2016年9月10日 只見川流域 塩沢川 立安沢→笠倉沢下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:只見、駒形山
遡行図、概念図はこちら

当初、2泊3日で飯豊の沢を企画してたのだが悪天&悪天予報の為、仕切り直し。。。モチベーションも上がらず土曜日帰りで会越の沢に行くことに。。。一般道でアプローチできる
只見川流域の日帰りコースを探していると、”そういえば塩沢川にそんなコースがあったな・・・”と、ネットで検索して拾い出した「立安沢→笠倉沢下降」の記録を思い出す。地形図を
見ると半日で終了してしまいそうだが、変化があって楽しいらしい。半分イワナ狙いでまぁ行ってみるか・・・と思って実行に移す。

18:10自宅発→19:10片岡駅通過→22:20田島→21:10只見駅、5:12同発→5:28基点P
6:05基点発→6:15立安沢出合→8:50 518m(2:3)二俣→(1時間半の大休止)→12:15境界尾根→14:00塩沢川合流(1時間の大休止)
→15:50基点P着


塩沢川沿いの林道は完全舗装。未舗装になったすぐ先で簡単に動かせる簡易ゲートがあり、ここに3,4台の駐車スペースが広がる。もう少し車で入って
も良いが5分程度の差なので、ここを基点にしてよいだろう。ちなみに携帯は塩沢林道に入ったら圏外になった。
この駐車スペースから薄い踏跡を利用して沢床に降りる。水は1昨日までの雨の影響だろうか茶色っぽく染まっていた。河原状を進むと左岸に赤テープが
あり貧弱な沢筋が入る。どうもこれが立安沢らしい。序盤は概ね平凡な様相が続く。この辺りでは魚影は見ない。
基点駐車スペース
貧弱な立安沢出合
序盤は概ね平凡

しばらく進むと小滝が出てくる。釜の色が相変わらず茶色いので後日、WEBで他の記録を確認したが、やはり増水の影響があった様だ。5m滝は水流右
から、さらに2段小滝を上がると、ミニ廊下になっていた。ここで竿を出してみるがアタリは無い。
小滝が出てきます
5m滝は右から
ミニ廊下(あくまでミニです・・・)

ここで、2条5m滝が出てくるが頑張って竿を片手に上がると、この先で結構型の良いイワナが掛かった! この先、少し進むと前方に大滝が顔を出し、
いったん竿をしまう。あの貧相な出合からは想像も出来ない見事な3連瀑が登場♪ 立安沢のハイライトと言っても良いだろう。最初の3mは水流左を容
易に上がり、次の6mは水流左で快適に登る。
2条5mは竿を片手に登る
ハイライトの3連瀑
6m滝は左を選択

最後の滝は12m。水流左はスタンスホールド共に豊富で快適に登れる。滝上に出ると、もう一つのハイライトの柱状節理の大滝が視界に入る。近づいて
見ると17mの大滝。柱状節理はこの沢ではこの滝以外には無く、なぜ故この滝だけが柱状節理になっているのかは不明。独特の存在感を出していて見
事と言うしかない。
大きい滝ではあるが、水流右を3級レベルで快適に直登できるのが嬉しい。。。大滝上はナメ床状だがすぐに平凡な様相に変化。
少し行くと518mに位置する(2:3)二俣。ココを右に入る。
三連瀑最後の12m滝
柱状節理17m(カーソルあてて)
518mに位置する(2:3)二俣

ここから先は概ね河原状。適当な場所で先ほど釣ったイワナをお刺身でいただく。。。焚火もして1時間半の大休止となった。

出発してすぐに545mに位置する(1:1)二俣。ここを右に入るとミニゴルジュに変化、3m滝が現れる。一瞬足がつかなくなる釜を横断して滝上に上がる。
さらに2m滝。倒木に乗っかって超える3m滝と、割と楽しめる。
お刺身休憩
545m(1:1)を右に
3m滝で始まるミニゴルジュ(カーソルあてて)

この先、また平凡な様相となるが左岸にスラブ壁を見るとナメ床状に変化。水量の多い方を選択しながら進むが、660mに位置する左岸沢筋は水量の少
ない右に入る。水はすぐに枯れるが詰めはスラブ登りが若干楽しめる。最後は灌木帯に突っ込み5分かからず笠倉沢との境界尾根に達する。当然、尾
根には道は無い。展望も無いので、そのまま尾根を乗越して笠倉沢の下降を開始する。
左岸のスラブ壁
一瞬ナメ床状(カーソルあてて)
スラブから笠倉山を見る

下降してすぐに沢形にはいると、水が滴る程度であるが15mナメが現れる。スリップを避け右から巻く感じで下降。この下は両岸の草や灌木がうるさいが
沢床は1枚岩が続いている所が多いので、掴む草や灌木があった方が救われる。。。右岸から数本枝沢を重ねると、沢も明るくなりナメ滝が出てきた。
4段12mナメは通常懸垂と思われるが、ラバーソールのグリップを生かしてクライムダウンでクリヤー。 ここからは3m前後の小滝が散見される程度だが
両岸は草付で、雪渓が残ってると厄介だ。また、細かいスタンス・ホールドしかない所もあり、フェルトソールだとかなり苦戦を強いられるかも・・・。
笠倉沢源頭の15mナメ
4段12mナメをクライムダウン
フェルトソールには厳しい小滝が散見(カーソルあてて)

しばらく、下降を続け、3mCS滝をクライムダウンすると様相が一変しトヨ状ゴルジュに変化。幸い滝は小さい物しか出て来ず助かるが、淵は深い物もあ
り両手両足ツッパリでかわしながら下って行く。ここは笠倉沢のハイライトと言ってよいだろう。これを抜けると5m滝。”懸垂かな?”とも思ったが左岸から
巻いて降りて正解だった。ちなみに笠倉沢では”下り”という理由もあるが、終始魚影は見なかった。。。
3mCS
トヨ状ゴルジュ(カーソルあてて)
5m滝は右から巻いて降りる

ここからは一部ナメ床を見せるものの概ね平凡。下降開始して1時間45分で塩沢川本流にぶつかる。塩沢川本流30mほど下って左岸に整地すれば幕営
できそうな場所がある。時間は14時。明日は日曜日で急いで帰る必要もなく、ついつい焚火休憩・・・。

塩沢川本流はココからすぐに岩盤が発達したゴルジュっぽい様相になるが腰上を水に浸かる程度で抜けられる。少し進めば河原状。堰堤が出てきた所で
右岸に30m程上がると、丁度ここが塩沢川林道の末端となっていた。林道はスーパーカブなら入って来れる感じ。。。もちろん入渓しやすい→魚影は無い。
。。と思った方が良いでしょう。
終盤のナメ床
塩沢川本流の様相(カーソルあてて)
堰堤が出て来た所で右岸に上がり終了(カーソルあてて)

P.S:沢慣れした人が普通に遡行したら半日で終了する短い沢ですが、意外と見所があって楽しめました。敢えて首都圏から来る沢ではありませんが、
   北関東、新潟、福島の方が、初級者をつれて体験講習やトレーニングを開催すると遡行時間的にも良いかもしれません。ただ雪渓が有ると、難しさ
   は計り知れないので要注意。ザイルは30m1本で十分です。靴はラバーソールじゃないと苦労しそうです。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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