2016年8月13,14日 北アルプス 中房川 南中川谷左俣→糠川谷下降
メンバー:Takesugiさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム#0.4、#0.5 靴:イドログリップ
地形図:槍ヶ岳、有明
遡行図、概念図はこちら
北アルプスの沢と言えば、富山県側や、岐阜県側からアプローチする沢がメジャーだが、栃木から単独でアプローチするには、いかんせん遠いのが難点。 そこで、長野県側からアプローチできる沢として、中房川流域から南中川谷に注目していた。WEBでは山登魂さんが右俣を1泊2日で遡行したのをアップされて いたので、左俣を遡行して隣の糠川谷を下降するルートで周遊するコースで計画してみた。今回は7月に連絡をいただいた長野県在住のTakesugiさんと初ジョイント。 14:45自宅発→16:21桐生太田通過→17:28高崎IC(高速)→18:30小諸IC(三才山トンネル経由)→20:05安曇野IC、21:45同発→22:32基点P
初日 5:30基点P→5:51中川谷/中房川本流分岐→6:15南中川谷/北中川谷分岐→8:15 1654m二俣(左俣へ)→12:25 2290m(1:1)二俣 →13:00南中川谷/糠川谷境界尾根→15:40 糠川谷本流1720m地点→16:10 1625m行動終了 二日目 6:05出発→7:05最終堰堤→7:50取水堰堤脇林道→8:45基点P着(⇒北中川遡行へ) 夏山ピークの8月連休。中房温泉登山口への道は近年、早朝6時頃には駐車場満杯のために入れなくなるらしい。。。仕方なく、平日の通常高速料金を
利用して前夜の内に車2台で中房温泉に入る。今回周遊なので、南中川谷と、糠川谷左岸林道入口の間、中房川本流を横断する橋手前の駐車スペー スを利用。ココはSoftbank携帯も圏内。 車中泊後出発。。。県道を歩き、曲沢橋を過ぎて適当な所から中房川本流の河原に降りると、歩いて2.3分で、中川谷と本流の分岐。水量比は(1:1)。 沢通しで入って行くと取水堰堤が現れるので、一旦作業道に上がって取水堰堤上に出る。この沢の堰堤はこれだけだ! 水量はほぼ平水と言って良いだ ろう。北アルプスに来た!っと思わせる明るい花崗岩で、渓相はとても良い。登山大系の時代に有明山の沢は紹介されているのに、中房川流域右岸の谷 が一つも掲載されていないのは不思議だ。。。
南中川谷/北中川谷出合までは両岸が切り立った所はあるものの沢床は概ね平凡。30分掛からず南中川谷/北中川谷出合に到着。水量比は(1:1)。 左の南中川谷に入ると、両岸被った壁を持つ深い釜を持った3m滝が現れる。。。今回、Takesugiさんがフェルトソール、私がラバーソール。釜を左から 回り込んで#0.4、#0.5カムがバッチリ決め込んでA0で上がると、古い残置ハーケンがあり、これにシュリンゲを掛けてのA0三連発で滝上に上がる。フェルト ソールのTakesugiさんにはザイルを上から投げ、A0で上がって来てもらった。この先は、5m以下の小滝が幾つか出て来る。一箇所、厄介な2条2mの小滝 がある。ラバーソールの自分は左壁を経つって、ジャンプでなんとか突破出来たが結構度胸が要る。平水だったら泳いで水流右の方が簡単かも。 山登魂の皆さんが増水により苦労したと書かれた1560m付近のゴルジュと思われる個所は、4m滝が二つ掛かっており、平水なら下の4mは釜に腰下まで
浸かって左から突破⇒上の4mは右から直登で、あっさリ終了。確かに水量が倍あったら無理でしょう・・・。ここから河原状が続くので、竿を出してみるが、 全くダメ。。。魚影も1度も見ないし・・・結構ガッカリ。。。そそくさ竿をしまって進むと見事な15m滝!右から簡単に超えられるのが嬉しい♪ 後日、山登魂さんの記録見たら水量が3倍くらい違いますな! すると、左俣/右俣を分ける二俣。水量比はなんと(1:3)で圧倒的に右俣の方が多かった!!!まぁ流域面積見れば当たり前か・・・。しかし、時間はまだ
8時半前・・・当初、このちょっと先で幕営して、沢中2泊の計画だったのだが、水量も少なく、竿だしタイムも短く、予定より4時間以上早く到着してしまうの は、計画ミスと言って良いだろう。幾らなんでも早いので、先に進む。。。それにしても、これだけ水量に差があると左俣はショボイのか・・・?と不安になっ たが、計画通り左俣に入ると、不安を吹き飛ばす20m滝が現れる。下部は水流右が階段状ステップになっており快適に登れる。上部はトイ状で水流沿い で上がる事も可能♪ 滝上はV字谷形状。4m倒木滝を超えると、4段30m滝!
登れんのか???って感じだが、とりあえず基部まで進んで見上げてみると、取りつき5mは渋いが、そこから多少傾斜が緩む感じ。ザイルを出して、リー ドする。細かいスタンスを磨いて渋めの5mを登って右壁側にカムを決め支点を取る。そのまま直上して水流横断。残り2段を残して一旦ピッチを切るⅣ。 3段目はトイ状で両岸はノッペリ気味だが、傾斜も緩いので、水流に足を突っ込みながら直上4段目は全体的にノッペリ気味で、右岸から小さく巻いて滝上 に出た。
滝上は間髪入れず5mCSがあり、これを越えるとV字谷形状が収まる。少し行けば整地が必要だが、高度計読みで1830m付近に幕営可能地もみつけた。 すると、またV字谷形状が復活し、CS小滝が連続。これを抜けるとナメ床の奥にまたもや大滝。ココは2つの滝が連続しており、下は3段15mナメ。これは 快適に上がって行ける。
次の15mヒョングリ滝は、下部は階段状で容易に上がって行けるが抜けが悪く。途中でザイルを出して左にトラバースし、草付のコンタクトラインを直上し て抜けた。すぐ上の小滝を上がるとゴーロ状になるが、ここにはテン場は無く、さらに奥にまた15m滝が出て来たが、ここは右岸から小さく巻けた。さらに 小滝をクリヤーしていくと、2010mに位置する(2:1)二俣。ココも整地すれば幕営可能だろう。ココは水量の多い左に入る
ナメ床状を進んでいき、9m3条滝は左の弱点から登る。ガスが掛かって来た先に20m滝。これは傾斜も緩めで快適に直登出来た。すると、2200mに位置 する(1:1)二俣。時間は12時過ぎ・・・。このペースだと丁度稜線で行動終了となりそう。ガスで展望は利かないこともあり、Takesugiさんと協議の結果、ここ は、この二俣手前にある右岸枝沢を詰めて糠川谷に降り、当初、沢中2泊の計画を1泊に変更し、北中川谷を遡行しようという事にした。
右岸細枝沢を80m程登れば南中川谷と糠川谷の境界尾根に立てるが、地形図では解りにくい南中川谷の細枝沢が1本入っており、誤って入ってしまうが すぐに気づき修正。東方向に延びる糠川たにの左岸枝沢に入る。この枝沢の最上部は急傾斜で、沢筋横の枝尾根の灌木に掴りながら下降。沢筋に降り 、25m滝を筆頭に10m級の滝が4つ程出てくるが、左岸・右岸等に回り込んでの懸垂で40mザイル1本で下降できる。ただ、10mCS滝はザイルの回収に 苦労。3対1システムで二人でザイルを引き何とか登り返さず回収出来た。
境界尾根から2時間半以上かけ、1720mの糠川谷本流にぶつかる。割と顕著な枝沢を降りたつもりだったが水量比は(3:1)。本流には2段7m滝が掛かって おり、糠川谷本流を下降するのは結構大変そうな印象。。。 さて、ここまで降りれば後は幕営適地を見つけるだけ。ここからは概ね平凡な様相。 1616mで出合う右岸枝沢が下に見える所の河原に適当な場所を見つけ行動終了。15分程度の整地で良いテン場となった。糠川谷でも竿を出してみたが、 残念ながらココにもイワナは居ない。
二日目 今日はサクッと下山し、北中川谷に移動する計画。途中12m滝が出てきて左岸から懸垂2回で下に降りた以外は概ね平凡。行動開始から1時間で最終堰 堤に出た。この先6個の堰堤を懸垂交え下降すると取水堰堤が現れ、明瞭な林道がここまで伸びていた。林道からは携帯が繋がる。取水堰堤から50分で 基点Pに戻れた。 車に積んでいたお酒を補給して、北中川谷遡行に向かう。。。
P.S:南中川谷は水量も多く関東側からアプローチできる沢として思った以上にイイ沢でした。左俣は下山が難ですが、滝も多く、初日に2000m超えておけば大天井岳経由で
1泊2日で戻れると思います。糠川谷本流上部は滝が多いことが予想され、下降は厳しいかも???ザイルは40m1本でOK、靴はラバーソールの方が良いでしょう。 |