2005年10月1、2日 万太郎谷 井戸小屋沢

メンバー:安藤さん、ひろた
装備:ザイル9mm×45m、フェルトソール
参考ガイド:上信越の谷105ルート

以前から、行きたかった井戸小屋沢。ガイドには日帰りと書いてあったが1泊2日じゃないと厳しい印象を持っていた。
ビバークポイントも少なくそうした意味で後回しになっていたが、"のんびり1泊2日"という安藤さんの希望で、ここぞと井戸小屋沢へ行く事になった。

初日(曇り)
4:02自宅発→(R4,R50)5:29大間々→(R353)6:07赤城IC通過→6:32月夜野IC通過→(三国峠)7:45JR湯沢駅着
9:10呉策新道駐車場発→11:15井戸小屋沢出合、11:45同発→13:15小障子沢出合(幕営)

湯沢駅で安藤さんと待ち合わせをし、呉策新道のゲートに向かう。2WDクーペで問題無く走れる。駐車スペースは広いが、悪天の予報が
出ていた為か、他に一台の車も無かった。

ここから万太郎本谷の入渓点はすぐ。しばらくゴーロ状の河原を歩くと急にナメ床状に変化。安藤さんは万太郎本谷も初なのでご満足の様子。
前回泳いで取り付いた6m滝は、10月と言う事も有り、左岸を小さく巻く。さすがメジャールートだけあって踏み跡は立派だ!
基点駐車場
万太郎本谷
6m滝(左岸を巻きます)

オキドウキョも、安藤さんは”初”なので先に行ってもらう。前回ここに来た時は前半部分を僅かに泳いだが、左壁伝いにハーケンが打ってあり、
前半部分は泳がなくても突破できるらしい。。。 しかし、左壁に登った先が判らない言う事でトップ交代し、私が取り付く。 微妙なバランスで左壁を
一段登るのが核心。ここに上がれるとバンドが上手い具合に続き、これを利用して前半部分をクリヤーする。
残置シュリンゲまで用意されていた。頑張ってフリーで突破。
安藤さんは、左壁の一段目の登りを断念し、軽く泳いで突破。前半部分は濡れずに突破できたわけだが、後半部分は5mしっかり泳がなくては
突破できず。そのまま右壁を上がり巻き道を利用してオキドウキョを抜ける。

ここを過ぎると井戸小屋沢出合はすぐだ。ここで竿を出すが全く釣れず、糸が木に引っ掛かって道糸から切れてしまい、釣りそのものを断念せざる
得なくなってしまった。(涙)
オキドウキョ沢出合
泳がず突破します
井戸小屋沢出合

井戸小屋沢に入って最初の3m滝。右岸から容易に巻ける滝だが、ボルトが打ってあるので、取りついてみる。水流に向かってのトラバースが
難しくボルトにシュリンゲを掛けA0で登った。安藤さんも直登すると思って残置したが安藤さんは巻くということなので、上からシュリンゲを垂らし
回収しに行くが、誤って下に落してしまう!カラビナ1個シュリンゲ2本は大損害なので安藤さんが下に降りて探してみると案の定、釜の底に
赤シュリンゲを発見!
「あ!俺が拾います!!!」 
 と、降りて見てみると、結構釜が深い。。。我慢して潜って取りに行く。つまらん事で頭からビジョ濡れになってしまった。次のF1 7m滝は小さく右巻き。
最初の3m滝
いやぁー見つかった!
F1 7m滝

8m4段滝は右のバンド状を利用して超える。少し行くと沢は明るくなり、早くも稜線の山々が見え美しい。沢自体もナメ滝の連続だ。F3 7m2段
左右どちらからも登れる。F4 6mは右から上がる。ビバークポイントも念のため探しながら歩くが、やはりこの辺りでは無い。。。
8m4段滝
明るい様相
7m2段滝(カーソルあてて)
F4 6m


明るい様相のまま沢が90°左に曲がると、今日のビバークポイントの小障子沢出合。遡行図の通りに、本流は右90°から入ってくるので
間違う事は無いだろう。時間はまだ1時を過ぎたくらいだが、今日の行動を終了する。辺りを見渡すと、右岸に既に整地済みのポイントを発見!
3人までなら問題無し。ただ増水には耐えられそうも無い。でもまぁそんな大雨にはならないだろうと、ここにテントを張る。
一応、安藤さんが丁寧にザイルで万一の避難用ルートを工作してくれた。
左岸にもう一箇所整地すればOKの場所もあったが、さらに増水には弱そう。
ここは、万太郎本谷、湯檜曽本谷と違って日帰りルートのためか、薪は豊富。2時過ぎから延々Co2を放出。
前回の清掃活動と思えるような焚き火じゃなくて美しい焚き火です(^^)夜から雨の予報だったが、星空が広がる程で快適な夜だった。
明るい様相が続く
小障子沢出合(カーソルあてて)
のんびり


二日目(晴れのち雨)
7:00小障子沢出合発→9:07二俣→13:40稜線登山道→(万太郎山山頂経由)14:25下山開始→16:00駐車場着
18:05湯沢駅発→18:09湯沢IC(関越道)→18:33月夜野IC→(一般道)19:02赤城IC通過→19:45大間々→21:26自宅着

今日は朝から雨かなぁと思ったが、まだ晴れてた!出発!!!と思いきや、いきなり最初の3m滝が渋い。。。直登は右壁を落ち口までへつって
上がっていくのだが、濡れててスタンスを置けるポイントが少なく、ホールドも良いのが無い。左岸の巻きかな? と思ったが、時間もあるし、
空身で取り付く。。。草をホールドにして微妙なバランスで突破。安藤さんが上りやすいように、落ち口手前でハーケンを打ちシュリンゲをくくって
置いておく。ザイルをだして荷物を受け取り、そのままザイルを結んで安藤さんに上がってきてもらった。
すぐ次の10m滝(ガイドには書いていない?)は直登はムリで右岸を高巻く。最初の3m滝と一緒に巻くのは尾根の形状からみてかなり難しそうだ。
ここからは昨日同様ナメ小滝が連続。青空に万太郎周辺のピークがそびえる光景はすばらしく、天気が良いことに感謝。。。
最初の渋い3m滝(カーソルあてて)
10m滝(カーソルあてて)
ナメが現れます
小滝を快適に超えていきます


障子沢、沖障子沢出合を過ぎると顕著なF8。10mとガイドに書いてあるが20mはある。(ガイドは全体的に滝が小さめに書いてある印象)水流右を3級レベルで
快適に越える。F9 7mは安藤さんは左から、私は右から取り付きこれも快適に突破する。
障子沢出合
F8 20m(水流右を快適に直登)
F9 7m

(1:1)の二俣は遡行図に導かれるように左に入る。ただここからが長いので、時間が無い場合はここを右に入ったほうが良いだろう。
左俣に入ると水はぐっと少なくなり涸れそうになるが、伏流っぽくなるだけなので、水を汲んでおく必要はない。 大岩で構成される小滝を超え
高度を稼ぐと(2:1)の二俣となり深いゴルジュっぽい様相に変化。ここにF13 30m3段滝が行く手を阻む。まず直登は不可能左から巻くが、ザイルを
出さないと小さく巻くのも難しそうなので、左の沢筋から大きめに巻く。
(1:1)の二俣
(2:1)の二俣手前の様相
30m3段滝(カーソルあてて)

巻いたところからは2段目(?)と思われる20m級の滝を見たのだが、ここで判断間違いをしてしまったようで、一旦ここで沢筋に降り(可能かどうかは不明)
この滝を右から直登するか、あるいはそのまま右岸草付斜面をトラバースして20m級滝の左を上がるかすればよかったのだが、
さらに左の急斜面を直登、完全大高巻きに入ってしまった。この左の急斜面もチョイト危険な感じ。

まぁそんな長い巻きでは無いが、安藤さんは蜜ヤブに苦労させられている様子。声を掛け合いながら付いてきてもらった。沢筋へは懸垂下降無しで
降りれる。さっきまで晴れていたのに、巻きを終了したら雲に覆われてしまった。 で、降りたところは狭いゴルジュの入り口で5m滝が二つほど
掛かっている。F14の5m滝だろうか?一つ目の滝は簡単だが、二つ目の滝は結構渋い。自信がなければ右岸草付を巻いたほうが良いだろう。
空身で左壁を取り付き水流を浴びながら突っ張りぎみに上がり、なんとか超えれた。
2段目(?)と思われる20m級の滝(カーソルあてて)
高巻き終了地点
奥の滝が難しかった

この先のF15 20m(?)は右岸草付を巻く。この巻きは割りと階段状で特に難しくは無い。F17 20mは快適に直登可能、F18 8mを快適に超えると、
沢筋は二つに分かれ、右は明るいガレ沢。左はヤブっぽい水流のある沢筋。私の趣味は明るい方なのだが、安藤さんの希望&ガイドが示す
左のヤブチックな沢筋を詰める。
小滝?
F18 8m
F18上のガレ沢から茂倉岳を望む

この沢筋はやがて草付になり、それが終わるとコメツガ系を交えたヤブコギで結構突破するのにパワーがいる。右側に行けば呉策新道が近いかなぁと
思いつつ出た尾根には道は無くガッカリ。。。

雲がかかって何処まで登れば終了するんだかわからない状態での蜜ヤブこぎは辛いが。なんとか呉策新道稜線に出た(万太郎山頂まで5分の位置)
安藤さんは声は届くところにいるのだが、蜜ヤブにてこずっている模様。安藤さんは万太郎山登頂済みなので、稜線に出たらそのまま下山かな?
と思い。一足お先に万太郎山頂まで往復してきた。雨の万太郎山頂は展望ゼロ。丁度戻ってきた時に、安藤さんも稜線に到着。
安藤さんも万太郎山頂を往復して下山開始。「先に行っていいよ!」とのお言葉をいただきドロドロの登山道を沢靴でつるつる滑りながら下山。
1時間半強で駐車場まで降りれた。着替え後、ゲートを突破できそうだったので車でシャリバテぎみの安藤さんを登山口までお迎えに行き、
岩の湯へ直行する。
最後の詰め
万太郎山頂
下山ルートの紅葉

 JR湯沢駅東口前のラーメン屋で中華丼と餃子を食べたが、値段が高く味も"???"安藤さんと湯沢駅で別れ自宅に戻る。

P.S:井戸小屋沢は健脚でないと日帰りは難しい。核心は上流部F13以降なので、時間が無ければ二俣を右に入った方が良いでしょう。F13 30m3段の高巻きは
   初めからザイルを出した方が良いと思います。ビバークポイントはガイドに書かれている通り小障子沢くらいしか見当たりませんが、二俣もなんとかなるかもしれません。
   写真を見て判断してください!



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