2014年10月25,26日 会越 叶津川 赤崩沢

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×25m、カム#0.5 靴:アクアステルス
地形図:守門岳、光明山、駒形山、只見  
遡行図、概念図はこちら

先週行った北ノ又川が寒かったので、標高の低い癒し系で会越付近の地形図を広げていると、叶津川流域が目に留まる。いくつか遡行対象沢があるようで、
概要を掴むため赤崩沢→叶津沢本流下降で計画したのだが、詰める沢を間違え、赤崩沢の違う枝沢を下降し戻ってくるという"失敗"遡行となってしまった・・・。
ちなみに赤崩沢はかつて”芳沢”と呼ばれたそうだ。。。ここでは地形図のとおり”赤崩沢”を用いる。

18:41石橋駅→19:40片岡駅通過→21:15南郷→21:40只見駅、5:15同発→5:35浅草岳登山口P
初日: 6:03浅草岳登山口発→6:34大三本橋通過→7:05大間平橋過ぎたトンネル先で入渓→8:15木ノ根沢出合→9:00叶津川本流/赤崩沢出合
   →10:05引入沢出合→13:15赤崩峠登山道(仮)横断点付近左岸枝沢→14:35 665m二俣、14:45右俣少し入った場所で行動終了
二日目: 7:25 665m二俣発→7:55 685m二俣→9:03間違えた二俣→9:50 1032.8mピーク東尾根→11:11赤崩沢本流合流
  →11:15赤崩峠登山道(仮)
横断点付近左岸枝沢→13:05叶津川本流/赤崩沢出合→13:48建設中国道→15:16浅草岳登山口着

只見駅前で仮眠後、基点に移動。。。地形図を見ると、叶津川沿いに国道289号線が通っているのだが現在工事中で、浅草岳登山口から歩いて1分の
ところにゲートが設けられている。ゲート脇のスノーシェッドにも駐車スペースがあるが、水も簡易トイレもある浅草岳登山口に車を止める。ここはsoftbank
携帯は繋がらない。国道工事は計画が遅れ、平成30年代になると言うから、かなり先のことだ・・・

国道をひたすら歩く。。。チャリなら入れるので、ここはチャリがあると圧倒的に便利。。。遡行対象の大三本沢まで歩いて30分。木ノ根沢橋まで1時間半
らしいが、国道から見える叶津川本流も綺麗なので、大麻平橋過ぎ、トンネルの先で入渓する。橋には沢名が書かれているので各沢の入渓の際はご参考に。
浅草岳叶津川側登山口とゲート(カーソルあてて)
北海道の様な道を延々歩く・・・(涙)
適当な所で沢に降りる

叶津川序盤は、河原状だが、木ノ根沢出合い手前は両岸切り立った淵になっており、なかなかの景観。へつりで突破すれば腰まで浸かるが泳ぎは避け
られる。途中から沢に下りて正解だった。入渓ポイントから1時間チョットで木ノ根沢が右岸から入る。
最初は河原状
木ノ根沢出合手前の本流ゴルジュ(カーソルあてて)
木ノ根沢出合

木ノ根沢出合を過ぎると右岸から8m滝、左岸から6m滝が入り、実に見事な景観を目にする。この先ゴルジュ形状が次第に緩み、広河原状を進むと、
”いかにも・・・”という二俣になり叶津川本流/赤崩沢出合に到着。水量比は(3:2)で叶津川本流の方が多い。ここで焚火休憩。WEBの記録では、多くが
赤崩沢→叶津川本流下降となっていたため、赤崩沢の方が面白いののか??? という判断で、赤崩沢に入る。
右岸8m、左岸6mで入る枝沢
ゴルジュ形状が緩んできます(カーソルあてて)
叶津川本流/赤崩沢出合

ガスが取れ、明るい日差しの下、赤崩沢の河原状を進む。この辺りでは魚影はあまり見ない。二俣から25分で引入沢出合。水量比は(4:1)。この先も、
概ね河原状。淵も現れるが、ほぼ埋まっており、腰すら濡らすことは無い。
赤崩沢序盤の様相(カーソルあてて)
引入沢出合
淵も現れるが通過に問題無し(カーソルあてて)

右岸から二本の枝沢(奥は2条小滝で入る)を見ると、ミニ廊下状になる。ここも通過に問題は無い。このミニ廊下の先で初めて滝らしい8m滝が現れる。
水流左をラバーソールのグリップ力で快適に直登。 滝上も廊下状が続く。これを抜けると、また河原状になるが、沢幅が広がり水量もグッと増えた
様相になるのが不思議だ。
右岸枝沢を過ぎるとミニ廊下(カーソルあてて)
8m滝(カーソルあてて)
水量が増えたように見える!

廊下状がまた復活すると、3m3条滝。ここ過ぎて少し進むと大きく開け、左岸から赤崩峠につながる枝沢が入る。地形図にはこの枝沢右岸に赤崩峠
から降りてくる登山道が記されているが、パッと見、発見することが出来なかった。この登山道の利用価値は少なく廃道になっている可能性がある。
3m3条滝
大きく開けます
赤崩峠から降りてくる左岸枝沢

河原状は続くが、しばらく進むと、ナメ床も現れる。両岸から入るナメ小滝を見ると665mに位置する(1:1)二俣に到着。右が赤崩沢本流の様だ。今日の
行動予定はこの辺りと決めていたので、テン場を探す。二俣には良いテン場は無く、本流側に入って100m程進んだ左岸に多少の増水にも耐えられる極上
テン場を発見。今日の行動を終了した。
ナメも現れます
665m(1:1)二俣
右俣に入って左岸に絶好のテン場


二日目
朝、放射冷却の影響もあり気温は2℃。二俣に戻り、左俣に入るとナメ状。少し進むと10m滝。一応、ザイルを出して水流左から取り付くがスタンスホール
ド十分で、支点を取らずそのまま直登V
滝上もナメになっており、これが平凡な様相に変化した先で682mに位置する二俣。水量比は(2:3)で右の方が多い。下降ルートを叶津川の最奥から下降
するなら、ここを右に入ればよいが、974mピークと874mピーク間の鞍部からショートカットで下降するなら左に入る。今回はショートカットルートで計画して
いたので、この二俣を左に入った。
665m二俣を左に入る
10m滝(カーソルあてて)
682m(2:3)二俣 ここを左に入った。

左に入ると、両岸とも粘土層になっていて、水も若干濁っている。倒木も多く、あまり快適と言った雰囲気ではない。しばらく進むと、(2:1)二俣。高度計は
756mを指しているが、地形図では725mで二俣となるはずで、大きく食い違っている。ココを水量の多い左を選択したのだが、この判断が失敗となる。
この先、高度を上げていくので、狙った沢筋に入ったと思ったのだが、850mの鞍部で叶津川側に下降する予定が、既に高度計が880mを指している状況。
粘土質の壁と倒木の多い沢筋(カーソルあてて)
間違った(2:1)二俣。ここは右が正解か・・・
傾斜が上がり高度を稼いでいく

この辺りで沢形は無くなったが、境界尾根まではまだ高度を上げていかなければならず。ずいぶん高度計がブレて居るなと思いながらも鞍部らしき尾根が
視界左手に見えたのでトラバースをかけながら尾根に向かって上がっていく・・・。

やっと境界尾根と思われる所に出たが、高度計は982mを指しており、周辺の山より高い高度を指していた。周辺の山並みと、近くに973mピークが地形図
に書かれていたので、このピーク付近に出たのだろうと判断。乗り上げた尾根を少し下降して鞍部付近で尾根を跨ぎ、南方向に下降する。叶津川に下降
していれば、だんだん西方向に進路を変えていくのだが、どんどん東側に進路が変わっていく。
境界尾根と間違った尾根。
この方向なら大丈夫と思ったが・・・
どんどん東に進路が変わるが、現在地が解らず

明らかにおかしい事は解ったが、右岸から枝沢が入れば修正可能と見て下降を続けるが、全く枝沢が入らない。。。現在地も不明の状態で、もはや引き
返す選択肢は無く、このまま下れば確実に赤崩沢本流のどこかに出るので、仕方なく下降を続ける事にした・・・。水量は比較的しっかりあり、3m、4mトイ
状をクライムダウン。赤崩沢本流とぶつかる。

「あ、ここは・・・!」

そう、昨日見た赤崩峠に伸びる左岸枝沢合流地点のすぐ上の場所だった。。。本流を50mほど下ると、確かに赤崩峠に伸びる左岸枝沢が合流。地形図を
広げて確認すると、1033mピークから東に伸びる尾根を境界尾根と間違え、下って来てしまった事になる・・・。。。

叶津川本流の様相もこの目で確認したかったので、非常に残念だが致し方ない。来た道を戻っていく。。。
なんとかノーザイルで降りれた
3m滝をクライムダウン
赤崩沢本流。。。ここに降りてきた・・・(涙)

赤崩沢/叶津川合流地点の二俣に戻り、河原状から両岸が切り立ち始めたところに右岸枝沢が入っていたので、ここに入って国道に上がる。すぐに国道
に繋がると思われる踏跡を見つけ登っていくとスノーシェッドに出た。スノーシェッド先には広く駐車スペースが設けられ、国道が通れるようになれば、ここ
が基点となるだろう。。。 木ノ根沢橋を渡り、長い国道を1時間半歩いて基点に戻った。
来た道を戻ります
右岸枝沢から国道に上がる(カーソルあてて)
将来はここが、起点。奥のスノーシェッドから入渓できる

P.S:赤崩沢は完全癒し系の歩く沢でした。叶津川本流下部の様相が良いので、木ノ根沢出合より下流から入渓する事をお勧めします。
   テン場は665m二俣周辺までは随所にありますが、その先はあまり良いところがないと思った方が良いでしょう。GPSがあれば
   今回の様な失敗遡行にはならないはず。(買うつもりはありませんが・・・)ザイルは30mもあれば十分。国道が通れるようになれば、
   アプローチもしやすく、もっと人気が出ることでしょう。

赤崩沢遡行図(クリックして)
赤崩沢概念図(クリックして)



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