2012年8月25,26日 中ア 中田切川大荒井沢→マセナギ、荒井沢下降

メンバー:やますきーおさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:空木岳
遡行図、概念図はこちら

久しぶりに土日晴れの天気予報。同じ栃木在住のやますきーおさんが早い時間の集合も可能という事もあり、中央アルプス中田切川大荒井沢を狙う。
大荒井沢遡行の場合、池山尾根を下るのが一般的だが、車1台のアプローチの為、池山尾根をマセナギまで下り、ここから大荒井沢へ下降ルートを取る事にした。

初日: 6:15基点ゲート発→6:55入渓点(荒井沢出合)→9:00大荒井沢出合→(釣り)
     →13:20大荒井沢/小荒井沢分岐→14:50曇りの滝下→15:38曇りの滝上→16:00 6mナメ上にて行動終了
二日目: 6:45出発→9:50空木岳非難小屋、10:12同発→12:15マセナギから下降開始→13:25荒井沢出合→15:10中田切川出合→16:00基点ゲート


中田切川のアプローチだが、堰堤工事もすべて終わった模様。道は舗装されて走りやすいが、ゲートはかなり手前(概念図参照)に設置されており
ガッカリ。。。駐車スペースはゲート手前に3,4台分あり。Softbank携帯も繋がる。
ここから林道は荒井沢出合まで伸びており、歩く事40分で荒井沢出合に到着。125ccのオフロードバイクが止めてある。今日は地元釣り師が先行
しているようだ。
中田切川は平凡な様相が続く、太田切川の大岩チムニーみたいなトリック系は全くなし。
ゲート手前駐車スペース
荒井沢出合まで林道が伸びる(カーソルあてて)
最初に現れる滝

しばらく進むと5m程度だがようやく滝らしい滝が現れ、これが"煙の滝"と呼ばれる滝になる。直登は全くムリで、踏跡を利用し"煙の滝"で始まるゴルジュを
右岸巻き。途中でのショートカットは懸垂する以外に手は無く。ゴルジュ突破したい人以外は素直に踏跡を利用した方が良いでしょう。

ここからも平凡な様相が続き、先行していた釣師に追いつく。煙の滝手前で2匹連れた以外はアタリ無しとの事。。。
この先、インゼルかと思わせる様相で大荒井沢が左岸から入ると魚影を目にするようになり、竿を出すと、やますきーおさんに早速アタリ出る!
調子に乗って、ここから竿を出しながら進んで行くが、私は2回のアタリをすべてバラシ、その後ピタリと食わなくなってしまった。。。
遡行ペースが完全に落ちてしまい。横綱の滝に出たのが、ちょうどお昼ごろになる。
5m煙の滝(カーソルあてて)
荒井沢でヒット!
その後全くアタリ無し・・・

"横綱の滝"は2段構成。下段は水流左をノーロープで直登したが(W-)、やますきーおさんは右岸を高巻いてしまう。上段は水流左に取り付くが、のっぺり
岩でアクアステルスの場合、ノーロープだと、ちょっと渋いかも・・・ タワシで岩を磨いてスタンスを作り、なんとか草に手が届きホッとしながら突破した。

横綱の滝上は岩盤が発達した様相になりイイ感じ。。。3m前後の登れない滝も出てくるが、すべて小さく巻けるので問題ない。平凡な様相に戻り、右岸から
枝沢を見て、さらに進むと大荒井沢/小荒井沢出合に到着。
"横綱の滝”(カーソルあてて)
岩盤が発達するミニゴルジュ(カーソルあてて)
大荒井沢/小荒井沢出合

左の大荒井沢に入り、右岸から割と水量のある枝沢を2本見ると核心部に突入する。5m滝を超えると両岸が切り立ってきて、V字谷に大岩がいくつも詰まった
5m巨岩滝が行く手を阻む。右岸を小さく巻くのが定石だろうが、最下段はノーザイルで登った、2段目は右壁が登れそうだがザイルが欲しい所・・・
やますきーおさんが右岸を巻いてしまったので2段目は一緒に右岸を巻く。するとすぐに10mCS。これは全く手が付けられず右岸を巻く。一見ウンザリ
しそうな巻きに見えたが、うまい具合に踏跡が小尾根に延びており、15分程度で巻けた。
大荒井沢に入って2本目の右岸枝沢(右が本流)
ここから核心部がはじまる(カーソルあてて)
お手上げの10mCS滝

発達した岩盤と巨岩が織りなす様相を進むとハイライトの"曇りの滝"が姿を現す。100m越えの大滝で、この日は水量が少ないものの圧巻。
大荒井沢の難所はこの滝の高巻きで、右岸にルートを求めるしかないが、右岸も垂壁が立ちはだかっており、どんどん沢から離れる方向に移動させられる。
ショートカットを試みると灌木を掴んでの腕力勝負になり、せっかく登ってもまだ垂壁が行く手を阻む有様で、獣道を拾いながら上がっていくやますきーおさんと
結局合流。それでも、垂壁の弱点を見出しながら進んで行き、ようやく垂壁上に出た。おそらくこれが最短ルートだろう。懸垂せずに沢に戻れるが、
かかった時間は50分近く。。。
沢床に戻ると何やらすごい様相に・・・
"曇りの滝"(クリックして)
”曇りの滝”の高巻き(カーソルあてて)

ここまで来れば、明日の行動は楽だ。曇りの滝上にテン場があるとの情報を元に探しながら歩くと高巻き終了点から10分以内に2か所発見。これより上流も
少し覗いたが、良い物件は見つからず、左岸枝沢の滝が見える場所に決定。初日の行動を終えた。ここはドコモ携帯が使える様だ。
沢床に戻る
このナメ滝前後にテン場有り
テン場で乾杯!


二日目
初日は平凡な様相が多かったが、ここから先は小滝が連続。10mナメは、この沢全体に言えるが濡れてるところはやたらヌメリが強くアクアステルスだと
スケートリンクの様に滑るので、左の乾いたところを直登。やますきーおさんには上からザイルを出す。
テン場から南アルプスを望む
快適癒し系が続きます
10mナメ(カーソルあてて)


この先も5m、10mクラスの滝が出てくるが快適に登って行ける。最後の15m滝は水流右から取り付き導かれる様に水流左に横断。ここでザイルを出して
残りの4mを登った。この先水流は途切れ途切れになり、明るいゴーロを登って行くと一気に視界が開けカール状になったところに空木岳非難小屋が
現れ、遡行終了となる。非難小屋はとても綺麗。
10m滝(カーソルあてて)
15m滝(カーソルあてて)
振り返ると南アルプスが一望
一気に開けて遡行終了となります!
空木岳非難小屋にて

さて、下降点となる"マセナギ"までの下りだが、池山尾根登山道を標高2000m付近まで下ると登山道が左に折れる手前、高さ2m位のところに"マセナギ"と
書かれた案内板がある。(下を見て歩くと気づかないかもしれない)
ここから腰高さの笹薮を30mほど進めば、"マセナギ"が一望できる。マセナギ左岸の尾根を少し下り、扇形のマセナギの要よりちょっと上に出たが、
危険ポイントではあるので不安があるなら左岸樹林帯の尾根を安全圏まで下って行けばよいだろう。藪は無く、獣道が右往左往し、最後に5m程度の
懸垂を交えればどこからでも沢型に降りれるはず。途中、多くの湧水を出すポイントを通過し荒井沢出合までは滝らしい滝も無く、落石だけ注意すれば
無難に下っていける。
この看板が目印(カーソルあてて)
マセナギ(カーソルあてて)
落石に注意して下降します(カーソルあてて)

荒井沢に合流した後も、ひたすら平凡な様相。左岸/右岸共にガレが多く、荒れた沢の印象。下りだったこともあるが魚影は発見できず。熊よけ目的に
ホイッスルを鳴らしながら折れていく。テン場は荒井沢に出合ってからは極上物件がいたるところに有る。。。最後3m程度の小滝を左岸側から小さく巻いて
降りれば中田切川出合に到着。1回の休憩入れて登山道からちょうど3時間だった。。。ここから林道を30分強歩いて、基点に到着。
荒井沢出合に到着
荒井沢の下降(カーソルあてて)
中田切川本流に戻りました♪


P.S:大荒井沢はどちらかというと技術より体力勝負の沢です。初日は平凡な様相が多いですが、曇りの滝上からは10m前後滝が散見され楽しいです。
   "曇りの滝"の高巻きは1時間近くかかるので、それを念頭に入れて計画を立てると良いでしょう。
   テン場は"曇りの滝"手前のゴルジュまでには至る所で、曇りの滝上から10分以内の所に1,2箇所です。ザイルは30m1本で足りました。
   車1台のアプローチならマセナギ下降の方が池山尾根下山より早いです。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)



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