2013年4月13日 御坂 芦川 横沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5、アブミ 靴:アクアステルス
地形図:市川大門
遡行図、概念図はこちら

芦川流域に短いながらも充実遡行が楽しめる沢があることは数年前に知ったが。2010年発行された”東京近郊沢登りルート120”にも掲載され、一気に人気度がアップ。
栃木からでは高速道のアプローチが悪いので、土日両日使って、上信越がまだ雪で覆われている4月中に、横沢、濁沢2本を遡行する計画を立て行ってみた。

アプローチ(フィット)
18:45自宅発→20:10久喜→21:08新狭山駅→22:25甲府南IC→22:34道の駅「とよとみ」、→7:20横沢出合
7:45横沢入渓→8:50 8mCS滝下→9:45 同上→11:02不動滝上→12:20 785二俣→14:05稜線登山道→14:40蛾ヶ岳山頂、
14:25下山開始(尾根筋間違える)→15:05 785m二俣→15:55基点P

北関東道での楽々アプローチに体が慣れてしまっているため、一般道で集合場所の新狭山まで行くだけで結構疲れてしまう・・・
首都圏から高速に乗ると100km以内だと22時で降りれば高速半額になるので、”道の駅とよとみ”で仮眠をとる。 翌日、ナビの無い車なので、
地形図を睨みながら横沢を目指す。県道に掛かる橋に沢名は書かれていないがミニ発電所があるので、良い目印になる。市川大門側から行くと
横沢手前に3、4台駐車可能なスペースがあり、ここに車を止める。Softbankは繋がらないが、docomoなら繋がる。県道から見る横沢は若干貧弱な感じで、
とてもメジャーな沢には見えない。左岸の石垣を経て、右岸石垣を見るとナメ滝が現れる。
県道36号線 横沢出合
横沢出合付近(カーソルあてて)
最初のナメ滝

これを超えて、少し進むと見事な10mナメ滝。快適に直登する。小滝で構成された3段12mは最後の4mを水流沿いでTRY。その上で見事な
15mスダレ状滝が出現。水流左から取りついたが、途中でスタンスホールドが細かくなり、躊躇、それを見ていたSACHさんが左から巻いて上から
ザイルを落としてもらう。確保してもらえば、簡単・・・気持ちの問題?。水流右の方が簡単だったか???
10mナメ滝
3段12m(カーソルあてて)
15mスダレ状滝(カーソルあてて)

ここを過ぎると、右岸から顕著な枝沢が入る。奥に10mハング滝が掛かっている様で見に行く。前衛6m滝は頑張ればシャワーで登れそうだが
”10mハング滝は絶望” と言うのが、解ったところで本流に戻った。本流はここからゴルジュになる。入り口の3m滝は容易。ここから両壁の高さは高くなり
高巻くならゴルジュ入り口まで戻らないとダメだ。そして奥に核心(?)の8mCS滝が見えてくる。
右岸枝沢(カーソルあてて)
本流はゴルジュに。。。(カーソルあてて)
正面に8mCS滝が見えてくる

8mCS滝に到着・・・。。。WEBの記録を見ると、左岸の岩壁から取りつくルートと、水流中の激シャワールートがある様だ。ただ、WEBの写真を見て気に
なっていたルートがCSの左側を抜けるルート。CSと右岸壁間の凹角に入ってしまえば簡単。そこに1段上がるのがポイントだが、上手く支点が取れれば
A0で上がれそう。しかし、そこまで行くのに激シャワーなので、今回はパス。もちろん激シャワールートなんて4月ではにありえない。落ち口右の一枚岩
すぐ横に取りつき、カムで支点を取ってアブミを掛けるが、手に取った岩が外れ、岩に立ち込むことが出来ず断念・・・SACHさんの肩を借りて降りた。

仕切り直して、SACHさんが指さす、もう少し手前から取りつく。ここはV+レベルで4mを上がると軟鉄残置ハーケン有。ここから細いバンドをアンダー
ホールドを取りながらトラバース、ノッペリした1枚岩手前に残置支点があったが、抜けそうだったので、1枚ハーケンを打ち足す(残置しました)。
さらに1枚岩と壁の間にカムを決め、アブミを掛ける。ここはシュリンゲでも可。 ノッペリ1枚岩に良いスタンスは無いが、岩上端はガバなので、割と簡単に
1枚岩上に上がれる。ここに残置ハーケンがあり、SACHさんが最初のカムとアブミを回収しやすいようにアブミを掛ける。
さらにトラバースを続け、安全圏に入り、終了する。30mザイルで足りる。
8mCS(クリックして)
左足で立ち込みで出来ず敗退
少し手前から仕切り直し
バンドをトラバース後アブミで1枚岩へ(クリックして)

”SACHさん登れるかなぁー”と思ったが、高いお値段の道具を残置してるので、”まさか戻って回収だったりして・・・”と思ったが、最初の4m直上で
スタンスが崩れ、軽く落ちた以外見事回収フォローしてくれた!
8mCS右岸壁側の凹角を上から見ると、やはり凹角内は簡単そう。誰か既に、ここから直登した人が居るに違いないと思った。。。
ゴルジュ出口の5mCSは、左壁沿いのバンドでトラバースするが、土・枯葉が堆積しており、かなり神経を使った。
8mCSフォロー(カーソルあてて)
8mCS右岸壁側の凹角を上から見る
ゴルジュ出口の5mCS(カーソルあてて)

ゴルジュを抜けると、20m不動滝地形図に書かれている不動滝は間違った位置に書かれている。右の水量沿いをシャワーで登るらしい。写真を撮ってから、
右端に取りつき登るが、岩が思いのほか滑るのと、下から濡れるので、ちょっと巻き気味に上がる。このまま、巻いてしまおうとするが、一応、偵察と
いう事で、ザイルを出して、核心と思える落ち口ラスト3m部分を見に行く。。。やはり、ここは頭からまともに水を被りそうで断念。右から巻くが、グズグズ
で、
30mザイル2ピッチで上にあがり、2回の懸垂で滝上に出た。
20m不動滝(カーソルあてて)
落ち口偵察に向かう(カーソルあてて)
そのまま左岸高巻きへ(カーソルあてて)

不動滝を超えると、今までの様相が嘘のように癒し系になる。左岸は石垣が組まれていたが、昔ここで何をやっていたのだろうか? (2:3)二俣を右に
進路をとり、先に進むと壊れた橋が架かっている。登山道横断点だが、もはや廃道に近い。この先でミニゴルジュになるが、5mトイ状があるだけで通過に
問題はない。
癒し系の様相と左岸の石垣
(2:3)二俣
再びゴルジュに(カーソルあてて)

(1:3)二俣を右に入り、8mトイ、3段15mトイ状は水線通しで楽しめる。ここからいくつも現れる小滝をクリヤーしていくと785mに位置する二俣に到着。
ここを左に入るとすぐに、かなりの水量を持つ右岸枝沢が入る。全く記録が無いこの右岸枝沢を選択して入ってみたら、残念ながら多量の湧水が100m
ほど先で出ており、涸沢になってしまったので引き返して本流遡行に戻った。
3段15mトイ状(カーソルあてて)
小滝を楽しむ(カーソルあてて)
785m二俣(左に入る)
右岸枝沢に入るがすぐ水涸れ

水は細くなるが、2段3mの小滝を2つ超えると10mナメ状滝。スリップだけ注意してフリーで直登。この先一旦伏流になるがすぐに水が復帰、4m程度の
小滝がいくつも現れる。1060m二俣を左に入って忠実に沢型を詰めていったが、早めに右岸にあがり稜線に出てしまった方が早いかもしれない。
稜線から少し歩くと蛾ヶ岳。ここからは富士山、南アルプス、甲府市街が一望できるので、天気が良ければ立ち寄ってみると良い。
10mナメ状滝(カーソルあてて)
小滝がいくつも現れ詰めあげていく(カーソルあてて)
蛾ヶ岳山頂は展望が広がる

さて、下山だが、遡行終了点から蛾ヶ岳の間に向村に降りる登山道が地形図に書かれてあるが、完全廃道になっており、赤テープすら残っていない状況。
木々の葉はまだ出ていないので見通しが利くが地形図の登山道に沿って降りる事が出来ず、785m二俣に出てしまう。少しそのまま沢を
下ると、「この辺りから滝場かなぁー」といったところに上手い具合に左岸尾根に上がる獣道が伸びており、楽に本来の登山道のある場所に戻れた。
地形図で"T字"で登山道がぶつかる所から、道はハッキリしてきて(荒れ荒れだけど)向村集落に到着する。
翌日は隣の濁沢を遡行する為、宿泊キットを持って、横沢に再び入り歩いて1,2分の所で幕営した。
完全に道消失。地図見てもよく解らない
785m二俣に出てしまうが無事下山(カーソルあてて)
横沢に入ってすぐのところで幕営

P.S:序盤勝負の沢で、前半に纏まった滝場の通過がポイント。ゴルジュ内8mCSは難しくはないが、上手く支点を取らないとフォローがキツイかも。
  初級者が居るパーティではアブミを持って行くと良いでしょう。不動滝を直登する場合は40m強のザイルが必要。蛾ヶ岳からの眺めは捨てがたいですが、
   後半は若干単調になる為、時間がかかった場合は785m二俣で終了して左岸尾根に上がってしまうのもありかと思います。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)



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