2009年3月29日 丹沢 大滝沢 マスキ嵐沢→藤嵐沢下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:中川
遡行図はこちら

昨日、セドノ沢左俣→戸沢左俣下降を終了し、独り西丹沢の大滝沢を目指す。昨日から高速道路1000円乗り放題が
始まり、渋滞が予想されため、短めの沢を選択し、マスキ嵐沢→藤嵐沢を計画。
この沢だけに栃木から出向くのはちょっとテンションが上がらないが、他の沢との継続なので、ちょうど良い機会だ。

6:40戸沢発→7:42中川川大滝橋着
7:52大滝橋(基点)発→8:23マスキ嵐沢、8:35入渓→(途中焚き火休憩)10:37稜線着→10:52権現山山頂、
10:55下降開始→11:30 50m涸棚上→12:47林道着→12:58大滝橋着

戸沢で、昨日セドノ沢を遡行したまっちーさんと別れ、独り中川川大滝沢へ向かう。思ったより距離があるのか、
1時間位かかって、大滝沢橋に到着。ここは携帯(Softbank)が通じる。車は旧道のトンネル手前に止めたが、
2台がぎりぎりかも。携帯は繋がらないが、大滝沢沿いの林道に入ると駐車スペースが数台分ある。

早速、遡行準備をして大滝橋から歩きだす。林道は1/25000地図の通りにつけられており、車両進入禁止となって
いるが、道荒れておらず、通常の車でも走れるレベルだ。。林道が右岸から左岸に移ると畦ヶ丸山に向かう登山道が
大滝沢左岸にあり、ここに入る。この登山道が右岸にわたり、もう一度左岸に移る所に、大滝沢本流とマスキ嵐沢の
出合いとなる。マスキ嵐沢には大きな堰堤があるので、そのまま登山道を進み、堰堤上から入渓する。
大滝橋駐車スペース
大滝沢とマスキ嵐沢(手前)出合
ここから入渓します!

平凡な様相を150mほど進むと3mナメがお出迎え。この上は一変してナメ床となる。ナメ床の先にある5mナメ滝は
水流右を直登。ナメ床はまだ続き、多段8mは傾斜が緩いので多段8mナメ床と言っても良いくらい。 この先には
左岸に大岩が2つあり、そこに6m滝。滝上には綺麗な残置ボルトがあるが、水流通しに簡単に登れる。
最初の3mナメ
多段8m
大岩と6m滝

その次の7mトイ状は水流に足を突っ込んで直登。 この上で沢は平凡な様相に一瞬なるが、すぐに2段12m「く」字滝
現れる。これは一見難しそう。下段は簡単なので、とりあえず直登して上段を見てみると、水流左から取りついて
水流を横断して右から超えるルートが見える。ポイントは水流左の80cm程度段差を上がれるかだ。良いホールドが
ないので、自信がなければ支点をとった方が無難だ。リスはある。自分は、なんとかフリーで超えた。水流の横断は
難しくない。W
7mトイ状
2段12m「く」字滝(カーソルを当てて)
2段12m「く」字滝上段

この滝の上でゴルジュになる。ナメ床の先に2段10m滝。下段は容易で上段は左から水流に向かって斜上し、
上部は水流を直登する。V  ゴルジュはまだ続き、6m滝は右から登るが、水流に近づくとかなり渋い。W
安全に登るなら右寄りを選べば問題無いだろう。
ゴルジュチックになります
2段10m滝(カーソルを当てて)
6m滝(カーソルを当てて)

6m滝すぐ上に3m滝があり、これを超えると平凡な様相になる。この先の5mナメ滝は容易。この辺りはナメ床が
石に埋もれつつあり、残念なところだ。
5mナメ
石に埋もれつつあるナメ床・・・
休憩♪

左右から枝沢が入るが、水流がしっかりあるうちは水流の多い方を選択。水がほとんど涸れてから、顕著な二俣
出合うがここは右が正解となる。しばらく進むと進むと5m涸滝。これは問題無い。その上に実は15m程の登り甲斐のある
涸滝があったのだが、左岸の沢筋に気を取られてしまい、涸滝を巻いてしまう形になってしまった。
この涸滝最上部にも綺麗な残置支点がある。
顕著な二俣(ここは右に入る)
5m涸滝
間違って巻いてしまった15m涸滝上から

15m涸滝上からは稜線に向かって突き進むだけ。藪こぎ無しで稜線にでる。ちょうど西沢から登ってきた登山者がいて
写真撮ってもらった。1/25000地図には稜線には道が書かれていないが権現山から畦ヶ岳まではかなり踏まれて
いる感じ。今回は、”ここで通らないと二度と遡行しないだろう”という藤嵐沢を選択。権現山山頂に向かう。
ラストの詰め
稜線到着♪
権現山山頂 ここが藤嵐沢下降点となる

藤嵐沢の下降はこの権現山山頂からダイレクトに降りて行く。しばらくは土状。灌木でブレーキをかけながら、降りて行く。
両岸が立ってくると5mCS、6mトイ状・・・とは書いたものの水はほとんど流れていない。両方ともクライムダウン可能。
権現山山頂から遠くに丹沢湖が見える。ここから下降
5mCS
6mトイ状

この下で、沢筋からいきなりダイブするような空間的広がりを見せたと思ったら、沢筋を下りているのに、急に乾いた
リッジ(涸棚)になっている!?
右岸からは別の沢筋が入り、左岸を見ると、こちらもルンゼが伸びている。非常に不思議な地形で、大雨の時、
水がどう流れるのか見てみたいものだ!

この涸棚、降りてみて判ったが概ね3段50mはあろう大涸棚。上からでは滝下までは見ることは出来ず、降りれる所
まで降りてみようと、クライムダウンしていく。リスは多いが大涸棚なので、ザイルで懸垂するには4本以上のハーケンを
残置することになるだろう。中段部で一か所嫌な所があるが、ホールドは崩れず、足も滑らず、無事中段をクリヤー。
ようやく滝下が見えてくる。
ダイブするような3段50m涸棚上
3段50m涸棚最上部から下を覗く
3段50m涸棚中段(カーソルを当てて)

このまま、下段もクライムダウンで降りて行き、無事ノーザイルで降りれた。残置支点は一つも無い。
基部からこの涸棚を見上げると、このリッジの上に沢筋があるとは思えず、おそらく左に伸びる沢筋に
引き寄せられてしまうだろう。『丹沢の谷110ルート』の記録を見ると、”ブナと笹の厳しい藪こぎを続けた”と
記載されてあったが、おそらく、この左に伸びる沢筋を上部がそうなっているのだろう。。。
中段から下を見る(カーソルを当てて)
下段(カーソル当てて)
3段50m涸棚基部から(カーソルを当てて)

さらに下降を続ける。この辺りは全体的急勾配で、大涸棚が終了しても、滝が続いている感じだ。
5m滝6段13m滝とクライムダウン。この下でようやく水がチョロチョロ流れ始める。さらに2段7m滝2段4m滝
降りる。ようやくここで沢らしくなる感じ・・・
5m滝
6段13m滝
2段7m滝
2段4m滝

6mトイ状は水流沿いのクライムダウンは不可能でリッジを慎重に降り、左岸から入る枝沢に飛び移り、下に降りた。
ここからはナメ床が続くようになる。15mナメ滝はクライムダウン不可能で、ザイルで懸垂するが、30mザイルでは
2m届かず、そこから水流左岸側をクライムダウンした。
6mトイ状(カーソルを当てて)
ナメ床になります
15mナメ滝

ここからは、平凡な様相となる。(1:1)の二俣には赤テープがあり、迷う事はないでしょう。堰堤が出てくる所で
右岸につけられた作業道にあがる。堰堤が10個ほどあるが、この作業道ですべてクリヤー。林道に出た。

P.S:マスキ荒沢は短い沢ながら、ナメ、滝と構成が良く出来おり、お勧めです。ザイルは30mで十分でしょう。
   一方、藤嵐沢遡行は水が涸れてから長いので、その覚悟がなければ入渓しない方が無難かも・・・
   この沢を下降するのは、たとえ50mザイルを持って行っても支点となる灌木が沢床から高い位置にあるので、
   支点を取るのに一苦労するかも。クライムダウン慣れしている人は面白い沢です。

マスキ嵐沢→藤嵐沢下降 遡行図

沢登りトップへ    その空の下で。。。トップへ




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