2013年6月1、2日 二口山塊 新川川 北沢 左俣左沢→右沢下降

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:関山峠
遡行図、概念図はこちら

関東甲信越は統計開始以来3番目の早さでで梅雨入りという事もあり、週末の天気予報がスッキリしない。宮城まで北上すれば、晴梅雨前線の影響を受けない予報だったので、
雪の比較的少ない二口山塊に的を絞り、面白山に詰め上げる新川川(にっかわがわ)北沢に決定。WEBでは車1台のアプローチの為、左俣→右俣下降で計画する。

アプローチ(フィット)
19:30小金井駅発→20:17宇都宮IC→22:20菅生IC、5:34仙台宮城IC→6:34北川林道449m付近(基点)
6:58基点発→450m付近一旦入渓→(遡行後再び林道に・・・)→7:45 500m付近で林道から沢床に降りる(竿だし)→10:11 597m左俣/右俣二俣
→11:21 694m二俣→12:23 895m二俣→13:40稜線登山道→13:50面白山、13:56下降開始→16:00 694m二俣(幕営)

北沢へのアプローチは仙山線 奥新川駅を目指せば良いのだが、ナビが無いと非常に解りずらい。国道48から"奥新川"なる車向けの道標は無く、
ハイカー向けの小さい道標があるだけ。まぁ蕎麦屋等の看板がにぎやかに掲示されているので、知っていれば問題ないが、何しろ48号線からいきなり
細い未舗装路なので、もしかしたらナビでも不安になるかもしれない。夜のアプローチは避けた方が賢明。

奥新川駅に向かう未舗装路を延々進んで行くと、北沢/南沢の分岐の所に長命水という湧水の出るお茶屋さん(跡?)がある。車はその先100m程
奥新川駅に進んだところに立派な駐車スペースがある。また奥新川駅前にも10台程度の駐車スペースがあるので、面白高原駅に下山し、電車で
帰ってくる場合はここに車を停めると良い。

さて、地形図を見ると、北川沿いに林道が伸びているが、北川/南沢出合の所から先は安全の為、営林署による一般車両進入禁止が設けられている
(ゲート無し)。国交省以外の省での道路標識に強制力があるのかは???
物理的には普通の2WD乗用車であれば、林道が北沢の左岸から右岸に渡った449m地点の若干手前まで。SUVであればその先の林道が屈曲する少し
手前まで入れる。その先はUターンできる場所が無いため、物理的にも侵入しない方が良いだろう。
国道48号線からここを入って奥新川駅を目ざす
長命水から先、北川林道は一般車両進入禁止
基点とした449m付近駐車スペース

地形図で449mと書かれたチョット先で沢床に導かれる踏跡があったので、ここから入渓したが、あまりに平凡かつ1か所堰堤が出て来たので再び林道に
上がり、林道終了点から伸びる踏跡を進むと右岸が岩壁になっている開けた箇所に出る。沢床には釜を持ったイイ感じの滝が掛かっていたので、ここで
沢床に若干強引に下降する。(懸垂の必要なし)
ここから沢に降りる
平凡な様相後堰堤が出現再び林道に(カーソルあてて)
ここからが実質入渓点となる(カーソルあてて)

最初の2m小滝は釜を右から経って突破。そのすぐ上にある小滝も釜が大きいので右からへつる。ここからは時折ナメ床が散見する平凡かつ癒し系の
様相が続く。途中ヒラタケ(?)の群生を発見。しかも食べごろ!まさか春にキノコがGET出来るとは。。。と思い、とりあえず今晩のおかず分を採取する。
魚影も散見されるので、竿を出しながらの遡行。ここの魚はかなり警戒心が強いので、見つからなければ釣れる。概ね平凡な様相の中で5mトイ状、
8m2段トイ状と出て来て良いアクセントとなっている。
最初の2m小滝と次の小滝(カーソルあてて)
この時期に大当たり!
5mトイ状と8m2段トイ状(カーソルあてて)

ふと時計をみると、時間は10時前・・・当初597m二俣に荷物をデポして左俣→右俣下降で降りてくる予定だったが、大急ぎの遡行になってしまうので、
仕方なく荷物デポを断念。。。10時過ぎに597m二俣に到着。右岸に台地があり良いテン場となっている。

左俣に入ると両岸が立ってくる。滝は出てこないが釜は深い。上手くヘツれば、腰を濡らすことは無いだろう。
ナメの癒し系は随所に
北沢左俣/右俣を分ける597m二俣
両岸が立ってくる様相に・・・(カーソルあてて)

しばらく進むと深い釜を持った7m逆「く」字滝。あの手この手でやれば直登もできるが、右岸の枝沢から巻いて上がる。滝上の廊下状を進むとまた7m滝。
これも直登は難しいが右岸側手前の土壁に取り付く。木の根をうまく利用すれば難しくは無い。SACHさんにはお助け紐を出す。ここでゴルジュは終了。
7m逆「く」字滝
深くなくて助かる・・・
7m滝(カーソルあてて)

小滝を交えた様相を進んで行けば694mに位置する(2:1)二俣になる。ここは増水に耐えられないが幕営可能。。。左沢は2m幅広滝。右沢はチョット離れた
所に10m滝を掛けている。ここは予定通り左沢に入る。2m幅広滝を上がると今までで一番立派なナメ床が続く。急に水質が変わったのか、今まで
ツルツルだったのが、結構グリップが利いている感じ。しかし左沢に入ってから急に魚影を見なくなった。。。
小滝を超えていく(カーソルあてて)
694m(2:1)二俣と右沢10m滝
左沢最初の2m幅広(カーソルあてて)

この先とりわけ目立った滝は出てこないがナメ主体の明るい様相で気持ちが良い。792m(1:2)二俣を右に進路をとると両岸岩壁の9m滝。一見高巻きは
面倒だが、幸い水線通しで快適に登れた。この先で雪渓が登場。868m付近では左岸に最後のテン場となる台地があった。
明るいナメの様相
9m滝とその先の雪渓(カーソルあてて)
868m付近最後のテン場

895m(1:1)を右に入ると、黒い物体が目の前の右岸ザレを登って行く・・・

『クマ・・・』 

成獣で一昨年やられたのと同じくらいデカかった。距離は10mも無い。。。後ろを歩くSACHさんに「クマ!クマ!」と声を掛け、ガンガン音を鳴らして
その場を通過する。SACHさんは「見れなかった・・・」と若干嘆いていたが、見たというよりも完全に遭遇でしょ。。。
結構ホイッスル吹いてたから遭遇なんてありえないと思っていたのだが、なんとなく鳥の鳴き声にも近いなぁなんて思っていたので、こんなんじゃ効果
無いのか???
しかし、一度やられたことあるのに、黒い塊を見た途端『え???!!!』 っと咄嗟にハンマーさえ抜けない自分にふがいなささえ感じる・・・

ここからは雪渓が随所に出てくる。切れ目から顔を出している5m、3m、8mの3連瀑はグリップ充分で快適に直登。標高1085mを超え、また大きな雪渓が
出て来たところで、右岸に獣道が見えたので、ここで遡行を打ち切って稜線を目指したが、途中から灌木の藪がうるさくなってちょっと苦労する事25分で
稜線登山道に到着。ここから面白山までは10分程度の距離だった。
この先で熊に遭遇(カーソルあてて)
5m、3m、8mの3連瀑(カーソルあてて)
1085mで右岸に上がる。(カーソルあてて)

面白山は360度の展望。山頂から左俣に入るルートを見るが、北に伸びる稜線に踏跡が全くなく灌木主体の藪が続いていた。天童に抜ける登山道を
50mほど進んだところから強引に左俣目指して突き進んでいくが、灌木主体の密藪で全く進めない・・・。。。ある程度粘ったが、時間も押しているので
右俣下降を断念し、左俣・右沢の下降に変更する。 こちらも始めから右沢の下降に決めて居れば、もう少し折り易いルートがあったかもしれないが、
中途半端な位置から下降したため、灌木主体→笹&ツルの密藪でかなり苦労した。
面白山山頂から遡行して来た左俣左沢
山頂から右俣への稜線付近は激藪
やっと、左俣・右沢の沢型に降りる

992m付近で水はしっかり流れてくるが、この先下降を続けても沢床は広がらず、テン場適地は無い。875mくらいからナメ床が現れてくる。9m滝は水流
右から懸垂下降。この先も小滝とナメが出てくる程度で下降には都合が良い。5mトイも懸垂。その次の3mナメ滝には左岸灌木に残置シュリンゲを発見し、
こんなマイナーな沢で同じルート下降している人が居るのにビックリ。それにしても、この左俣・右沢でも魚影は見ない。やはり出合にあった10m滝が
魚止めになっているのであろう。
上流部の沢床は狭い
9m滝の懸垂下降
3mナメは残置シュリンゲ利用で下降

ナメの様相が続くと3mナメ。そして、694mに掛かる10m滝を懸垂下降して。左沢/右沢の出合に到着。時間は16時。丁度良い時間なので、ここで幕営と
した。
右沢最後の10m滝を降りる(カーソルあてて)
694m二俣に戻ってきた
二俣で幕営

二日目
7:45発→8:49 597m左俣/右俣二俣→(竿だし)11:43林道→12:15北川林道449m付近基点着

朝4時起きで釣りに出かけるとテン場周辺で3匹釣れた。。。今日は来た道を下るだけなのでのんびり朝食をとり出発。597m二俣からは竿を出しながら
下降。昨日見つけたキノコもお土産用に回収し林道に上がる。
お助け紐で下降
イワナの半身浴〜♪
お土産採集♪

帰り道、せっかくなので奥新川駅によってみる。国道から長い未舗装路で到着する駅って一体どんな感じなんだろうと車を進めると駅周辺は舗装路に
なっていた。人が住んでる家が1,2件あり。おそらく鉄道関係者の社宅か???あと数件は廃墟。やっているのかやっていないのか解らない様な
お茶屋屋さんが一件あるだけ。でも、ハイキングのおば様軍団が作並駅から歩いてきたとの事で、この駅を使って戻るらしい。
なかなか来れない駅をみれたのはいい機会だった。ここはsoftbank携帯も使える。
奥新川駅(カーソルあてて)
てっちゃん、いいだろ〜!
駅前広場?

P.S:新川川北沢はアプローチが一つの核心です。奥新川駅発で長〜い林道をあるいて左俣底して、面白山高原駅から電車で戻ってくるのもありかと思います。
   右俣は最後の詰めが激藪なので、山頂にでるまでかなり苦労すると思います。ザイルは30m1本で十分です。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)





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