2008年6月20日 日光 田母沢本流

メンバー:shunrinさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム、靴:フェルト
地図:日光北部
遡行図はこちら

自宅から1番近い所にある日光 田母沢(たもさわ)。とうの昔に廃刊となっている『足尾山塊の沢』では
10m級の滝がいくつもあり、日帰りの沢として、割と内容充実したように書かれているが何しろ30年近く前の
話。。。WEBでは右俣が一部紹介されているが、本谷の記録は見当たらず。shunrinさんに同行願って、
調査遡行に入る。

アプローチ:CR-X
5:00自宅発→6:14寂光ノ滝登山口着
6:45出発→9:27(1:2)右俣出合→15:30黒岩尾根登山道→18:05寂光ノ滝登山口着

Shunrinさんとは自宅近くで待ち合わせ。日光に向かう途中、鬼怒川の橋の上でちょうど私の車が30万kmに達した!

日光東照宮前を過ぎ、国道が田母沢を横断する手前に"寂光滝"の看板があるので右折。道は完全舗装。
駐車スペースは20台以上。携帯のアンテナも1本程度立つ。

遡行準備を整え出発。ここからすぐに入渓しても良いが、堰堤があるので、寂光滝を目指して登山道を少し上がり、
寂光滝が見えたあたりから田母沢へ移動する。
30万km!!!
寂光滝駐車スペース
寂光滝

堰堤上から入渓。2段6mナメを越えるとすぐに羽黒滝15mが現れる。名前が付いているだけあってかなりの豪瀑。
直登はムリそうなので。右岸から小さく巻く。
2段6mナメ
羽黒滝15m
羽黒滝上にて

羽黒滝上、沢が左に曲がる所に10m滝。巻きは右岸だが、ザイルを出して水流右に取り付く。右壁からへつって、
水流に向かうが、結構悪い。なんとか水流までたどり着いたものの、1段上がる事が出来ず、一旦戻り右から小さく
巻いて右岩壁でハーケンを打ちピッチを切る。ここから再度滝に取り付き直登。上部は簡単だ。
10m滝(カーソルを当てて)
ここから一段上がれず
上部は容易

わりと最近崩れたと思わせる右岸ガレを通り過ぎると深い釜を持った5m滝。腰上まで水につかって右の凹角から
上がる。すると、見上げるほどの2段大堰堤。左岸から越える。
このひとつ上の堰堤(標高1000m付近の堰堤)上で、左俣が合流するらしいが、水流は確認できなかった。ここを右に
入ると堰堤が連続。すべて左岸から高巻く。最後の堰堤上で(1:2)二俣。本流は左なのに、右俣の方が水量が多い・・・
今回は本流狙いなので、左に入る。
5m滝
円筒状の堰堤
(1:2)二俣

本流に入って最初の5m「く」字滝は左のガレをを利用し簡単に越える4mトイ状は一見直登ムリそうだが、shunrinさんは、
クラックを利用し突破、私も続く。
その先の脆そうな4m滝を越えると10m滝。Shunrinさんが右から取り付き7m弱登るが、その先がノッペリしており、
行き詰る。私が追いつき、水流左からフリクションを利かせて1.5m登り、水流右にカムを噛ませて、長いシュリンゲを
付け1ポイントビレイ。さらに1.5mをフリクションで登って終了。Shunrinさんにはザイルを出し登ってきてもらった。
4mトイ状
脆そうな4m滝
10m滝

この滝の上は癒し系の様相だが、あいにくガスで周囲が見通せない。少し進むと、岩から水が染み出る4m滝に出る。

「なんか嫌な予感・・・この上伏流なんじゃない?」

とりあえず、この4m滝を中央突破。すると予感が的中、伏流となる。すぐに、岩をぬらす程度の水が流れるが、
この先でドーム状の7m滝。土の層の上に岩の層(溶岩が固まった?)がある構造で、この先、このようなドーム状の滝を
幾度も目にする事になる。
直登は全く不可能で左から小さく巻くが土の層が脆いので注意が必要。

この上で右岸から湧き水の形で入る枝沢が現れるが、ここで水を補給しておかないとしばらく(下手をすると二度と)
水が現れないので、汲んでおいた方がよい。
水が染み出る4m滝
田母沢の特徴を表すドーム状の7m滝
ドーム状を右岸から巻きます

この先にも、ドーム状の10mハング滝が現れる。滝自体が登れ無いだけではなく、右岸もハング状の壁になっており、
左岸の壁も非常に脆く、左岸大高巻きを強いられる。10mハング滝上で、沢筋が二つに分かれているので間違えやすい。
大高巻きして沢床(ただの涸れたゴーロだが)に降りて、もうひとつ小尾根を越えて降りたところが本流筋になる。

本流筋に戻っても相変わらず伏流。さっきの枝沢で水を汲まなかった事を後悔。幸いshunrinさんが500cc持っている
ということなので、少し安心した。
10mハング滝
10mハング滝左岸高巻き途中から
沢床に降りるがこれは左岸枝沢
こちらが本流

本流筋を進むと、すぐにまた、行く手を塞ぐ8m涸滝。この滝も直登不可能。さらに右岸、左岸とも、小さく巻くことも出来ず。
先程大高巻きして本流筋に出たところまで戻って、左岸で巻く。幸い獣道が上手い具合に延びていたので、そんなに
時間はかからなかった。

高巻きを終えると、ガスが取れ視界が広がる。しかし、

hiro:「なんか見たことあるような涸滝だなぁ・・・」
shunrin:「滝じゃないよ!壁、壁!」

とドーム状の12m涸滝。これもかなり手前の方から右岸を巻く。藪漕ぎは無いのがせめてもの救いか。
次の4m涸滝はひざを立て、shunrinさんに乗って貰い、乗り越え、私はA0で突破。
8m涸滝
12m涸滝
4m涸滝

この先の10m涸滝も右岸巻き、もう、この辺りになるとあきらめムードが漂う。9m滝は脆いながらも直登できた。
その後も8mハング滝を二つ右岸から小さく巻くと、水が滴る5m滝! 直登してみると
左岸の枝沢から水が流れていた。これで水の補給が出来一安心。焚き火休憩をする。
10m涸滝
9m滝
水が滴る5m滝!

本流筋は相変わらず水が流れていないが、しばらく進むと水の流れる4m滝が現れる。
しかし、この上で、また水が涸れる・・・水さえ流れれば、良いナメ床もここから点在するのだが、岩をぬらす程度しか
水は流れておらず。傾斜の緩いスラブといった方が良い。明るく開けているので、ホント"水さえあれば"・・・だ

スラブ状からナメ床(?)から5mの涸滝を乗り越えると、男体山が見える。高度計は1970m。ここで、二俣の様相となるが、
左岸に伸びるガレを詰めていく。ガレが終了し針葉樹林帯に入り、巻き気味に尾根をめざす。藪漕ぎは無い。
源頭部の様相
源頭と奥にある5m涸滝
左岸に伸びるガレを詰めると終了♪

尾根に出たのだが登山道が無い。高度計は2020m。地図を見て標高2110mから分かれた尾根筋と判断し、この尾根を登る。
読みは的中し、2080m付近の黒岩尾根の登山道に出た。

黒岩尾根の登山道は明瞭。なだらかで眺めもよいが、長い・・・
標高860mで林道みたいな所でてから根通沢に向かいショートカット。地図には道が書かれているが、道は見つからず
植林帯を強引に進む。途中。作業道を見つけ根通沢を横断(橋はない)。民家横を通り、車の置いてある寂光滝まで
ヘロヘロになりながら車道を歩く。
黒岩尾根の登山道
黒岩尾根を下る
最後の寂光滝までの登り


P.S:田母沢本流は水が少ないので、お勧め出来る沢ではありませんが。近年誰も入っていない様なので、
   それなりの価値はあったと思ってます(笑)
   水量の多い右俣は距離も短く、行ってみる価値があるかもしれません。





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