2008年9月23日 谷川 鷹ノ巣A沢

メンバー:現場監督さん
装備:ザイル8mm×30m、8mm×50m、カム 靴:フェルト
遡行図、概念図はこちら

谷川南面にある鷹ノ沢C沢、は大ナメを有している事もあり、割と遡行記録も充実しているが、
A沢、B沢の遡行記録はほとんど見られない。今年7月にB沢を遡行し、今回A沢の調査遡行を敢行する。

5:42谷川温泉発→7:10鷹ノ巣沢出合→7:35鷹ノ巣A沢出合→8:40峭壁門→13:00俎ー稜線→13:40オジカ沢の頭→15:45二俣→16:52谷川温泉

谷川左岸の駐車スペースは15台程駐車可能。softbank携帯も繋がる所だ。朝、現場監督さんに起こしてもらい準備する。、現場監督さんは、キノコ採りに
来たおじさんに「ヒル多いから・・・」と 大量の塩を貰ってきた。キノコ採りのおじさんが、連れてきた犬の足に塩を刷り込んでいるのを横目に出発。
ちなみに、ヒルは二俣まで多く、気温が高いと土から出てくるとのこと。

鷹ノ巣沢に入る場合、二俣の石標まで進んでしまうとオジカ沢に行ってしまうので、その手前で沢に入る事。鷹ノ巣沢出合までは巨岩がゴロゴロ転がって
いる物の、通過困難な所はない。関越トンネルの排気口が見えたら鷹ノ巣沢出合はすぐで、A沢で亡くなった人の追悼プレートが大岩に打ちつけてあるの
迷う事はないでしょう。

鷹ノ巣沢に入り、最初に現れる5m程度の滝を超えるとA沢出合もすぐ。7月に来た時は鷹ノ巣A沢出合から雪渓がビッチリだったが、さすがにこの時期は
皆無。草や潅木が生い茂り、7月とは全く異なった様相を見せていた。A沢出合までは左岸から入るルンゼや小沢は無いので間違う事は無いでしょう。
A沢は幕岩尾根のすぐ左の沢筋になる。
二俣を左に入る(カーソルあてて)
鷹ノ巣沢に入って最初の小滝
鷹ノ巣A沢出合

ここで、ハーネス類をつけて、A沢遡行開始。出合にはちゃんと水が流れていたが、すぐに伏流となる。灌木が覆う沢筋は、本当にここがA沢なの?
思わせるに違いない。。。時たま水が現れるが、すぐに消える。涸滝なるものは無く、左岸の幕岩尾根の岩壁あたりまで、概ね伏流と思って良いでしょう。
入ってすぐ灌木の覆う伏流となる
明るい様相になるが水は少ない
幕岩尾根が近づくと核心部へ突入

幕岩尾根末端近くに来ると水が現れ、"峭壁門"と呼ばれる巨岩8mCS滝が行く手を塞ぐ。大岩の左はCSとなっており登れず、右側を直登した。上部に
古い残置ハーケンあり。この滝の上は大岩がゴロゴロ転がっており、縫うように進むとまた8mCS滝。左の水流をカッパを着込んで突っ込むが悪いので
断念。ここも右から上がる。
峭壁門が行く手を塞ぐ
峭壁門の右を直登(残置ハーケン有)
8mCS(カーソルを当てて)

ここから先は両岸が狭まってくる。特に左岸の巻岩尾根の岩壁はそそり立ち悪い。この先、どんな滝が現れるか判らない中、右岸の壁の傾斜が多少緩い
のがせめてもの救いだ。ゴルジュの中4,5m程度のCS滝が幾つか現れるが特に問題な滝は無いが。6m2条は右岸の壁も立っているのでシャワーで突破
するしかないかも。V
両岸が切り立ってくる
CSの小滝が続く
中央が6m2条滝

次の6mCSは水流沿いを登れず、右に逃げるが、その上の岩を越えるのが難しい。カムを決めA0で1段上がり乗り越える。上野さんにはザイルを出し
上がってきてもらう。この滝は50m程手前から右岸を巻く事も可能。ザイルをしまい、下を見ると、マイナーな沢である筈なのに2人組みの遡行者を発見!

「あっ!人だ」

とおもったら、2人とも大手を振っている。やけに愛想の良い遡行者だなぁ・・・と手を振ると、『コマネチ!!!』 と 半ズボン・・・、かっきーさんと、moto.pさん
ではないか!!!

これはこれは、超奇遇♪お2人に言わせると谷川温泉で私の車を発見したので、川棚沢に向ったと思っていたらしい。
6mCS滝(カーソルをあてて)
6mCSに取りつく(カーソルをあてて)
かっきーさん、moto.pさん現る!

ここからはゴルジュの幅はより一層狭くなり右壁はほぼ垂直に切り立つ。そこに現れる12mCS滝は絶望的で、右岸を巻く。12mCS上には7mCSも控えて
おりこれも一緒に巻く。ここで、沢床にクライムダウンする事も可能だが、間髪いれずに18m滝が現れ、これまた直登不可能なので、右岸を続けて巻い た。
この高巻きは特にザイルを出すほどの事ではない。
極悪12mCS
一緒に高巻く7mCS
18m滝
3つまとめて高巻く

沢床に戻ると3段15m滝。ここは右壁は覆いかぶさるようにそそり立ち、左壁も急傾斜。先行するmoto.pさんパーティがフリーでクリヤーしたあと、我々も
取り付く、3段目のCSがちょっと手こずるが、挟まれた岩の奥を右手で取れればOK。

この先、5m程度の小滝を超えると、ゴルジュが終了し右に開けたスラブになる。なかなかの光景♪
3段15m滝
ここは突破できた
ゴルジュが終了し急に大きく開ける

7mCSは左壁を容易に登れるが、水流右からも岩は安定しており直登可能。ここを越えると二俣となる。登山大系の遡行図では左に入っているが、
右の方が水量が多いので右に入る。 すると10mCS滝が現れる。高巻きは二俣近くまで戻って右岸から。近くまで行って覗いてみると、お互い
「なんか行けそうだね♪」と言う事で、ザイルを出して取り付いてみる。 登ってみると、残置ハーケンが数多く打ってあった。しかし、5mくらい登った所から
良いスタンスが少なく苦労する。バック&フットを織り交ぜジリジリ上がる。CSの真下にくると浅打ちハーケンがあり、一応叩くがこれ以上は入らない。
ここで水流側に移動するのが、ハンドホールドが甘く微妙。浅打ちハーケンにかけたシュリンゲを掴んで移動成功W+A0。
 ここを突破すればあとは問題無い。監督さんも続くが、下から「テンション!テンション!」と苦労されてる模様。それでもA0せずに上がってきたお見事!
この滝を直登するならこの滝が核心だろう。下から見た以上に難しいので注意。
7mCS(カーソルを当てて)
10mCS滝
苦労した10mCS滝の直登

明るい様相の中、小滝を幾つか越えると、直登不可能な6m滝。先行しているmoto.pさんパーティは大きく左岸を巻いている。、全部逆層で取り付けない
との事。 調査遡行なので、「とりあえず、右を登って見てみよう!」ということで、あまり滝からはなれない様な所から取り付くと、見えるところは確かにあまり
良くない。ただ、1ポイント越えるとその先は行ける可能性も有り?かどうかは不明。大高巻きしているmoto.pさんパーティもザイルを伸ばしているので、
「だったら、ここで一回ザイル出して見てみましょう」と言う事で監督さんがリードで、滝上に向ってトラバースを開始。

「あぁーなるほどぉー、確かにあまり良くない・・・」

と言うものの、ハーケンで支点を取り無事落ち口上までトラバース完了。ザイルは50mで行ってもらったが30mで届く。私も続くと、滝の落ち口右側に残置
ハーケンを発見。とすると、水流右を直登した人が居たということだろうか?
10mCSの上の様相
直登出来ない?6m滝
右からザイルを出してトラバース

6m滝上は小滝が続き、水も涸れてくると急な草付になる。概ね右前方が良さそう。すでに稜線近くをmoto.pさんパーティが歩いていた。 我々は沢筋を
詰めるが、最後は岩壁となる。もちろん乾いているし弱点を探せば特に問題になる所はないが、現場監督さんが掴んだ岩が根元からはずれ、危うく転落
しそうになったので注意が必要。
水流もぐっと少なくなる
くさつきの急登
俎ー稜線から

俎ー稜線は、相変わらず笹が密生。僅かに薄く感じる所が踏み跡か・・・ 中ゴー尾根は、涸れた笹の葉が潤滑剤の役目をしていて、滑りやすく、さらに
伐採が入ったので、潅木を掴むことも間々ならず。結構怖い思いをした。。。

P.S:鷹ノ巣A沢は、中流部のゴルジュ帯の突破がポイントとなります、見た目は悪いが右岸を小さく巻けるので初級者同伴も可能でしょう。ザイルは通常遡行で
   30mあれば足ります。尚、ゴルジュ帯から上は常に谷川温泉の町並みが見えており、携帯が使えると思います(未確認)。ナメが素晴らしいC沢、明るく開けた
   スラブを持つB沢、険悪ゴルジュのA沢。鷹ノ巣三部作が完了できて満足です♪

遡行図(クリックして)
谷川南面の沢概念図(クリックして)

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