2011年11月12日 男鹿川 小塩沢 右俣

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、カム
靴:フェルト
地形図:五十里湖
遡行図、概念図はこちら

谷川山系に比べ同じ緯度に位置しながら地味さが拭い切れない男鹿山塊・・・ゴルフ場、スキー場などの開発もあり、自然を求めりる沢屋さんからは
敬遠されている所もあり、栃木在住の私も同県にありながら非常に遡行本数は少ない山域だ・・・。。。11月中旬、気温終と共に下がっていくテンションでは
高速乗って遠くの沢に元気も無く、こんな時に近場の沢をWEB検索したところ、小塩沢を発見。
登山大系にも掲載されていない沢を誰が最初に紹介したのか興味があるところ。今回、左俣を遡行して二方鳥屋山(にほうとやざん)山頂を経由して大塩沢に
下降するコースで行ってみることにしたのだが・・・。

アプローチ:フィット
5:35自宅発→7:30大塩沢橋基点
7:45基点発→7::56小塩沢入渓→9:37左俣/右俣(1:1)出合→11:23右沢/左沢(1:1)出合(左沢に入る)→12:55終了点(ゴルフ場)
→14:00二方鳥屋山山頂、14:00下山開始→16:05大塩沢出合→16:43基点着

男鹿川流域の沢はあまり行きなれておらず。思った以上に時間が掛かって大塩沢橋に到着。入れる大塩沢右岸の舗装道を入るとすぐに終点。
ここでは川砂利の採取が行われており、大塩川左岸はこれが小塩沢出合までダンプがような状態になっている。
右岸林道は大塩沢橋から数百m入ったところで舗装路が終わり(地形図の通り)ゲートこそ無いものの、ここから先、車での侵入は不可能な状態に
なっている。softbank携帯は国道ではアンテナ3本立つが、大塩沢に入ると基点Pで1本だけ立っている状態。

林道跡を少し進んで大塩沢に下降し、大塩沢を少し歩いて小塩沢出合に到着。小塩沢序盤は全く平凡な様相だが、ムキタケ狙いなので、倒木を見つけては
覗き込んで見る。幸い数か所でムキタケを発見
基点駐車スペース
大塩沢/小塩沢出合
小塩沢。平凡です

出てくる堰堤は2つ。平凡な様相を過ぎナメ床になると左岸から5mナメ滝で出合う枝沢。本流はミニゴルジュに2m程度の小滝を掛ける。ここを抜けると再び平凡。
正面に左岸岩壁を見た先で右岸から枝沢が入る。高度計は651mを指しており、地形図を見ると1本目の右岸枝沢と思いきや、
実はこれが、すでに2本目の右岸枝沢(地形図で670mで出合う)だったのが間違いの始まり。。。
1本目の右岸枝沢はおそらく水流が無く、非常に見落としやすいと思われる。
ミニゴルジュ内2m滝
左岸岩壁を見ると
2本目の右岸枝沢(地形図で670mに位置)

本流は再びミニゴルジュになり2条3m滝。その奥に2段8m滝が見える。手前の2条3m滝は左のノッペリとした凹岩を登るがフェルトソールだと結構厳しかった。
2段8m滝は下段を水流側から回り込んで上段は水流左から超えた。この先で顕著な二俣になる。水料比は(1:1)。ここが地形図で700mに位置する
左俣/右俣の二俣になる。ここで私の高度計はなんと651mを指していた。さっきの枝沢で651mだと言った事をすでに忘れている俺。。。
ここを右に入ってしまう。
2条3m滝
2段8m滝(カーソルあてて)
左俣/右俣の二俣

右に入るとすぐに見事な12m滝。これは登れないと思ったが、水流左を見ると階段状にルートが見える。クライムダウンも可能そうだったので、とりあえず
取りつく。8m程登りそこから水流左の凹角から抜けようとした訳だが、途端に凹角からスタンスホールドが細かくなる。ここでハーケンを打ち
長めのシュリンゲでセルフを取り再度凹角からのルートを探るが、それでも踏ん切りがつかない。水流が激しく落ちる右に視線をやると充分なスタンスがあることを
確認。さらにルートを追っていくと水流右にのっぺりしたところからフリクションで突破可能か・・・?
右足を一歩だし水流に右足を突っ込んでスタンスが安定していることをチェック。ホールドは甘いが気合いで水流を横断。左足が水にあたる状態で
シュリンゲがいっぱいになり、ここで解除。ここからはフリーソロ。幸いのっぺりした岩には必要なところで1箇所ガバホールドがあり、不安なく抜けることが
出来た。凹角上から懸垂で残置したシュリンゲを回収したが、ここはホールドスタンスが少なく。やはり、水流横断ルートが正解だったか・・・

滝上はナメ床だがすぐに平凡な様相に変化。すると、いかにも自分が正しいルートを選んだかのように二俣になる。右の沢筋は非常に顕著なのだが
水量が非常に少ない。。。なんだか変だなと思ったが、まぁこんな物かなぁーと、ここを左俣/右俣の二俣と思い込み左に入る。
12m滝(カーソルあてて)
12m滝上から(カーソルあてて)
二俣を左に入る

この先はナメの小滝が続き、とても間違って入った沢筋とは思えない。平凡な様相に戻ると3m滝。これを超え、(5:1)二俣を左に進む。傾斜の緩い5mを超えると
10m滝。水流左、右どちらも登れるが右を選択。岩が脆いところがあるので注意。ここはフリーで直登。ここらナメ床が続くようになる。
傾斜の緩い5m滝
10m滝
癒し系のナメが続きます。

幅広4m滝など、小滝をいくつか超えて行き、平凡な様相になると(1:1)二俣。ここを左にルートをとる。ナメ床も現れるが平凡になり、早い段階で伏流になって
しまう。すると、今までの様相に似つかわしくない5mCS涸滝が行く手を塞ぐ。ここは狭いゴルジュになっており、奥にも涸滝を掛けているようだ。
幅広4m滝
インゼルかと思いきや(1:1)二俣
5mCS涸滝

高巻きは可能であるが、興味本位で取りつくと、5mCS涸滝の直登に成功。。。ゴルジュ内は井戸の底の様になっており出口の8m涸滝を登るか、懸垂で
引き返すしか脱出手法は無い。左壁を登ってトラバースして8m涸滝に取りつくルートを選択したが、左壁は泥壁で上がるここを登るのも一苦労。土に足をを
けり込み不安定な草を掴んでなんとかバンドに上がるが、涸滝へのトラバースバンドが悪く。ノーザイルでは不安を感じ、残念ながら敗退。幸い1本灌木があり
空中懸垂で5mCS涸滝下に降りて、右岸からこの狭いゴルジュ全体を巻いた。
5mCS直登(カーソルあてて)
ゴルジュ内8m涸滝
右岸高巻きルートからゴルジュ内を覗き込む

ゴルジュ上もしばらく伏流が続くが、再び割としっかりと水が流れるようになる。すると、なんとここで沢に全く馴染みの無いゴルフボールを発見!!!
”俺はゴルフやるけど、普通、沢でゴルフボールは落とさないよなぁー” 
地形図を見ても上に道路はあるが、ゴルフ場は書かれていない・・・
しばらく進むと堰堤が現れ、これを超えると庭園風の様相になる。上を見上げると

”ゴルフカート???”

やっぱり、ゴルフ場が上にあったのだ(鬼怒川高原ゴルフ場)。沢はゴルフ場の下をトンネルで抜けており遡行はここで終了。
笹薮を上がっていくとゴルフボールがいくつも転がってる。”Srixonのスピン系ボールを数個Get!!!←キノコより高価(^^)v” 

今日は土曜日。。。笹薮からひっそりゴルフを見ている俺はまるで、人間とは違う生き物のようだ(笑)
ゴルフボール
庭園風な様相で終了です。
笹薮から人のプレーを覗く怪しい俺・・・

下降ルートに向け二方鳥屋山を目指すが、笹薮がうるさいのと左俣の谷筋の切れ込みが深いので、ゴルフ場のOBラインと笹薮の間を北に向けて
歩いていく。すると右にティーショットを曲げた人とバッタリ遭遇・・・ ゴルフウェアと沢登りの格好では共通点は何一つなく、お互い宇宙人を見る感覚に
近いかも・・・
「いやーぁ、沢登ってきたらここに出ちゃって(^^)ゞ」
「そーなんですか・・・(^^)」
なーんて会話もかみ合っていない様な・・・(笑)

ゴルフから離れ尾根沿いを進んでいくと二方鳥屋山に向かう舗装道路に出、そのまま赤テープ付の薄い踏跡を進むが、途中テープを見失い適当にルートを
取って14時に山頂到着。
山頂から北西に伸びる沢筋に入る。藪は無いが、ほとんど涸れ沢。1か所20m枯滝が出てきてビックリした。30mザイルで右岸から懸垂するがロープが
回収できないというアクシデント。幸い巻いて上がり直す事が出来ラッキー。結局3回の懸垂で滝下に降りる。雲も出てきて、急に暗くなってくるが、
後は難所も無く大塩沢に出れ右岸林道に上がり基点に戻った。
ゴルフ場を密かに進む・・・
山頂到着です。
下降した沢筋の20m滝
最後の6m滝を巻いて下降


P.S:地味な男鹿山塊にしてはナメも多く滝の直登も楽しめ11月にしては十分な内容。左俣に入ればゴルフ場も出てこないので、遡行対象の沢であることは
   間違いありません。私はゴルフも大好きなので、キノコもゴルフボールもGETして結構満足です♪ ザイルは30m1本で十分です。
   私はカシミールで地形図をダウンロードしてますが、92年にオープンしたゴルフ場が2011年になっても反映されていないのは、ちょっと困ったものです。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)



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