2011年8月4日 大源太川 七ツ小屋裏沢

メンバー:kagiyamaさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム
地図:茂倉岳
遡行図、概念図はこちら

2週間前、小チョウナ沢でクマの襲撃に遭ったが、幸い筋肉の損傷はなく、昨日、額とふくらはぎの抜糸を実施。さすがに傷はまだ完全に癒えてはおらず、
下の犬歯でやられた所を含め3か所ほどジクジク状態。傷口は痛くないのだが、神経系に多少ダメージがあったのか、くるぶしから足の甲にかけ、痺れが続く。
アキレス腱の稼働範囲も8割程度で、伸ばそうとするとまだ痛い状況。さすがにこの状態では当初予定していた中ア滑川流域は辞めておいた方が良いんじゃない?
・・・って事でリハビリを兼ねて、大源太川 七ツ小屋裏沢に行くことにした。大源太川流域は北沢本谷鷺ノ首沢、に次いで、8年ぶり3本目。今回もkagiyamaさんに御同行いただく。

3:37自宅発→4:00壬生PA→5:35湯沢IC→5:53大源太山登山口着
6:20基点発→6:40入渓点→7:05七ツ小屋裏沢沢出合→12:05稜線到着、12:25下山開始→13:15大源太山→14:55大源太山登山口着

集合場所は今回も壬生PA。道の駅と一体化しており、集合場所としてかなり利用価値が高いPAだ。8月頭から関越トンネルの高速料金が一般路線と
同じ料金になり、多少湯沢ICまでの高速料金が安くなる。真岡から湯沢まで全部高速使っても2100円(深夜割引)なので、二人で行ったら高速1000円と
変わらない。

湯沢ICから大源太キャニオンキャンプ場を目指し、大源太川左岸に伸びる林道を進むと大源太登山口に到着。駐車スペースは10台くらい。
ここは携帯が繋がると書かれてあるが、softbank携帯は繋がらない。
ここから大源太登山道を利用して入渓点を目指す。登山道が右岸から左岸、そして再び右岸に移るところが一般的な入渓点となる。
小滝を交えた平凡様相を進む。前回の反省として鈴を付けて見たものの、沢の中では非力で、こまめに大声を出しながら歩いたのは言うまでもない・・・
基点の大源太山登山口
ここから入渓します
平凡でもイイ感じの本谷です。

見覚えのある5m4条滝は一番左の水流から簡単に突破できる。この先3m程度の小滝を超えると早くも七ツ小屋裏沢出合となる。水量比は(1:1)。
七ツ小屋裏沢に入り、2m程度の小滝を超えると出合から見えていた5m滝。左からも小さく巻けるが、あえて水流通しを選択。腰上まで釜に使って
水流右に取りつき、瀑心を跨ぐように足を置いて突破する。V 左足に不安があったが上手く抜けれた。kagiyamaさんもフリーで突破してくる。
5m4条滝は一番左の水流から突破
七ツ小屋裏沢出合
5m滝(カーソルあてて)

続く2段3mも水流左の岩を上がって、外傾バンド状を利用して直登できた。この先、両岸が立ってくると七ツ小屋裏沢の核心部ゴルジュになる。
ゴルジュ入り口の3m2条滝は10年以上前の『「上信越の谷105」』では2条では無く、岩の左をショルダーで突破したと記されているが、増水している
せいか(?) ショルダー突破ルートも水を落としており、とてもショルダーなんかで上がる気にはなれない。右の水流も取り付けず、ここは左岸の巻きに
入る。沢床には懸垂しないと降りられないが、残置シュリンゲを発見し利用させてもらった。
2段3m(カーソルあてて)
核心部ゴルジュの始まり
2条になってた3m滝(左岸巻き)

この先は両岸切り立っていて高巻も非常に難しそう。とても初級の沢には見えない。次の4m滝はkagiyamaさんが水流左に取りつくも断念。私が右壁を
へつって取りつき突破できた。そのすぐ上の釜を持った3m滝は水流が多いと嫌らしい。胸まで浸かって滝に取りつき瀑心を避けるよう右足を右壁に
押し当てツッパリ気味に1m程度あがり中央のリッジに乗り移る。kagiyamaさんにはシュリンゲを繋いで垂らすが、かなり厳しそうだった

高巻すら難しいゴルジュに4m滝(カーソルあてて)
シブイ3m滝(カーソルあてて)
初級コースとは思えません。

右岸から滝で出合う枝沢が入り、その先で絶望的な7m滝が立ちはだかる。。。高巻は左岸しか求められないが、左岸も壁が続き、弱点は少ない。
唯一の凹角に取りつくが、ガバやスタンスが少なく、カムもハーケンも打てず敗退。この凹角の5m下流側の岩壁で再トライ。。。細い灌木で1か所だけ
支点を取り、だましだまし草付帯に突入。クマに襲撃され、復帰直後に滑落じゃぁ洒落にならないので余計に緊張した。フェルトソール&左足も
万全じゃない私にとっては、この登りが核心になった。W+
7m滝を超えるとゴルジュ地形は続くがヤバイ滝は無くなる。お互い結構濡れて寒くなってきたので、ゴルジュを抜けた日向で焚火休憩に入る。
絶望的な7m滝(左岸巻き)
左岸の壁(カーソルあてて)
7m滝上の様相
ゴルジュ終了です♪

ここから明るい様相。3m、4m程度の大岩で構成される滝を超えていくと見事な10m滝が現れる。左右どちらからでも取りつける。kagiyamaさんが
水流左に取りつき、私も後の続いた。滝上はナメ床になっている。

さらに小滝を超え、2段7m滝は右壁をへつるも、あえなく落下しドボン。そのまま滝に取りついて超えた。右岸から8m滝で出合う枝沢が入ると、本流は
V字谷形状。ただし幸い滝は無く、難なく通過。すると(3:1)二俣になり。左に入る。
10m滝(カーソルあてて)
2段7m滝
V字谷形状
(3:1)二俣

さらにそのすぐ先で(2:1)二俣。ここも左に入る。するとさらにすぐ先で、今度は右岸から見事な5m滝で出合う(1:1)二俣。おもわず、左に入りたいところだが
ここは右に入らないと、うまく稜線に出れない。本流を進むと9m滝。今日は水量が多いのか2条で水を落としている。いかにも脆そうな滝で右岸のガレを
利用して高巻くが、ガレから滝の落ち口に向けてのトラバースが急斜面の草付で1,2歩嫌らしい。kagiyamaさんがトップで通過してくれ、長めのシュリンゲを
灌木に括り付け投げてくれた。ここからは小滝を交えた概ね平凡な様相。1300m付近に位置する(1:1)二俣を左に入ると、水はちゃんと流れているものの
両岸の藪がうるさくなってくる。しばらく進むとナメ床になるが、いかんせん両岸の藪はうるさい
5m滝で出合う(1:1)二俣
9m滝(右岸を小さく巻く)
ナメ床が続くが両岸の藪が

詰めあげて、ふと振り返ると、遡行中は全く気付かなかったが沢の右岸に池塘が見えた。水は一旦伏流になるが、結局かなり上部まで流れていた。
最後は笹藪漕ぎとなり、稜線にたどり着く。時間はちょうど12時を過ぎたところ。 ここで、フェルトソールからアクアステルス(下山靴代わり)に履き替える。

”七ツ小屋山までの登りがたるいなぁ”なんて思っていたら、七ツ小屋山から大源太山までの道はもっとかったるいルートとなっていた!!!
稜線登山道は雷を避けにくいので天気の急変に注意。

2時間かけて、大源太川入渓点まで戻り汗だくの体を冷やして、基点の登山口まで戻る。
振り返ると池塘が・・・!
最後の詰め
七ツ小屋山から大源太山に向かう

P.S:七ツ小屋裏沢はガイドに初級と書かれてあるが、序盤ゴルジュの突破は高巻含め結構厳しく。単独だとちょっとキツイかも。
   大滝はありませんが、北沢本谷よりは1ランク難易度が上がります。ザイルは30mあれば足ります。下山はシシゴヤの頭から
   基点Pに向け登山道が付けられているので、こちらを利用した方が早いようだ。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)





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