2010年9月11日 湯檜曽川 高倉沢右俣→左俣下降

メンバー:単独
装備ザイル8mm×30m、カム、 靴:フェルト
地図:水上
遡行図はこちら

当初、1泊2日で越後の沢を計画していたのだが、天気が悪く中止。。。土曜日は谷川辺りは天気が持つそうなので
アプローチの便利な湯檜曽川高倉沢を選択。『上信越の谷105ルート』では、右俣/左俣共に記載されてあるが、
右俣の方が人気度が高いため、右俣→左俣下降にしてみた。

アプローチ:フィット
3:51自宅発(R4、R50)→5:04太田桐生IC→6:10水上IC→土合駅手前トンネル脇駐車スペース着
6:50基点発→7:00高倉沢出合→7:45二俣(焚き火休憩あり)→11:51稜線登山道(高倉山山頂)、
12:05左俣俣下降点へ移動開始→12:15登山道1360mから左俣へ下降開始(途中、山菜採り)→14:46二俣
→15:26基点駐車スペース。

高倉沢のアプローチであるが、1998年に書かれた『上信越の谷105』と変わらず、R291を土合駅に向かって進み、
一つ手前のトンネル所(湯檜曽側)から湯檜曽川に降りる。トンネル入り口わきに6,7台ほどの駐車スペースがある。
この日は誰も入渓者が居ないようだ。

湯檜曽川に下降して、150m程下流に向かって歩くと右岸から、高倉沢が入る。出合いは貧相な感じ。
しかし少し進むとナメの小滝が現れテンションが上がってくる。
トンネル脇駐車スペース
湯檜曽川から高倉沢出合を見る
すぐにナメの小滝

少し進むと奥に10m級の滝が見える。ショボイ沢だと思っていたら大間違い。前衛の2m滝を左から越え、その上の9m滝
水流左壁を直登する。滝上には残置シュリンゲ。今回の私の様に左俣を下降する計画で来るパーティが多いのだろう。
滝上はナメ床が続く。5m、8mと続く滝も見事。8m滝の右岸側にはロープがぶら下がっているが、これを使わず水流左を
灌木を掴みながら直登する。
見事な様相
9m滝は水流左を直登
奥に8m滝が見える(カーソル当てて)

8m滝上でナメ床から平凡な様相に変ると左俣/右俣を別ける二俣になる。水量は(3:2)で左俣の方が若干多い感じ。

右俣に入ると暫くゴーロ状。5m多段ナメが現れると面白くなってくる。7m2条滝は左から簡単に巻けるが、右の水流ルンゼに
取り付く。スタンスは右にしかない。カムが使えるので支点を取って登ろうとするが、ここでカムが奥深くまで入れてしまい、
回収できないというハプニング!。。。シャワーを浴びながら、四苦八苦してなんとか回収。これで腕と足が攣りそうに。。。
一旦下に降りて、一息入れてから再び取り付く。ルンゼに体を押し付け。核心の1、2歩を上がり滝上に出た。
二俣
右俣7m2条滝
7m2条滝、取り付いた右ルンゼ

7m2条滝すぐ上の多段6mは快適。幅狭ゴルジュを進んでいくと、この沢で有名な5mチムニー滝。傾斜も強くなく
快適に直登。滝上にはなぜかシュリンゲが多数残置されており、クロモリハーケンごと回収する。
チムニー滝上には2段9mトイ状。巻きは右岸だが、下段は水流右を直登し、水流のあるテラスへ上がるがここから、水流通し
に突破を試みたが少々危険を感じ。左からワンポイントだけ小さく巻き、再び水流沿いを灌木を掴みながら滝上に出る。
5mチムニー滝
2段9mトイ状(カーソル当てて)
2段9mトイ状上部

ここから先は平凡な様相。しばらく進むと水量比(1:4)の二俣高度計でほぼ970m。『上信越の谷105』の遡行図では
(1:1)を左に入っているが、そもそも水量比からして現在とは違っているようだ。左に入ってみると、
すぐに伏流になってしまうので、この二俣を右に入る。

この先、水は涸れないが、3mナメ滝が出てくるくらいで、ほぼ平凡。さらに進むと右岸から4m滝で出合う(1:1)二俣になる。
ここも滝を登って右岸枝沢に入ってみるが、今一つの様相なので、折角登った滝をクライムダウンし、本流筋と思われる
右に進路を取る。
(1:4)の二俣
3mナメ滝
4m滝で出合う(1:1)二俣

その後、4m滝が出てきたくらいで、高度計1200mの所で沢形が急に無くなってしまった・・・仕方なく右岸側に上がると、
先程の右岸枝沢に合流。こちらの沢筋も水は流れていないが、沢形がかなり上まで伸びているので、これを詰める。
『上信越の谷105』に書かれている”40mスラブ”は結局この沢筋には現れなかった。。。おそらく970m二俣を左に入るのだろう・・・
この沢形も無くなると、20分の灌木混じりの藪漕ぎで稜線登山道に出た。ここから歩く事”4秒”で高倉山山頂に到着。
ナメ床ではあるが草木に覆われる
隣の沢筋を詰める
高倉山三角点到着!
高倉山から、武尊、赤城方面


さて、左俣の下降であるが、高倉山から明瞭な登山道を下り、最初のチョットした登りが始まる直前(1345m)から下降開始。
急降下であるが、草木を掴めばザイルを出すほどでもない。沢形は早い段階で現れるが、草が沢床を覆い、足元が
暫く見えない。1280m程度まで下ってくると沢床がしっかり見えてくる。しかし水は流れていない・・・

水が現れるのは、かなり下で。それまで4段15m、3段10m、6mと涸れ滝が現れ、一つ一つクライムダウンしていく。
標高1040m付近で岩壁からようやく水が流れてきた。間違った沢筋を降りたと思ったのだが、どうもそうでも無い様だ・・・
1280mまで下ってやっと足元が見える
4段15m涸滝
1040m付近で岩壁からようやく水

ここから右岸”ミズ”(ウワバミソウ)が群生しているので、山菜採りに勤しむ。。。
この先は、ナメ床が続く様になる。3段7m滝を下ると、一見「懸垂か・・・」と思わせる10m滝。右岸に移動して、
岩壁をクライムダウンして沢床に降りる事が出来た。通常は懸垂かな? その下の4mナメ滝を小さく巻いて降り、12mナメ滝は、
上から見て左端の灌木を掴みながらクライムダウンする。
3段7m滝
10m滝は右岸をクライムダウン(カーソル当てて)
12mナメ滝(カーソル当てて)

12m滝すぐ下の3mトイ状は倒木利用でクライムダウン。一気に懸垂するなら45mザイルは必要でしょう。その後2段4m、5m滝
それぞれ左岸を小さく巻くと、二俣もすぐ。

朝、水流左を直登した8m滝は安易に右岸にぶら下がっているロープ利用で下降し、9m滝は残置支点からだと30mロープでは
届きそうもないので左岸を少し巻いた所から懸垂。ただ、ここからだと釜が深いので釜を回り込むように降りるのがポイント。
30mザイルでギリギリだった。。。ここまで降りれば湯檜曽川もすぐそこだ♪
左俣最後の5m滝は左岸巻き
9m滝懸垂(カーソル当てて)
湯檜曽川到着です。


P.S:『上信越の谷105』が書かれた頃より、上流部は少し変わったかもしれません。序盤中盤は予想以上に良かったので
   自分は満足です。今回、私はのんびり遡行でしたが、ロープウェイ下山ですと通常半日で終了すると思います。
   初級者の練習には良いかも・・・
   左俣下降ですが、沢慣れしていない人が居る場合は45m以上のザイルを持ってくる事を勧めます。。


遡行図(クリックして)


沢登りトップへ     その空の下で。。。トップへ




inserted by FC2 system