2013年8月11-14日 北アルプス 金木戸川 小倉谷→打込谷下降

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:笠ガ岳、三俣蓮華岳、下之本、長倉
遡行図はこちら   紹介ビデオはこちら

遡行した人すべてが”お勧め!”という、超メジャー沢の”北アルプス金木戸川小倉谷”。。。ただ、少しでも増水すると出合の渡渉が出来ず早々に敗退。
さらに幸い天候に恵まれても、長〜い林道歩き、さらに栃木から車1台のアプローチでは新穂高温泉から車回収の為に掛かる12000円強のタクシー代は避けられない。
こうした状況の中で効率よく遡行するには打込谷を下降ルートとするのが1番。ただ、小生のペースだと沢中3泊は必要。初日と最終日の本流渡渉を考えると4日間の
安定した天候が必要・・・。。。企画立案して3年・・・これだけの条件がなんと2013年のお盆休みに揃った。。。

14:10小金井駅発→15:03栃木IC→17:45松本IC→19:07安房トンネル出口、4:50同発→5:35金木戸川第1ゲート着
6:04第1ゲート発→9:05小倉谷出合→14:20 1390m右岸幕営適地

土曜出発という事もあり、前夜のうちに安房トンネル出口まで移動。ここに簡易パーキングがあり、トイレもある。ここからちょっと入ったスキー場で
仮眠をとると暑い時期には良いだろう。
当初、悪天によるエスケープとして新穂高温泉にチャリンコをデポすることも検討。。。新穂高温泉から、双六川にかかる駒止橋までの23.5kmは概ね
下り・・・そこから第1ゲートまで約6.5kmの登り。。。1時間半で基点に戻れる!!! と読んだのだが、甘いかな???

まぁ。今回は稀にみる安定した晴天が続く天気予報なので、そんな準備も要らないと判断。

金木戸川右岸林道は中沢集落まで完全舗装。そこから第1ゲートまではフラットダートとなる。第1ゲート手前は駐車スペースは10台程度。
『第2ゲートまで入れた』と言う記録もみるが、ここ近年第2ゲートまで入れた記録は皆無で、希望は持たない方が良いだろう。第1ゲートから小倉谷手前の
広河原までもフラットダートでチャリンコアプローチも可能だが、荷物を背負って登りは現実的ではない。かつてmoto.pさんはここを折畳み電動アシスト
自転車で登って行ったそうだ。

第1ゲートには名古屋の山岳会の方々がここで幕営。打込谷を沢中2泊で遡行するとの事。「うちらは下降します」というと驚いていたが、あんまり一般的
では無いのかな??? お先に出発させていただく。途中、水は何か所か飲めるので持つ必要は無い。休憩ほぼ無しで、3時間で小倉谷出合に到着。
すると、”やまづと”所属の3名が、ちょうど泳いで本流を渡ろうとしていた。 今日の水量であれば、問題無さそうだ。
第1ゲート。シーズンなのでにぎやかなイメージ。
広河原到着(どちらに入っても可)
やまづとさん、泳いで突破します!

自分はなんとか泳がないで対岸に渡れないものか探る。上流側で空荷で強引に突破しようと試みるが流真たった1m幅が流されそうで渡れない。
SACHさんが「下流側だったら横断出来るんじゃ・・・?」 という事で、下流側に移動。腰まで水に浸かって、対岸に移動、あとは本流左岸壁を経つって、小倉谷
に取りつく事が出来た。
この1mが渡れない。
左岸壁ルート(カーソルあてて)
下流側左岸壁ルートを進む

小倉谷序盤は平凡。魚影はあまり見ない。水は小倉谷に入ってもエメラルドグリーンで美しい。この辺りに整地されたテン場は無いが、どこかしら
整地すれば幕営可能でしょう。暫く進むと大釜を持った10mトイ状。左岸から簡単に巻いて滝上に出る。
平凡だが形相はとってもイイ♪(カーソルあてて)
10mトイ状(カーソルあてて)
右岸を小さく巻けます。

この先も、概ね平凡な様相が続くが”平凡”と言ってもさすが北アルプスの沢、”側壁の滝”、”一つ一つの岩”、”釜”とすべてのスケールが一回り大きい。

右岸25m滝で落ちる枝沢
1310mで出合う左岸枝沢
本流の淵(通過に問題なし)

この先両岸が切り立ってくると、連瀑帯。一つ目の滝は左から問題なく超えるが、二つ目の滝は右のルンゼしか弱点は無く、空身+ショルダーで1段
上がり突破する。ここまで超スローペースだった為、ここで、3人パーティに追いつかれた。その上の、5m滝は水流左からショルダーで突破した記録も
見たが、後続が来ているので、右岸から小さく巻いた。どうも、複数パーティーが入ると、テン場の争奪争いではないが、おそらく、皆同じトポを持って来て
るはずなので、つい気持ちが焦ってしまうのは、致し方無いか・・・
連瀑帯に突入(カーソルあてて)
二つ目の滝は水流右ルンゼを空荷+ショルダーで
この5m滝はあっさり右岸巻き

連瀑帯を抜けると、豪快に水を落とす15m滝。ここは右岸を小さく巻いて滝上に出る。ここで平凡な様相に戻り、左岸に整地済みのテン場を二つほど
発見!!! 時間は早いので先に進むと、左岸崩壊地の右岸側に絶好のテン場を発見。標高1390mで時間は14時半前・・・、今日はもう少し先まで
進みたかったが、SACHさんが、ここがイイというので、明日早出で今日はここで行動終了することにした。先ほどの後続パーティに、ここから100m先にも
割とイイ物件がありますよ!”と紹介したら、そこで行動終了となった様だ。この右岸テン場はこの時期、西陽が当たり正直暑い。笠ヶ岳近辺の稜線も見え、
BESTな場所ですね。まぁ小倉谷を沢中2泊で抜けるなら、ここまでくれば十分でしょう。
15m滝が見えてくる(カーソルあてて)
1370m左岸に二つほど上物件有。
1390m右岸に極上物件(カーソルあてて)




二日目
5:15発→6:03 1470m幕営地(大ゴルジュ入り口)→8:25 10m斜瀑上(大ゴルジュ終了)→9:45 1730m二俣→13:05 30m大滝上(1930m)
→14:25 2070m奥の二俣幕営地

5時過ぎに出発したら、3人パーティも、荷物をまとめているところだった。この先、大ゴルジュと呼ばれる所までは滝も無く平凡。『北アルプスの沢』
に書かれている1470mテン場には1時間で到着。我々が泊まった場所に比べれば、それほど良い場所でもなく。これと同程度であれば、2,3か所見つけ
られるだろう。

この先、2条7m滝が現れ”大ゴルジュ”と呼ばれるところに入って行く。いきなり側壁がそそり立つのか?と思いきや、そういう場所はほんの一部の様だ。
少し進むと、どの記録でも泳いで取りつく2条小滝が現れる。しかし、右岸を見ると、手前の側壁を4m程上がれば、そのまま巻けそう・・・。。。
まぁここはアトラクションという事で、空荷で、泳いでいく。今日は水量もたいしたことないので、特に問題なし。左壁に細かいスタンスがあり、これを
拾えればそう難しくなく上がれる。ただ30mザイルだと、3〜4m程短く、荷物の引き寄せの度にSACHさんが胸まで水に浸かるはめになった。

そうこうしている内に3人パーティが到着。50代と思しき男性1名と女性2名なのだが、この男性、結構サクサク泳いできて、壁を登ってきた。相当お出来に
なる方に違いない。
1470mのテン場(この程度ならいくつか散見)
2条7m滝から大ゴルジュに突入。(カーソルあてて)
右岸巻き可能と思しき2条小滝(カーソルあてて)

このすぐ上の小滝は左壁を経つるが岩が外傾してるので慎重に足を運ぶ。この先、一旦落ち着いた様相を見せるが、すぐに荒々しい様相に戻り。
右岸枝沢からの豪快な40m滝が落ちる。本流は切り立った壁の中から6m滝を落とし、見た感じここが一番悪そうな雰囲気を醸し出している。6m滝は
やたら長い残置シュリンゲが目障りだが、左壁から回り込むとホールド/スタンス充分で快適に上がって行けるV
泳いだ後の小滝は左からへつる
落ち着いた様相から右岸枝沢40m滝へ(カーソルあてて)
本流は6m滝を掛ける(カーソルあてて)

通常遡行であれば、この滝の登攀が核心の様だ。ゴルジュ地形はまだまだ続くが、この先突破に問題なし。8m斜瀑を超えすこし進むと、左岸にテン場を
見つけるが、ちょっと落石が怖いかも・・・ さらに進んでいくと、大ゴルジュ出口の10m斜滝。ここで水流右を男女二人組のパーティがザイルを出して
登っていた。この滝はザイルを出すまでも無く、水流左を直登。お二人にご挨拶すると、沢登りでは似つかわしくない大きな一眼レフを手にしていた。
雑誌の取材でしょうかね???
通過に問題なし。
8m斜瀑とゴルジュ内のテン場(カーソルあてて)
10m斜め滝

大ゴルジュを抜けると一面のナメ床が広がる。ここにも右岸にテン場あり。沢中1泊の場合は、最低ここまで来ておかないとダメだろう。。。 さらにナメ床、
ナメ小滝を過ぎていくと40m滝。ここは右岸を巻いて滝上にあがる。滝上から下を覗くと、なんと先ほどの二人組パーティの男性が、大きな三脚をだして
滝の写真を撮っている。その横で女性がまったり座って休憩・・・、これやっぱ雑誌かな?ヤマケイ?岳人?・・・座ってる女性はモデルの人かなー?
もっとよく顔見ておけばよかったなー・・・ 来年の7月号辺りにでも掲載されたら結構笑えるけど。
大ゴルジュ帯が終わると大ナメ(カーソルあてて)
40m滝は右岸巻き(カーソルあてて)
雑誌の撮影か???

40m滝上に出ると、昨日お会いした”やまづと”さんパーティーに遭遇。昨日は大ゴルジュ内のテン場で幕営して、かなり怖い思いをされたとの事。
1泊で抜けるそうなので、お先に行っていただく。 この先小滝を超えていくと、1710m右岸枝沢。本流は右直角に曲がり5m3条滝を掛けている。
ここを超えると平凡な様相。この先で右俣/左俣共に30m滝を掛ける二俣となる。
40m滝上の小滝を超えていく(カーソルあてて)
1710m右岸枝沢。右が流れる本流(カーソルあてて)
二俣

この二俣、本流筋は右俣なのだが、右俣の滝の直登はムリ。先行する”やまづと”さんパーティーは左俣の滝の右岸から大きく高巻いて行った。これが
定石の高巻になるらしい。ルートを探ると、左俣の滝は序盤は簡単そうで、落ち口が登れるかが勝負。ただ、ここが登れなくても、下段だけ登ってここから
右俣の滝の落ち口に向かって、草付バンドが伸びて居そうに見える。とりあえずザイルを出して水流右に取りつく。水流を跨ぐ最初の数mがツルツル
なので、タワシで岩を磨いて進む。乾いた岩に足が届けばあとは簡単。30mザイルでは1ピッチで抜けれないので、ハーケンを打ってピッチを切る。

ここから抜けるには頭からのシャワーで、その先が水が邪魔して詳細は見えないが、概ね階段状。シャワーになる手前でハーケンで支点を取り突っ込む。
シャワーの影響は思ったほど対したことなく、階段状を落ち着いて直上、最後滝上に乗りあがる所にホールドがないが、スタンスは充分、膝を滝上に
押し込んで上がったV。ビレイは灌木で取って、SACHさんがフォロー。
左俣の滝と、右俣の滝との草付バンド(カーソルあてて)
左俣の滝。濡れてる所はやたら滑る(カーソルあてて)
上段を登ります。(カーソルあてて)

左俣の滝上にもう一つ8mナメ滝があり、水流右を直登してから本流の右俣に移動する。この間に、”やまづと”パーティと、3人組パーティは先行した
はずだが、姿も足跡も見つからない。”日差しが強いからすぐ乾いちゃうんじゃない?”と思ったが、SACHさんが「高巻中スズメバチに刺されたとか・・・」 とか
失礼な事を言っている。そうこう言っている内に2段40m滝が現れた。下段はノーザイルで水流右を直登。上段はザイルを出して水流を横断、左壁を
アクアステルスのフリクションを利かせて灌木とのコンタクトラインまであがり、そのままコンタクトラインに沿って上がって行く。しかし、落ち口ラスト2mが悪く
ザイルも30mでは届かない。仕方なくピッチを切り、最後の最後で灌木帯に逃げた。 滝上はゴーロ状、この辺りには今一つ良いテン場は無い。
本流に戻りました
2段40m滝
2段40m滝上段ルート(カーソルあてて)

すると、断崖から水を落とす滝が見えてくる。60〜70mはあるんじゃないか!?と思ったら、30m滝とトポに書かれてある。。。両岸の岩壁が威圧的で
滝を大きく見せている様だ。ここは右岸を巻く。威圧的な壁を見せている割には意外と手早く巻ける。滝上は広々とした1枚岩となり休憩には持って来い。
ナメ床を上がると平凡な様相になるが、沢の明るさはMAXとなる。ここでもテン場は見つかった。この先、沢床が左に大きく曲がる標高2000mの位置で、
初めて笠ヶ岳が姿を現す。ここで左岸枝沢が合流する2段10mの美瀑の登場。滝の奥に笠ヶ岳が見え、晴れた日に通過出来たことに感謝!!!
断崖から落とす30m滝(カーソルあてて)
30m滝上の様相(カーソルあてて)
2段10m滝で初めて笠ヶ岳が顔を出す

滝上はナメ床。晴れていれば極上の癒し系だ。平凡な様相になるとインゼル。おそらく先行した3人組パーティが2070mにあるテン場に先に到着している
はずなので、テン場を探しながらお互い左右に分かれて進む。まぁ整地すればなんとか・・・という所はあったが、とりあえず2070mのテン場まで行ってみる
ことに。右岸枝沢が入るすぐ先で左岸の枝沢が入った所に極上のテン場を発見! 「あれ、誰も居ない!?」 高度計も2070近辺を指しているので、先に
行ったのかな? トポを見ると、ここから、笠ヶ岳山頂まで3時間・・・明日は打込谷を下る予定だが、最終日の行動時間を短くするため、時間もあるし
できればもう少し上まで行きたいところ。。。 この先には15m滝があるが、空荷で登ってみると、両岸草付風で薪も得られずあまり良いテン場は無さそう。
左岸枝沢の方も入ってみたが、モレーン状で良い所は無い。仕方なく2070mで今日の行動を終了する。時間は14時半だが、この後、誰もここに来る
パーティーは無かった。この2070mのテン場は15m滝下の2か所あり、多くのパーティが泊まるらしく薪は少な目。もちろん気合いで集めたが、18時近くまで
陽射しがあり、今日も焚火する必要が無いくらい暖かい。紫外線も強烈で日焼け止めは必要装備だ。

癒し系の様相
2070mテン場から本流と。左岸枝沢(カーソルあてて)
2070mテン場にて




三日目
5:05出発→8:00笠ヶ岳山頂→8:35打込谷下降開始→11:05 2035m二俣→14:15 15m滝上(ゴルジュ帯突入)→15:05仙ノ淵15m滝下
→16:00 1535m左岸枝沢出合 行動終了

今日、何処まで打込谷を下れるかが全体を通しての成功か失敗かのポイント・・・。テン場すぐ上の15m滝は右から超える。滝上は明るく癒し系の様相。
通常の沢であれば、感動の1シーンと言う感じだが、今までの内容が凄かっただけに、目が慣れてしまった???(笑)
テン場があるのか確認しながら5m級の滝を次々と超えていくと2230m付近右岸草付台地の中にキレイに整地された4人くらいは泊まれるテン場を発見。
この辺りは薪も拾える。整地済みのテン場はここが最後。ここからなら笠ヶ岳山頂まで2時間の位置だ。
朝一の15m滝とその上の様相(カーソルあてて)
連瀑で詰めあげていく
2230m右岸草付中のテン場

さらに詰めあげると2290付近に位置する(2:3)二俣。ここを右に入る。少し行くと左岸に草付台地が有るので、上手く整地できれば、ここもテン場に
なるかも。この先の2段9m滝を上がると、狭いが、ここにも整地すればテン場になりそうな所がある。2355m・・・ここが最終テン場になる。薪は集めれば
なんとかなるだろう。
2290m付近(2:3)二俣。右に入ります
左岸草付台地
2段9m滝とその上の最終テン場

この先、ミニゴルジュ風を突破していくと、例の男女3人パーティが前方を歩いているではないか! 水も涸れ、彼らに追いつくと、途中で見た2230mの
テン場で泊まったそうだ。 ここから急登になり、落石に注意しながら高度をあげ、最後は右に伸びる細いルンゼンを詰めあげて山頂直下の登山道に
出た。笠ヶ岳へは歩いて5分で到着。トポの通り2070mテン場から3時間で山頂に来れた。
ゴルジュ風になりますが問題なし。
笠ヶ岳に向かってラストの詰め
笠ヶ岳到着です♪

ここで、Docomo携帯のアンテナが立つので、今日、明日の天気を確認、また、笠ヶ岳小屋でも一応、天気を聞いて打込谷の下降に問題ないと判断する。
笠ヶ岳のテント場を。通ると、”やまづと”さんパーティーに遭遇。昨日ここに到着したのはなんと19時だったとの事!これから新穂高に下山する様だ。

ご挨拶を済ませ鞍部を目ざして進むと、丁度鞍部の所で、第1ゲートでお会いした名古屋の山岳会の方々が丁度稜線に到着したところだった・・・。
打込谷の最上部はガレなので、後続パーティーの有無を聞くと、「無い」との事。。。ただ、『本当に下降するのですか?結構大変でしたよ!』とお声を掛けて
いただいた。

計画書通り8:30過ぎに打込谷に下降を開始する。確かに急なガレだが、ハイマツを掴みながら降りれるので、ムズカシイ所は無く、落石も全くと言って
いいほど落とさず、ノーザイルで降りれた。150m下れば傾斜も緩み落石による危険は無くなる。
”やまづと”さんお疲れ様でした!
打込谷下降点の鞍部を目指す
ここから下降開始(カーソルあてて)

2450m付近で急に水が流れ出した。ここから打込谷の癒し度が急激に高まる! 沢の開放度は小倉谷以上。滝は連続し何処で区切れば良いのか
わからない。正面に黒部五郎岳を見ながら癒し系の連瀑帯を下降する。ザイル不要   さらにこの先はナメ滝連瀑帯と変化。打込谷のハイライトは
この上流部と言っていいだろう。
この滝上から水が急に現れる(カーソルあてて)
右から降りてきました(カーソルあてて)
今度はナメの癒し系(カーソルあてて)

ここで、関西学院大学WV OBの3人パーティーとすれ違う。部活と言えば小生、吹奏楽部なので、OBとして、こうした沢を遡行出来るとは羨ましい限り・・・。

この先も、快適なナメ、&小滝を下って行くとトポに書かれた2100mテン場に到着。河原に1張分、そのすぐ横の草付台地にもう一張り分のスペースが
あった。 ここから2035m二俣まではゴーロ状。二俣は広いナメ床で左俣は6m滝を掛けている。ここを左俣に入った記録はなぜか見ない。
まだまだ見どころは続きます
2100mテン場
2035m二俣に掛かる左俣の6m滝(カーソルあてて)

ここから、地形地で書かれている1843m地点まではナメ床をベースとした様相。トポに書かれた35m滝は傾斜は緩く、3つほどの滝が合わさった複合滝の
様で、見た目”35m”いう感じは無く、下降も問題ない。1834m二俣は水量(1:3)。ここから先は長ーいゴーロ状の様相。テン場はいくつか散見される。
水量は晴天が続いているのに多い。
二俣直下の様相(カーソルあてて)
35m滝
1834m(1:3)右岸枝沢地点の様相

1834m二俣から5mナメを挟んで2時間で15m滝上に到着。当初、この辺りで行動終了する予定だったが、まだ14時過ぎ。トポを見ると仙ノ淵を超えた先で
ゴルジュ地形が切れているため、”ここらに幕営可能な場所があるのでは?” とさらに下降を続けることにした。。。

15m滝は右岸を巻く。登る場合には大釜の右岸側から小さく巻けるようだが、下降の場合は右岸枝沢の4m滝上に出て巻くことになる。まぁ大した時間は
かからない。ここからは様相は一変し両岸切り立った悪いゴルジュ。幸い滝と言う滝は掛かっておらず、体を濡らすことなく下降できるた。
沢幅が狭まってくると15m滝(カーソルあてて)
右岸4m滝で降りた後15m滝を偵察。
15m滝下は悪いゴルジュ(カーソルあてて)

少し進むと、威圧的なゴルジュは終了するが、ゴルジュ地形は変わらず、テン場のテの字も見つからない。そうこうしている内に9m滝が現れ右岸を小さく
巻いた先で15mの懸垂下降。ここで左岸に平らな土地を見つけるが、増水には全く耐えられず落石の恐れもあるためパスする。すると、また悪そうな
ゴルジュとなり、水が大釜に向かってトヨ状に落としている。ここも右岸壁との間に出来たバンドを進み踏跡を発見して下降。すると、この滝が仙ノ淵15m
だった。おそらく登りも同じルートで巻きになるだろう。
悪いゴルジュは抜けるがテン場なし(カーソルあてて)
9m滝(カーソルあてて)
これが仙ノ淵だった(カーソルあてて)

打込谷の核心部(?)はこうして、意外にサクッと抜けてしまった。時間は15時過ぎ。テン場を探しながら進む。晴天続きで水量は少ないはずだろうが、
小倉谷とは比較にならないほど水量は多い。それでも、泳ぐことが無いようにルート取りして降りていく。左岸から1540m付近で出合う枝沢の所
残置ロープを発見し、見に行ったところ丁度その横で薄く笹の茂った平らな大地を発見。時間は16時・・・。 SACHの疲労も増し、この先もあまり
良いテン場が期待できないため、ここで行動終了。笹を刈って10分程整地すれば、テントなら十分快適な幕営地となった。それにしても、沢床から2mの
高さに流された灌木が溜まっている・・・この沢は一旦増水すると大変な事になりそうだ・・・整地したところは沢床からは3mの高さがあり、枝沢の水もある。
薪も充分集められ、結局は良いテン場となった。
なかなかテン場は見つからない(カーソルあてて)
1540m左岸枝沢にある残置ロープ(カーソルあてて)
1540m左岸枝沢出合で幕営。(カーソルあてて)



四日目
5:50出発→7:35双六谷出合→8:12壊れた吊橋→9:20小倉谷出合→12:10第1ゲート着

昨日、かなり進めたので、今日は気持ち的に楽・・・、テン場を出発すると、すぐにが現れる。飛び込んでしまえば、それまでだが、右壁をトラバース&
へつりで、泳ぐことなく下降する。するとこの先で右岸に良いテン場を発見する。このテン場のすぐ下に15m滝が落ちる。ここも右岸を小さく巻く、
朝一、淵を経つって突破する(カーソルあてて)
平凡な様相を進むとテン場発見(カーソルあてて)
テン場下にすぐ15m滝(カーソルあてて)

この先は大岩が織りなす様相。これを縫うように下降続けると出発から1時間半強で双六谷出合に到着した。ここには打込谷左岸側に絶好のテン場が
いくつもある。双六本谷の渡渉は腰下程度で全く問題なし。右岸に上がったが、踏跡等なく、下流に位置する吊り橋までは沢通しで行った方が早いかも。
大岩で構成される滝(カーソルあてて)
双六谷出合到着(カーソルあてて)
楽勝の渡渉と吊り橋(カーソルあてて)

吊り橋のところから右岸踏跡を見つけるのに若干苦労。本流沢床から10〜15mの高さに踏跡があり、そこから徐々に沢床との高度差を上げていく。
踏跡自体は割と明瞭。軌道跡に入ってしまえば、もう迷う事は無いし快適に進める。小倉谷出合のところで、軌道から下に降りる明瞭な踏跡がスイッチ
バックする様な形で付けられているので見落とさないように・・・。

広河原手前で双六谷に入るというパーティーとすれ違う。このあと、4つほどのパーティーとすれ違う。中には単独で、小倉谷か打込谷どちらにしようか
迷っているという単独の50代の方も・・・。最後に”トマの風”の若者パーティーとすれ違う。双六谷から赤木沢に行くそうだ。やはり、この山岳会の
計画は凄いね! 

雲一つない青空の下、一滴の雨も降らない天候に恵まれた遡行で第1ゲートに到着した。
吊橋から右岸踏跡へはあまり上がらぬこと。
小倉谷出合で軌道から下に降りる(カーソルあてて)
青空の下、林道を進む。

P.S:今回の打込谷下降を含めた計画は天気が安定していることが必要条件です。天気急変の増水を考え我々は4泊目の予備日を持って計画しました。
   足の揃った少数精鋭パーティであれば2泊でも可能かと思いますが、景観の良い沢なので3泊で遡行した方が楽しめるはずです。天気は笠ヶ岳山頂で
   docomo携帯or小屋で、確認を取った方が無難でしょう。テン場は結構有りますので(遡行図参照)、テン場確保の為に慌てた遡行をする必要は無いでしょう。
   ザイルは30m1本で足りましたが、40mあると安心です。靴はアクアステルス(+タワシ)が良いかと思います。


遡行図(クリックして)





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