2010年5月29日 霧積川 墓場尻川左俣→中俣下降
メンバー:げんさん、shunrinさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m2本、靴:フェルト
地図:軽井沢
概念図、遡行図はこちら
当初、南ア雨畑川流域の沢を検討していたが、土砂崩れにより雨畑湖沿いの県道が通行止めになってしまい、
急遽、春から温めていた墓場尻川に変更する。そもそも、この沢は妙義の沢がほぼ終了したので、
『近くに良い沢ないかなぁー・・・』と地図を広げて偶々見つけた沢だった。
webでも記録が散見されており、どの記録も”良い”と書かれてあったので、今回確認しに行くことにした。
アプローチ:フィット(初登場!)
19:43自宅発→21:05桐生太田IC→21:44甘楽PA着、5:40同発→いづみ橋(基点)着
6:55いづみ橋発→7:00入渓→8:45三俣→12:30林道(終了点)、13:10同発→13:30中俣下降開始→15:35三俣
→16:00左岸林道→16:26いづみ橋
先週、購入したFITの1.3L 5MT。燃費を気にしながら走ればかなりの低燃費だ♪
今回初顔合わせとなる”げんさん”と、今期初顔合わせとなる”shunrin”さんとは甘楽PAで待ち合わせ。車3台で霧積ダムに
向かう。河畔道は全舗装。基点となる”いづみ橋”横に車7、8台の駐車スペースあり。携帯は霧積ダム付近は既に繋がらない。
墓場尻川左岸林道は入口にゲートがあるため、ここから歩き出す。橋から見える堰堤上で入渓。林道はさらに上流に向かって
伸びているが、下部の内容が非常に良い為、早めに入渓した方が良い。
平凡な様相を進み、沢が右に曲がると、様相が一変! 幅広のナメ床が続く。このナメは先にある3m程度の石積み堰堤まで
続く。堰堤を超えると平凡な様相。両岸が立ってくると淵になっておりshunrinさんが突っ込むがその先の小滝が上がれず、
全員左岸を経つって超える。
平凡な様相が続くが、4m滝から再び極上の幅広ナメ床が続く。しばらく進むと幅が一気に狭まるが、ここを両手両足で突破。
ここを超えると巨大堰堤が出現。左岸から高巻く。堰堤上は明るく開けた広河原になっていた。
ここを進んでいくと、7mナメ滝が『再スタート』を宣言する様に現れる。見た目水流左がルートの様に思えたが、取り付くと
岩がボロボロ。ノッペリ風に見える水流右が正解で、ガバが適所にあり思った以上に簡単に直登出来た。
この先暫く進むと3mナメ。これを超えるとゴルジュになり9mCS滝が行く手を阻む。直登は不可能で左岸を巻くが、
岩が脆いので注意。帰りに解ったが、この滝の上左岸に踏み跡があり、これを利用すると左岸林道に出る。
滝上は平凡だが、暫く行くとまたまたナメ床になる。ここを過ぎると顕著な三俣となる。ここで左俣/中俣/右俣を別けている。
我々はセオリー通り左俣に入る。
左俣はナメ床が続くが、急に両岸が切り立ち。岩をえぐり取るように7m、3m、4mの三連瀑になる。最初の7mは簡単だが
これを登ってもその先が突破できるのかが不明。”7mを登ってから最悪灌木利用で右岸を巻けるんじゃ・・・”と思い私が取り付く。
最初の7m滝は脆い岩に注意を払い3人ともフリーでクリヤー。ここで灌木利用の右岸巻きでは無く、全段突破へルート変更。
2段目は左の1枚岩の細かい凹凸を拾うフリクション勝負。shunrinさんがトップで挑むも足を滑らし2段目の釜へ撃沈!
次に私がTRYし見事突破♪。ボディビレイで、げんさん、shunrinさんを確保し3人とも2段目を終了。
3段目はこのまま経つり気味に進み水流左を直登するしか選択肢は無い。げんさんが見に行くが、一歩が微妙との事。ザイルを
引いて見に行くと、確かにホールドも無く、スタンスも無い。リスも無く、フリクション勝負の一歩を突破し、上に抜けた。
この先は快適なナメ床が延々と続く・・・♪ 堪能しつくすと、ハイライトのひとつ雌滝15mが現れる。
『こりゃぁダメだ・・・』と巻き道を探すと、げんさんが「ここから登れるんじゃない!?」と水流左のリッジから取り付くルートを見出す。
そのルートは1ポイントの凹角が核心というのが下から見ても解る。
「じゃ、ちょっと行ってみますか!」
とザイルを引いて私がリード。核心の凹角までは簡単。核心の凹角でしっかり立てるスペースもあり、ここでハーケンを打ちビレイ。
ここから1.8m程度の凹角を登れば良いのだが岩が脆い。これを剥がすと岩肌はノッペリしてスタンスは皆無に近くなる。
右手を伸ばすが。岩がヌルヌルでガバとは言い難く強引に体を引き上げるのはムリ。リッジを回り込んで水流側も覗くが、
こちらもガバは無く勇気が出ない。結局凹角でさらにハーケンを打ちシュリンゲに足を掛けてA0で、なんとか凹角を超える。
良い所にリスがあるので、アブミが1個有れば楽だろう。凹角を超えれば階段状で容易。グレード的には3級A1と言ったところか。
フォローするのも大変なので凹角上でさらにハーケンを打ち長いシュリンゲを垂らして利用してもらう。最後のshunrinさんが
すべてを回収して上がってくれたので残置は無い。
雌滝上は、概ね平凡だが、古い石積み堰堤が2、3現れる。右岸も人工的に石が積まれており、昔、何の目的でこんなところに・・・
と考えると実に不思議だ。
そうこうしている内に、2個目のハイライト雄滝20mに到着。雌滝に比べると圧巻だ! 先程の雌滝でみんなお疲れモードだったのと
今日は寒いので、ビレイヤーが可哀想という思いもあり、安易に左岸を巻くが、途中から水流側に戻ってみると、逆層の岩壁に リングボルトが2個連打されているではないか!!! 水流右を直登したパーティが居たらしい・・・?
ちなみに、雄滝の左岸巻きは途中から水流側に近づいて上部は水流すぐ右を登った方が簡単。滝全体を巻こうとすると最後
落ち口へ向かってのトラバースが難しいのでルート選びには注意が必要だ。。
この後は、特に問題のあるところは無いのだが、上部が被った6m滝に取り付いたらガバが取れると思った瞬間、スタンスが崩れ
3mのフォール!!!
振り返って両足着地体勢にするのがやっと・・・だったが奇跡的に無傷、痛いところが何故か無い・・・ また手を合わせる。。。
さらに進むと右岸に林道発見。左岸にも林道が見えてきたところで、遡行終了とした。
林道は明瞭で、ゲートが設置されてる様だが、車が走れるレベル。当初、右俣下降を計画していたが、時間が押してたため
中俣下降に急遽変更する。
林道を進みすぎると右俣に吸い込まれるので、地図を見ながら林道を進み、下降開始する。藪は大したことなく。少し下れば
中俣の源頭部のガレが見えてくる。適当な所から沢床に降りる。水はすでに流れていた。
上部は至って平凡、快調に高度を下げる。8m滝は右岸ザレを巻いて降りるが、げんさんは、私も躊躇する程の傾斜の土壁を
走って突破する。ちょっとマネ出来ず私はチョットだけ上がって安全ルートで巻く。ここからは滝が連続。次の12m滝は懸垂で
下降。30mザイルでギリギリ届く。4m滝をクライムダウン。倒木のかかる8m滝は
『丸太を跨いで滑り下りよう!』
なーんてマンガみたいな事はさすがに出来ず。笹藪を利用して右岸を小さく巻いて降りる。
その次は中俣で一番大きい18m滝。滝上からでは30m2本でも届かない様に思われ。左岸笹藪に入り、灌木をつなげて。
懸垂2回で下降。これを下降すると最後、三俣にかかる12m滝。灌木を支点にすると30mザイルでは完全に下まで届かないが、
そこからは簡単に降りれたのでOKサインを出して降りてもらう。
三俣から釣師の踏跡を交えながら沢筋を下降し、9mCS上から左岸の踏跡に入り、林道に出た。
P.S:墓場尻川はナメが多く基本的に癒し系ですが、雌滝、雄滝の直登を狙う場合はアブミが有るとよいでしょう。
ザイルは45m以上を一本持っていけば下降もよりスムーズになると思います。
中俣は登れない滝が多く短いので、下降に利用した方がよく、機会があれば今度は右俣に行ってみたいと思います。
泳ぎは無いので秋もお勧めです。
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