2011年11月5日 割引沢ヌクビ沢 三嵓沢右俣
メンバー：SACHさん、ひろた
装備：ザイル8mm×30m、カム
靴：アクアステルス
地形図：巻機山
遡行図、概念図はこちら
4週連続で日曜日が悪天・・・時期も11月ということで癒し系の割引沢をチョイス。登山道が並行している沢は毛嫌いする人も多いが、意外と渓相が良いところが多い。
”登山大系”にもこの沢は紹介されており、詰めのコースはヌクビ沢と三嵓沢があるが、後者は最後がスラブという事でこちらを遡行することにした。
アプローチ：フィット
19:05自宅発→20:13栃木IC→21:45塩沢PA(仮眠)→6:50桜坂P
7:15桜坂P発→7:40割引沢入渓→9:35割引沢/ヌクビ沢出合、10:30同発→11:00ヌクビ沢/三嵓沢出合→11:40三嵓沢右俣/左俣出合
→13:20稜線登山道、13:35下山開始→15:05桜坂P
割引沢の基点となる桜坂駐車場に向かう。新潟豪雨があったが、1か所道路工事しているだけで問題なく到着。ここは水洗トイレあり、softbank携帯も
繋がる。ただし駐車料金500円かかるので、それを嫌がるなら、少し手前のスペースに車停めればOKだ。
SACHさんによると、米子沢は新潟豪雨で右岸枝沢から土砂崩れが起き、ナメが結構埋まったとの事。。。
桜坂駐車場から割引山への登山道に入るとすぐに沢コースと尾根コースに別れる。そのまま割引沢渡渉点まで進むとかなり登ってしまうと様な感じがしたので、
早めに沢に降りる。やはりこの辺りは沢床は平凡。残念ながら魚影も無い。ただ、まだ紅葉が残っていた・・・
登山道横断点を過ぎると奥にナメ滝が見えてくる。登山道は随所で崩壊が進んでいるようで、沢床を歩いた方が歩きやすいくらい。。。ただ、濡れている岩はかなり
滑っておりアクアステルスだと多少苦戦する。。。
平凡な様相から急にナメ滝が始まるのは米子沢と全く同じ。明るさも劣らない。ナメの小滝を超えると大釜を持った8m2段滝。巻いてしまえばそれまでだが、
左岸の壁を1段上がってから釜に向かって下降し、経つって水流右に取りつく。ここからアクアステルスだと快適に直登できるが、フェルト足袋のSACHさんは
苦労している様なのでザイルを投げ上がってきてもらった。
2段8m滝上は1枚岩を流れる10mトイ状。快適に進んでいくと奥に吹上ノ滝が見えてくるが、その前にちょっとした淵が現れる。右の乾いた岩から行けば問題ないが、
あえて淵に腰まで入って水流通しでいってみる。アクアステルスだと、乾いた岩は無敵だが、濡れたところは極度に滑る為、両足を濡れたところに置くとホールドが
しっかりしていないとかなり危険。「すべるぅ～！！！」 と叫びながらなんとか突破。吹上ノ滝10mは左岸に草付きスラブを持ち明るく開けている。水流右を快適に
超えた。
この先、右岸から2本のナメ状枝沢が入る、本流は60cm程の凹角が25mくらい続いており、ここも両足ツッパリで突破可能だが、両岸の乾いた岩の上を
進めば問題なく、ひたすらツッパリをすると股関節痛めそうなので辞めておく(笑)。すると右から立派滝が現れる。これがアイガメの滝20m。水流右から取り付くと
2段になっており大釜を持つ。ここで水流左に横断して直上する。上段はアクアステルスだとかなり滑りやすいので注意。上段も水流右の方が乾いた岩を
快適に直登出来るかも・・・？
アイガメ滝上も4m、5m、幅広4mと三つのナメ滝が続き少し平凡な様相になると大岩6m滝。ここはSACHさんは左岸を巻いたが、私は水流左に取り付いて超えた。
この先は平凡な様相が続き、正面に見える天狗岩がいいアクセントとなっている。少し進むと割引沢本流とヌクビ沢の出合。大岩に赤ペンキで案内されているので
間違うことは無いでしょう。ここで焚火休憩して、右のヌクビ沢に入る。ここは薪は豊富だが整地されたテン場は見当たらなかった。
ヌクビ沢に入っても平凡な様相が続くが、正面に見える左岸ガレ沢が出合うところから4段30mに及ぶ大ナメが現れる。2段目以降はトイ状で左の乾いた岩を歩けば
問題ないが、あえてアクアステルスで水流際を直登にチャレンジ。ここを超えるとまた平凡な様相に急変。一つ一つの岩が小さくなってくると三俣が現れる。
左がヌクビ沢で行者ノ滝15mを掛けている。真ん中は無名の枝沢。右が三嵓沢（みつくら沢）だ。 ここの出合には1か所ちょっと整地すれば良いテン場がある。
薪も豊富だし、5人くらいは寝れるので宴会遡行には良いかも。ここは当初の計画通りに三嵓沢に入る
三嵓沢出合に掛かる6m滝は問題なく超えていける。滝上は概ね平凡だが、すぐに10m滝が現れる。右岸手前からバンドが伸びておりこれを利用すれば難なく
超えられるが、水流左の濡れた凹角もスタンスホールド充分な印象。ここはさっちゃんがフリーソロで取り付くが、残り2mの所で息詰まる。。。
なんだか。1歩が出ない様だ。。。SACHさんにはそこで待機してもらい私が登る。狭い所でなんとか順番を入れ替わり突破。Ⅲ 上からシュリンゲを出して、
SACHさんも突破出来た。
この先、2段7m滝を水流左から超えると三嵓沢左俣/右俣の分岐。それぞれ,6m、7mの滝を掛けている。水量比は（1:3)で右俣の方が多い。登山大系でも右俣を
紹介しているので、迷わず右俣の7m滝に取り付く。この7m滝は寝ているので直登に何ら問題はない。この上の4m滝を超えると平凡な様相。
小滝を交え進んで行くと右岸から顕著な枝沢（高度計で1556m)。水量比は(1：2)。登山大系だと『最後はスラブで詰めあがる』様に書かれてあるが、どちらを詰めれば、
スラブ登りが楽しめるのか解らない・・・。。。何となく右岸の枝沢の方が最後はスラブっぽい予感をさせるが、水量の多い本流筋に入ることにした。
3m、6mトイと続くが、残念ながらスラブは出てこなかった。。。まぁそれでも巻機ならでは明るい詰めで悪くは無い。稜線付近でひざ上程度の笹藪をちょっと
漕げば稜線登山道に出る。
稜線登山道に出ると晩秋とはいえ多くの登山者が歩いていた。高曇りの中、遠くに富士山も望める。下山途中で登ってきた沢筋を振り返ると、1556mの右岸枝沢
の方に詰めてもスラブは無いような感じだった。埋まっちゃったのかな？？？
P.S：割引沢は巻機特有の明るいナメが広がるお勧めの沢でした！明るさは米子沢以上と言っても過言ではありません。
登山道と並行してますが、単独遡行者一人見ただけで、登山道を歩いている人は見ませんでした。ザイルは用意するなら30mで十分。
簡単な沢で初心者を連れて行くにはお勧めですが、こんな沢でも水流通しで行くと上級者でも難儀すると思います♪
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