2013年5月25,26日 中央アルプス 片桐松川本谷

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:安平路山
遡行図、概念図はこちら

中央アルプスの片桐松川を狙う。登山大系や旧関東周辺の沢でも取り上げられている有名な沢であるが、遡行適期は7月からで、5月に遡行した記録は見ない。
さすがに越百山から木曽駒ヶ岳に至る主稜線は残雪だらけだろうが、それより南側&前衛に位置する2291mの念丈岳の南東面の沢なので、何とかなるかなと決行する。

18:26小金井発→19:00栃木IC→22:15小黒川PA、5:27発→5:45松川IC→6:00鳩打峠
6:30鳩打峠発→7:45片桐松川入渓→8:20白羽毛沢出合→9:30イワタル沢出合→13:05大島沢出合→13:25池ノ平沢出合→15:46小松沢出合
→16:05 行動終了(1700m付近)

片桐松川本谷の基点は念丈岳登山口の鳩打峠になる。道は完全舗装だが狭い。駐車スペースは20台以上、簡易トイレあり。携帯もすべて使える。
ここから踏跡をたどり沢を利用して片桐松川左岸林道に降りる。トンネルを抜けた所ですぐに沢床に降りたが、堰堤が出てくるので林道終点まで進んで
堰堤上から入渓した方が良い。
少し進むと、もう一つ巨大堰堤が出てくるが、右岸にハシゴがありこれを利用。この道は"大島山へ"なる標識もあったが、H14年時点で整備中との事で、
現在どうなっているかは不明。
鳩打峠
片桐松川右岸林道。ここは右。(カーソルあてて)
堰堤をハシゴで高巻き(カーソルあてて)

堰堤を超えて少し進むと白羽毛沢出合。登山大系を見るとこの沢も遡行対象として書かれてあるが、最上部は大きくガレてしまっており、最後の詰めは
相当苦労するので、白羽毛沢を遡行するのは辞めた方が良い。(ウォッチ図の地形図でもこの大ガレの記載が無いので最近崩壊したのだろう)

ここから本流は5mナメ、2段8m滝と出てくるが難無く通過できる。それにしても水が冷たい。。。すると、かつて烟ヶ滝があった所に到着。右岸が崩壊して
今の姿になっている様だ。現在は多段15m石積滝と言う感じ。 
白羽毛沢出合
5mナメ(カーソルあてて)
烟ヶ滝跡(カーソルあてて)

この先は概ね平凡な様相でイワタル沢出合に到着。ここで、竿を出してみるが全くアタリが無い・・・。。。そもそも魚影を全く見ないのだが、なんで・・・?

ここから本流は、『大滑八丁』という悪場に入る。最初の5m滝はどの記録でも高巻きしたと書いてあったが、泳いで両手両足ツッパリで登れば突破
出来そう。まぁ何もそこまでしなくてもと言う感じなので、おとなしく左岸壁をノーザイルで直登。SACHさんには上からザイルを投げる。。。
5m滝すぐ上には2段12m滝。この滝も一緒に巻けるが登る事に・・・。。。最初水流左を取りくが悪く、釜に腰上まで浸かって水流右を登ったV
イワタル沢出合
『大滑八丁』入り口の5m滝(カーソルあてて)
2段12m滝(カーソルあてて)

ここで、いったんゴルジュが切れるが、すぐ5mナメから両岸が切り立ってくる。。。左岸からひたひたと水が流れる100m滝で入る枝沢とその先のガレ
を見ながら進んでいくと3段15m滝。両岸切り立っていて居るが幸い左岸に斜上バンドが上手い具合に伸びており、ザイルを出してリードする。
30mザイルだと途中の残置ハーケンでピッチを切る事になるが小さなテラスになっており、二人だったら問題なし。V
5mナメから再びゴルジュ(カーソルあてて)
3段15m滝(カーソルあてて)
斜上バンドを上がる(カーソルあてて)

3段15m滝上には豪快に水を落す5m滝があり、この手前で懸垂で降りるとゴルジュ内に閉じ込められる可能性がある為、一緒に左岸を巻いて懸垂15mで
5m滝上で沢床に戻る。小滝を超えていくと『大滑八丁』が終了。右岸から大島沢が出合う。
3段15m滝上の5m滝も一緒に巻く
5m滝上で沢床に降りる(カーソルあてて)
大島沢出合(カーソルあてて)

ここから20分で、2条10m2段、6m滝を経て左岸から10m滝で入る池ノ平沢。この辺りは随所に両岸が崩壊している。すると再び両岸が切り立ってくる。
2段5mCSは水流左端から突破。
2条10m2段滝は右から
池ノ平沢出合
再びゴルジュに。奥に見えるのが2段5mCS

ここで右岸から25m滝で入る顕著な枝沢。本流は5m2条滝が行く手を阻む。。。ここは、滝から15m手前の位置で左岸巻きに入るが、垂壁やルンゼが
トラバースを阻み、思いのほか高く巻き上げられた。30mザイルで2回懸垂して沢床に降りた。 ゴルジュはまだ続いており、滝こそ無いものの、右岸側壁
は非常に脆そうで今にも崩れそう。このゴルジュ出口に10m滝がかかっているが、幸い右岸ザレから小さく巻いて上がれる。
25m滝で出合う顕著な枝沢と行く手を阻む5m2条滝
今にも崩壊しそうな右岸壁
ゴルジュ出口の10m滝(カーソルあてて)

この先、8mCSは一見難しそうだが、滝に近づけば右壁から小さく巻けるルートを見出せる。右岸から25m滝を見せる枝沢を過ぎると18m滝。水流左から
取り付いたが途中でハマり、右岸巻きのSACHさんからお助け紐を出してもらい灌木に逃げる。この滝は水流右からだったら登れるかもしれない。。。
8mCSは右から
18m滝が見えてくる
水流左を登ったがハマる・・・

小滝を超えると正面に小松沢。本流は左に屈曲し8m滝が掛かる。ここは小松沢との中間尾根で巻いた。ここからは河原状。少し行くとついに雪渓が
沢を埋めるようになる。この辺り焚火の跡が散見。時間は16時過ぎ・・・我々もここで行動終了とした。SACHさんにけしかけられ、竿を出してみるが、
やはり全く魚は居ない様だ。
小松沢出合(カーソルあてて)
1700m付近テン場適地(カーソルあてて)
行動終了です♪


二日目
5:45発→6:00念丈沢出合→8:40稜線着→9:00-9:35念丈岳→10:27-10:58池ノ平山→11:25烏帽子岳→13:07鳩打峠

帰りの渋滞など考慮し早出。雪渓は上を歩ける程だが2週間もすれば結構消えてしまうだろう。少し行ったところで左岸から念丈沢が入る。ここも焚火の
跡があった。ここから滑滝がいくつか出てくるようだが、残念ながら雪渓の下。6mナメ滝が雪渓から顔を出していたが覗き込んで見るとさらに下に
続いていた。雪渓が無い所で2段10mトイ状。ここは快適に直登出来る。
雪渓歩きと念丈沢出合(カーソルあてて)
10m?ナメ滝
2段10mトイ状(カーソルあてて)

この先1895mから完全に雪渓で沢床は埋め尽くされる様になる。。。途中二俣を右に入ると、三俣状になり中央を選択すると雪渓が無くなる。
休憩してたら、先ほど歩いていた雪渓を大きな落石が無音で転がって行く・・・。。。
水はまだチョロチョロ流れていたが、上に雪渓がまだ残っていたからだろう。最後は5分弱の笹薮を漕いで念丈岳南側の稜線に出た。
完全に雪渓に埋れる
最後の詰め(カーソルあてて)
稜線到着です!

地形図では登山道の記載が無いが、しっかりとした登山道がある。15分くらいで念丈岳到着。360度の展望があり気持ちいい所だ。越百山からの
主稜線はまだ雪が残っている。与田切川の遡行はあと1ヵ月は後の方が良い感じ。
念丈岳へ
念丈岳山頂から越百山方向

ここから池ノ平山の稜線にはまだ若干雪が残っていたがアイゼン等は必要なし。長い下山で水場は1か所も無いので、夏場は沢で大目に水を汲んで
おいた方がよいでしょう。
池ノ平山へ
白羽毛沢最上部の大ガレ
鳩打峠到着

P.S:片桐松川本谷は崩壊が進みつつありますが、まだまだ楽しめる沢だと思います。6月に入れば雪渓もほぼなくなるでしょう。これで魚が居れば最高なのですが、
   全く魚影を見ませんでした。ザイルは30m1本で足りましたがギリギリです。テン場はゴルジュ以外では散見されますが、小松沢出合超えた所がBESTです。
   通常遡行であれば腰から上を濡らすことは無く晩秋でも遡行可能です。

遡行図(クリックして)
片桐松川概念図(クリックして)




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