2012年5月4日 安倍川 関ノ沢 ガリ沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:湯の森、梅ヶ島
遡行図、概念図はこちら

GW後半、少し足を延ばして安倍川流域を検討。この流域は新東名が開通し、新静岡ICを降りた所が安倍川なので、かなりアプローチしやすい流域になったはずだ。
この流域ではコンヤ沢などが有名だが、5月頭ということもあり、若干の遡行記録をみる関ノ沢を選択。この関ノ沢から十枚山に詰めあがる支流、
"ガリ沢"と"芝白沢(シバジロ沢)"2本の沢を遡行することにした。この記録は前半の"ガリ沢"。
尚、前日昼過ぎまで記録的な大雨が降り、県道29号線に出ていた累積雨量表示は200mm超えていた。。。


アプローチ:フィット
15:45自宅発→17:43南越谷駅→21:03新静岡IC→21:25真富士の里PA、5:30同発→関ノ沢基点6:00着
6:20基点発→6:40入渓点→7:05ガリ沢/南沢分岐二俣(ガリ遡行)→11:50登山道横断点→12:50稜線→13:05十枚山、
13:15下山開始→14:13中の段→14:35基点着

県道29号線から見る安倍川はかなり濁っていた。この県道から"中の段"に延びる林道沿いには民家もあり道は全舗装。ただし携帯は繋がらない。
この林道からガリ沢右岸に延びる細い道入口に3台程駐車出来るスペースがある。

林道を歩きガリ沢を見るとまだ水が濁っていた。"支流の支流"とはいえ200mmオーバーの累積降水量後18時間程度だとこんなものか・・・
地形図の通りの所で林道は終了。ここも駐車スペース3台程度あり。1か所道が崩れかけてあるところもあるが小型車ならここまで車で入れそう。

早速入渓。水量は多く凄いことになっているが、遡行できないレベルではないのでホッとする。最初で最後の堰堤は右から。堰堤上、本来なら
水量は少ないと想像される左岸枝沢もしっかりとした水を流し見事。
基点駐車スペース
ここまで車が入れます。
入渓点付近の様相

大岩で構成された5m程度の小滝を超えると早くも標高720mに位置するガリ沢/南沢出合。ここを左のガリ沢に入る。ちなみにここで”ヒルチェック”
するとスパッツのチャックに2匹ほど引っ付いておりました! ヒル君を見るたび思いますが、足を置いたわずか一瞬で取りつき、血の吸えるところへ
猪突猛進する姿は、何事でもつい、妥協点を見つけようとしてしまう私の様な者にとって尊敬に値します。。。なので、血を吸っていない以上、
ツマミとって投げ捨てる程度で許してあげます。血を吸われたらとんでもない仕打ちが待っていますが・・・

ここから先も激しい流れを見せるが、流されてさようなら・・・みたいな箇所は無く、敢えて水流沿いを進む。すると最初の顕著な滝となる9m滝
この滝下にはなぜかオフロードバイクが落ちている。上に林道か無いのに、なぜここに?今回の大雨で流された?と思ったが、後日、他の記録を見ると、
上に林道があり、昨年あたり(?)に転落による死亡事故があったようです。そこにガイコツがあれば私もビビりますが、この程度であれば
ただのゴミと同じ感覚ですね。

さて、この9m滝、よく見ると激しい水流左壁から登れそう。とりあえず取り付いてみると岩が脆く70cm程フォール。怪我も無いので、慎重に再トライ。
3m位登れば岩も安定してきて一安心。SACHさんにOK合図を送ると、SACHさんは右岸高巻きに入った。
ガリ沢/南沢出合
9m滝
9m滝直登(カーソルあてて)

この先の6mは幸い水流すぐ左にバンド状の巻道があり、これを利用。滝上はミニゴルジュ上になっているが、水深は浅く問題なし。次の12m滝は絶望的とは
言わないが、相当頑張らないと登れなさそうで、左岸を高巻く。12m滝上にはもう一つ10m滝が控えており、これも一緒に高巻くことにした。
この滝は登れるかも・・・
6m滝(カーソルあてて)
12m滝(カーソルあてて)
12m滝上の10mも高巻いた

この上は、平凡な様相だがすぐに4mスダレ状。今日の水量だとルートは左端のCSルンゼのみ。とりあえず登ってみると、CS上に残置ハーケンが
あったが、穴が岩で塞がれており利用不可。白い岩の角のわずかなスペースに右足が決まるとツッパリで乗り越せるが、なかなか踏ん切りが
つかず、セミ状態。それを見たSACHさんが右岸高巻きに入ってくれたが、落石を起こしやすいそうで、お助け紐を出すポイントが見つからないようだ。
ここは気合いでキメた右足に力を入れてなんとか突破した。

滝上はミニゴルジュ風であるが、ここも通過に問題は無し。一見三俣に見える右岸から2本の枝沢を見ると3m、4m、6mの3連瀑。
4mスダレ状(カーソルあてて)
4mスダレ突破(カーソルあてて)
3m、4m、6mの3連瀑

この3連瀑。。。問題は二つ目の滝で水流左壁に取り付くが、岩は脆くNG。そうなると縦にクラックが2本入った右壁しかないが、よく見ると
細かいスタンスを拾えば突破できそう。手前のクラックから、奥のクラックへ細かいスタンスとホールドを拾いなんとか3m斜上
クラック内の大きめのスタンスに足を置いて一呼吸。問題はフェルトソールのSACHさん。ここからトラバースになるので、ここで支点を取りたいところ。
ここでナイフブレードが決まり、長めのシュリンゲを出してSACHさんに上がってきてもらう。ここからも細かいスタンスを拾って斜上してクリヤー。
もう一回お助け紐を出してSACHさんも突破する。最後の6m滝は右壁を直登して3連瀑を終了した。
3連瀑二つ目4m左壁に取りつくがNG
右壁で突破(カーソルあてて)
3つ目は水流右から

3連瀑の上は平凡な様相。905mに位置する(1:2)二俣は右に入る。小滝を超えた先に8m滝があり水流の合間を突きフリーで直登。すると
この先に15m滝。かなり立っており、水流際は直登不可能だが、左岸側を小さく巻けば落ち口に伸びるリッジに取りつけるようだ。ホールド/スタンス
充分で落ち口までは簡単に登れる。後は激流に足を取られないように落ち口を抜けて滝上に出た。
8m滝を快適に直登
15m滝(カーソルあてて)
15m滝落ち口へ(カーソルあてて)

続いて現れる7m滝を左から。さらにその先の7m滝を超えると両岸にガレが多くなり、荒れた感じの様相になる。ここを抜けると1200mに位置する
(1:1)二俣。左は10m直瀑。右は3段15m滝で非常に見栄えが良い。ここは左をチョイスするが直登はムリで、右の3段滝をの上部まで登ってようやく
弱点を見つけ、中間尾根に上がる。左の10m滝のすぐ上には12m滝が控えており、この滝下には懸垂しないと降りれないので、一緒に高巻いた。
7m滝
荒れた様相の中にもこのような滝はいくつか存在
見事な(1:1)二俣

ここから先は6m前後の小滝がいくつか出てくる。岩が脆く難しいものもあるが、すべて巻けるので、安心してOK。これをクリヤーすると登山道横断点
近い。この登山道は1440m付近で横断。この登山道、カシミール3Dでダウンロードできる地図には掲載されておらず、ウォッちずには記載されてるので
カシミール3Dの地図は古い地図という事が解った次第。 実際、この登山道で上から二人組が降りてきたので立派な現役登山道だ。。
遡行して解ったことだが、この登山道から先は、急に内容が乏しくなるため、ここで遡行を終了するのもありかも。
取りついたがビビって右巻き
灌木利用で直登
気合い入れて直登(カーソルあてて)
登山道横断点まであと15m!

この先、沢は二俣となるが、左のみ水流があるのでそちらに入ったが、滝は現れず。そのまま水涸れとなり、沢型が無くなった所で左岸に上がる。
このまま詰めると笹薮がうるさそうなので、右にトラバース気味に進むと先ほどの二俣の右俣の枝沢がさらに上へと伸びているので、これを利用。
この沢型も無くなってからは適当に笹の薄い所を進むと苦労せずに稜線に到着。そのまま10分も進めば十枚山山頂にたどり着く。周辺はガスっており
安倍川の河口部分だけが見えていた。
ここからは”中の段”にむかう立派な登山道を下り基点に戻る。ヒルに食われるのは御免なので、ガリ沢右岸林道の最奥駐車スペースで幕営。
二俣
平凡な感じで高度を稼ぎます
とりあえずある鐘は鳴らします♪


P.S:ガリ沢はポイントとなる滝がいくつかあり、結構楽しめる。何しろ累積降水量200mm以上の大雨の翌日なので、平水の時はもう少し水線沿いの直登も
  可能になると思います。ザイルは30mで十分。幕営適地は遡行中見つけられませんでした。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)



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