2014年7月21日 只見川 霧来沢 もうがけ沢

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×30m 、カム 靴:アクアステルス
地形図:御神楽岳、貉ヶ森山
遡行図・概念図はこちら

世間は3連休。自分は有休対応で3連休としたが、残念ながら強い寒気が入り月曜日帰りで福島/新潟県境にまたがる御神楽岳南面に位置する霧来沢(きりきたざわ)
もうがけ沢に行く。自宅から比較的近い位置にある沢であはるが、高速道路のETC割引制度や夏場のアブを避けてきたこともあり、会越に来るのは初となる。

16:35石橋駅→17:30片岡駅→19:10田島→20:02道の駅かねやま、4:55同発→5:22御神楽岳登山口
5:40登山口発→6:20モウガケ沢出合→10:05 630m(1:2)→10:55-12:10幻の滝下→13:20 950m付近沢型消失点→14:10本名津川林道
→14:55 林道820m付近から下降開始→15:50モウガケ沢/霧来沢出合→16:15登山口着

仮眠に使った"道の駅会津かねやま"から国道252を走り、本名ダム脇から霧来沢左岸林道が延びる。道はフラットダートで2WDフィットでも問題ないが、
大鍋又沢を横断した辺りから道が悪くなる。なんとか下を擦らずに御神楽岳登山口に到着。駐車スペースは4台だが、少し戻った所にも、1、2台分の
スペースがある。携帯はdocomoでも圏外。トイレ無し。

御神楽岳登山道を20分ほど進むと、地形図に記載のある八乙女滝が現れる。6m程度の滝で直登や小さく巻くことも可能のように見えるが登山道で
大高巻きし終えた所から入渓する。
水は若干茶色く濁り気味、昨日までの雨で増水気味か???少し進んで1本目の顕著な右岸支流がモウガケ沢になる。
基点の御神楽岳登山口
八乙女滝を巻いたところから入渓(カーソルあてて)
モウガケ沢出合

モウガケ沢に入るとすぐに右岸枝沢が入るが、この枝沢を下降に使うと早いらしい。 モウガケ沢序盤はナメ床交じりの癒し系。やはり水は茶色く濁って
いる。イワナ釣りには好都合と早速竿を出してみるが、当たりは無かった。モウガケ沢は青味がかった岩盤が目立つのが特徴。この岩はかなりフリク
ションが効くので歩きやすい。ナメ床も出はじめ小滝を越えて行くと、右岸から10m滝で出合う枝沢が入る。
特徴的な青い岩
癒し系のナメが多数出てきます
右岸枝沢の10m滝

この先で、ゴルジュになり10mの轟瀑が視界に入る。とりあえずゴルジュ内に入ってみると、右壁から何とか登れそうだったのでザイルを出して取り付く。
割と簡単に登っていけるが、支点を取ろうとした右壁は脆く、ハーケンを打つと岩が砕けてしまう。カムは持ってきたサイズ(#0.4、0.5)では小さすぎて
決まらない。仕方なく、さらに1.5mほど上がって、気休め程度の潅木でランナーを採る。ここから斜上。さらに、もう一箇所気休め程度の潅木でランナーで
支点を取った箇所から真上に上がるか、落ち口に向かってトラバース掛けるかで悩み、トラバースを選択。。。安定したスタンスは飛び飛びに在り、
ここを繋ぐ細かいスタンスをクリヤー出来るかがポイント。ホールドはすべて甘い。途中ハーケンを打ちたいところだが、リスが無く、気休めの浅打ち
ハーケンを1箇所だけ打つ。最後の1歩は遠いが、幸い落ち口の岩はあの、青いフリクションが効く岩だった。。。ここで、ロープを余分に手繰り寄せて
落ち口に向かってジャンプして突破した。。。W
ゴルジュ内10m滝(カーソルあてて)
10m滝を右から直登(カーソルあてて)
ここからトラバース(カーソルあてて)

自分は突破できたものの、フォローのSACHさんにはゴメンナサイ状態。滝上にもリスは無く。浅打ちハーケンプラスボディービレイとなる。SACHさんも
私が最後ジャンプしたのを見てビビッタそうだがトラバースポイントをクリヤーし、最後は私が飛んだスタンスから1段降りて落ち口に移動。無事突破して
くれた。ここはトラバースでは無く、直上すると潅木があるのでそこから懸垂の方が良いかも???
10m滝上から
SACHさんフォロー
この位置からジャンプする

10m滝上は3mナメ。釜は深いので取り付けず。左から小さく巻いた。この上で右岸から12m滝で出合う枝沢が入り、本流の4mナメ滝を超えると、ゴルジュ
は終了。この先のCS小滝は胸まで水に浸かれば簡単だが、ラバーソールのフリクションを生かせば左壁から越えることができる。
10m滝すぐ上の3mナメ(クリックして)
ゴルジュ内右岸枝沢と4mナメ
CS小滝の突破(カーソルあてて)

ここを超えると正面左岸に100mほどの側壁が見えてくる。沢床は幅広のナメ滝になっておりイイ感じ。一旦平凡な様相になったすぐ先で10m滝が立ち
はだかる。右岸から小さく巻こうとしたが足元が悪く、左岸から大きめに巻いて14m懸垂でちょうど滝上に出る。この滝はあまり良く見なかったが、
中央から登れるかもしれない・・・???
左岸100m側壁(カーソルあてて)
10m滝(クリックして)
水流左から小さく巻こうとするが出来なかった・・・

滝上はナメ床ですぐに6m滝。これは簡単に登れる。癒し系のナメ床がこの先も続き、4m幅広滝。水は2条に流れ、ここは二俣か?と思ったがインゼル
だったようだ。ここを超えると630m地点で出合右岸枝沢。水量比は(1:2)で、ここで良いテン場を発見した。
6m滝(カーソルあてて)
極上のナメ床と4m幅広滝(カーソルあてて)
630m右岸枝沢とテン場(カーソルあてて)

この先すぐに見事な5段15m滝。左岸は垂壁で、右岸を廻り込む感じで極力小さく巻いた。15m滝上は3mトイ状が控えておりツッパリで超える。
5段15m滝(クリックして)
右岸を高巻く
5段15m滝上の3mトイ滝

さらに3m滝を超えて進んでいくと今度は25m大滝が現れた。これまた実に見事で、尚且つ水流右から簡単に直登できるのが嬉しい
3m滝(カーソルあてて)
25m大滝(クリックして)
25m大滝は右から快適に直登

25m大滝上はナメ床が延々続く極上の癒し系・・・700m付近で"まぼろしの滝"を持つ右岸枝沢がナメ滝で出合う。水量比(1:2)。このまま本流も少し探索
してみたい気もしたが、ここを左に入るとすぐにハイライトの"まぼろしの滝"が現れる。50mはあろうこの大滝は、今日は水が多めで見ごたえあり。
滝下は思ったより狭かったが、ここで薪をかき集めて、焚き火休憩。。。
大滝上は
700m付近で出合う右岸枝沢。ここを入る
まぼろしの滝が見えてくる(クリックして)

さて、この"まぼろしの滝"だが2段構成で水は概ね2箇所から流れ出ており、進むべき沢筋は左側となる。水量も左の方が多い。ここは草付を絡めて
登るしかないかな?と思ったが、左側の水流狙いで下段を上がってみると、一番左の水流は岩も安定しておりシャワーで直登出来た。
SACHさんにはシュリンゲを繋いで上がってきてもらう。ここからSACHさんは草付を絡めながら登っていくが、自分はそのまま真ん中を登っていく。
感覚的には西ゼンの第2スラブよりチョット難しい感じか? ザイルも自分が持っているし、このまま登っていけるのか半信半疑だったが、うまいこと登って
いけた!
まぼろしの滝直登ルート(カーソルあてて)
まぼろしの滝下段から上段へ(カーソルあてて)
上段は直球勝負!(カーソルあてて)

"まぼろしの滝"上もナメ床が延々続くが沢幅は狭い。2,3二俣が出てくるがすべて左を選択。水量もこちらの方が多い。すると950m付近で急に水と沢型
までもが消えてしまう。
まぼろしの滝すぐ上のナメ滝
狭いけどナメ床が続く(カーソルあてて)
二俣はすべて進路を左にとる

ここから、林道に向かって枝尾根をまたぐ。枝尾根までは藪は薄めだが、尾根を越えてからがつる草がウザイ感じ。幸い遠くに林道が見えたので
ひと安心。さらに林道に向かって進むと、ラッキーな事に1台のバイクが林道を登ってくる。この音を追っていくと、進行方向右でやけに近いところを
バイクが通過して行くではないか!!!  「こっちだこっち!」と15mほど進むと林道に出れた。バイクが来なかったらあと100mは余計に藪を漕いで行く
ところだったよ・・・
林道はSUVなら2WDでも問題なく入れるので、車が2台あるなら、1台デポしておくと便利だろう。フィットだとチョットしんどいが歩いた範囲内では何とか
なりそう。
尾根までの登りはこの程度の藪
尾根を跨ぐと林道が見えるが遠いなぁー
林道出たよぉー!

今回クルマが1台なので、途中からモウガケ沢出合いショートカットして降りれるコースを選択。ただ地形図をみると、850mあたりから沢に降りれば良さそう
に読めるが、どうも、ここだと違うようで、820m付近進行方向(下り方向)左に"幻の滝群"と掛かれた看板が道横で倒れかかっており、進行方向逆向きに
見えるので、こまめに振り返らないと気がつかない。ここから伸びる踏跡を降りて1本目の沢型が正しい下降ルートとなる。もしこの看板が見つけられ
なかったら、800mの位置まで下ってから沢に下りれば間違う事はないだろう。ちなみにこの踏跡は先ほど見た"まぼろしの滝"の方まで延びているようだ。
夏の雲
820m付近にあるこの看板が見つけられるかな?
道は意外と明瞭

下りに利用した枝沢は序盤下草が覆って歩きにくいが滝は無く、問題なく降りていける。1時間掛からずモウガケ沢/霧来沢出合いに到着。あとは登山道で
基点に戻るだけだ。
平凡な沢筋をひたすら下降
モウガケ沢出合にピッタリ出ました
お疲れ様ですぅ〜♪

P.S:モウガケ沢は最後の藪漕ぎが少々カッタルイが、それを含めても見所満載でお勧めの沢であることは間違いありません。序盤ゴルジュの10m滝も巻けるので、
   体力さえあれば問題ないでしょう。ザイルは30mで十分。この時期はアブもブヨも居なくて丁度良い時期かも。。。モウガケ沢/霧来沢出合でベースを張って
   もう一本違う沢を遡行するのも良いでしょうね。

モウガケ沢遡行図(クリックして)
モウガケ沢概念図(クリックして)



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