2006年9月9日 会津 桧枝岐川 黒檜沢 

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
参考ガイド:日本登山大系
遡行図、概念図はこちら

桧枝岐川流域には有名な下ノ沢があるが、登山大系をみると他にも数本遡行対象となる沢があるようだ。その中で、"花崗岩の美しい沢"と紹介されている黒檜沢(くろびさわ)は、
北関東住民として押さえておきたい1本だった。

3:08自宅発→(塩原経由一般道)5:26小豆温泉着
5:48小豆温泉駐車場→5:52入渓→6:52登山道横断点→8:02二俣→9:04奥の二俣→11:55稜線登山道着→12:09三岩岳山頂、
12:15下山開始→12:45避難小屋→13:55黒檜沢横断→14:25小豆温泉駐車場着
15:34湯の花温泉発→18:25自宅着

黒檜沢近くの高畑スキー場は毎冬行っている所で、通い慣れた道。塩原過ぎるとR121沿いの会津田島にコンビニが1箇所あるが24時間営業かは
判らないので、塩原までに買い物は済ませた方が良い。
基点となる小豆温泉には駐車スペースが20台くらいの広場がある。国道沿いでスノーシェッドに隣接しており、仮眠を取るには少々うるさいので、
寝るなら少し奥に入った窓明けの湯の駐車場の方が良いだろう。

小豆温泉の駐車スペースから黒檜沢入渓点は歩いて1分かからない。国道の真下に2重滝があり、その上から入渓。お盆時期にはアブが多いと聞いて
いるこの山域だが、今日は全くいない。少し進むと早くも花崗岩のナメが出現。その先でちょっとしたゴルジュが現れるが通過に問題無し。
窓明けの湯入口と駐車スペース
国道の橋から入渓
序盤の様相

沢が左に直角の曲がる所に最初の4m滝。全部が花崗岩で構成されていて確かに美しい。これを左から直登すると沢はS字状に屈曲した先に2mナメ
&7mナメ。7mナメ釜は深いが左右どちらからも登れそう。今回は左を選択3級レベル。  すべて花崗岩の沢床を快適に進むと再びゴルジュ。小滝を
2つ,3つ越え、出口の7mは水流右壁を直登、落ち口付近に良いスタンスが無いのでチョット渋めだ(3級+)
最初の4m滝 
2mナメと7mナメ滝
ゴルジュ内小滝群と渋めの7m滝上から(カーソルあてて)

倒木が詰まった小滝を越えると深い釜を持った5m滝。ここは釜に沈んだ大木を利用して滝に取り付く。その先の4m、7mの連瀑は奥の7m滝が嫌らしい
印象。泳いで取り付いて直登も可能かもしれないが、左壁を落ち口方向に斜上する。潅木があるので上手く利用すると良いだろう。これを越えると右から
枝沢が入り、三岩岳登山道が横断する。ここまで国道から丁度1時間。
三岩岳登山道を利用し、ここから入渓する手もあるが、花崗岩の小滝群は美しいので、国道からの入渓がお勧めだ。
"登山大系"には20m滝が書かれてあるのだが、そんな大きい滝は無かった。
深い釜を持った5m滝
登山道手前の7m滝
登山道横断点手前の二俣
登山道横断点

登山道横断点から先は明るい様相で、稜線も見える。花崗岩のナメ床が伸びているが、前方に巨大倒木帯!!! なんでここだけ?・・・と思ったが、
実は左岸側に沢と平行して登山道があり、その為の伐採と下山の時に判明。せっかくのナメ床なのに残念だが、倒木がデカイ為、倒木の上を比較的
容易に歩く事が出来る。巨大倒木帯終了直後に2条4m、その上に12m「く」の字滝をそれぞれ快適に直登。
巨大倒木帯 
12m「く」の字滝
12m「く」の字滝上の様相

ナメ床/ナメ小滝を進むとグッと沢筋は開けるがゴーロ帯になり(5:1)二俣。ここを左に入るとすぐに正面右岸に崩壊地が見える。ここに(1:1)二俣
ここを右に入る。100mくらい進むとナメ床になり10m2段滝を直登、釜を持つ7mトイ状は左から取り付いたが水流右にジャンプした所でドボン。
そのまま瀑心を登っていく。
(1:1)二俣 この崩壊地が目印
(1:1)二俣を右に入る
10m2段滝

ゴーロとナメが交互に繰り返していくと。右岸から10m滝で枝沢。『登山大系』によると”左俣は10m滝で出合う”と書かれてあるので最初これが
「奥の二俣」かと思ったが、ちょっとショボイ様なので、そのまま進むと少し上にやはり正真正銘「奥の二俣」があった。右岸から大滝がかかり、
"いかにも"という感じ。ここを右俣に入ると三岩岳登山道の避難小屋に出るのでエスケープルートとして使えそうだ。ここは三岩岳山頂をめざし左俣に
入る。出合にかかる大滝は下からは2段に見えるが実は4段30m滝だった。最下段は水流左の乾いた所をフリーで直登。2段目は濡れているので
注意。水流左に取り付く。ホールドは豊富なので問題ないが初級者にはザイルを出した方が良い。3段目4段目は容易で問題無かった。
奥の二俣(左に入る)
4段30m(下2段)
4段30m(上部)

 ここから、すぐに5〜7m滝が10個程続く連瀑帯となる。殆ど3級レベルで直登可能だが、ひとつだけ、水流右を途中まで登って上まで登れず、
そのまま笹を掴み左岸を小さく巻いた滝があった。この連瀑帯を抜けると明るく開けるが、その先の3つの7m滝をかけたゴルジュがかなり厳しそう。
1つ目の7mはシャワーをまともに浴びれば何とか抜けられそうだが、その上の7mCS滝は絶望的。ここは3つの7m滝をまとめて左岸から巻く。
小さく巻いたが意外と厳しく、ザイル出した方が良いくらいなので、大きく巻いた方が無難だ。(写真参照)
7m三連瀑ゴルジュ(カーソルを当てて)
赤ルートは、チト厳しいので青ルートを勧めます。
赤ルート高巻き途中から
赤ルートはこんな感じです。ザイル出した方が良いでしょう。

ゴルジュを高巻いた上の2段13m滝は水流沿いを快適に直登出来る。左から枝沢が入ると今度は三俣位に沢筋が分岐。そこに18m滝がかかる。
直登に問題は無く快適に越えると右から枝沢が入り、最奥の二俣。ここを左に入ると最後の6m滝。この上で水が涸れる。そのまま窪を進んだが、
背丈ほどの笹藪がかなりうるさいので、右側の草付斜面目指してトラバース気味に登る。稜線は見えているのに登山道になかなか出ないので、
チョット疲れた。最後も強引に笹藪を漕ぐとやっと登山道。。。最後の6m滝から50分かかった。
2段13m滝
18m滝
最後の6m滝
黒檜沢を振り返る

時間は12時。当初、隣の保太沢を下るつもりでいたがムリせず、三岩岳のピークハントに切り替え空荷で往復。片道10分程度だった。。。下山を開始
する。
 
三岩岳登山道が窓明山からの登山道と合流する所に意外と綺麗な避難小屋。水もある。三岩岳登山道(新道)を下り、最後は国道のスノーシェッド上に
出て終了となる。温泉は基点小豆温泉窓明の湯が設備も良く手っ取り早いが、850円なので。湯の花温泉まで戻るって温泉に浸かる。
三岩岳山頂
避難小屋(カーソルあてて)
登山道横断点で休憩

P.S:花崗岩主体の明るい沢で下ノ沢より快適です。滝の直登もムリに突っ込まなければ3級+を越える物は有りません。黒檜沢では良い幕営ポイントは見つけれず、
   地形的に(1:1)二俣辺りが良いが、1時間近くの整地作業を要するでしょう。1泊2日で保太沢下降をやる場合は保太沢で見つけるた方がよいかも???
   魚影は無しでした。ザイルは30mあれば足りるでしょう。
 
遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)



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