタワシで磨いて、1歩上がってみたらその先もノッペリした感じで、弱点は無かった。ビビッてまた一歩戻る。クライマーなら行けるかもしれない。 bycycleさんに「水流右はどお?」と叫ぶと「右の方がここからは簡単に見えます!」との返答。バンドにもなっていない感じの所を水流を浴びながらなんとか水流右を 覗ける所まで移動してみたが、こちらもパッと見ノッペリした感じで、ビビッて命からがら引き返す。。。 「断念・・・」
仕方なく、安定テラスまで戻ってピッチを切り、bicycleさんに上がって来てもらった。。。ここからバンドをひたすらトラバースして大きく右岸を高巻けば 大滝上に安全に出れそうだが、5m程トラバースした所の岩壁に弱点を見つけたので、フリーで4m程登り、上からbycycleさんにザイルを投げる。上がった 所は2段目直下の高さ。。。ここから幅15cm程度の細バンドを2mトラバースして2段目直下に出て、2段目2mをフリーで上がって大滝落ち口に出た。 bycycleさんにはお助け紐を使用。ここもザイル出した方が良いかも。。。
大滝上で焚火休憩後、遡行を続ける。大滝上はまた平凡な様相で、偶に出てくる小滝を上がって行くと8m滝。ここはbicycleさんがリードを買って出てくれ た。水流右から上がると残置ハーケンが2か所程あったらしい。滑り安そうなルートを安定して登って行きビレイ解除のコール♪ 久しぶりにセカンドで滝を 登れることに感謝、残り2mのところの1歩がちょっと嫌らしいが右のガバを取って左ひざををルンゼに突っ込んで上がったⅣ。。。時間もあるし、練習がてら 懸垂下降してそのままトップロープで水流左からも登ってみる。若干岩が脆いところも有ったが、脆い岩を取り除くとマズマズのスタンスが出来て直上出来 る。5m上がった所で右にトラバースして定石ルートに合流。こちらも4級グレード。 8m滝上のトイ状小滝を上がると右岸に見事なボルダー岩を発見!誰も居なかったが、下は真っ平らだし・・・これ、天然ゲレンデでしょうか??? ここから先は詰め上げるだけ、藪漕ぎは無く1160mの稜線に出た。大滝で時間を取ってしまったこともあり、大持山へは登らず鳥居峠ルートで下山を開始 する。途中”ウノタワ”と呼ばれる幕営適地みたいな所から小文沢(概念図参照)への沢筋でショートカット。小文沢を登山道が横断するところは赤テープが あるのでそれを見逃さない事。。。”ウノタワ”から丁度1時間で基点に戻れた。
P.S:冠岩沢は美しさはありませんが、登れる滝や高巻きする滝があり、トレーニングや講習会を開くにはお勧めの沢です。
25m大滝を登ろうとするなら上級者も楽しめるかもしれません。足並みそろったパーティが大滝を巻いて登るなら半日で 戻ってこれると思います。25m大滝を登るなら40m以上のザイルが必要。そうでなければ30m1本で足ります。 |