2007年6月16日 奥日光 赤岩滝登攀+柳沢川右俣→左俣右沢下降

メンバー:きむひろさん、ひろた
装備:ザイル9mm×45m、8mm×30m、靴:フェルト
参考ガイド:足尾山塊の沢(廃刊)
遡行図、概念図はこちら

水曜日までの天気予報では土日の予報は今ひとつで、それを前提に"きむひろさん"と最近沢を始めた"ゆうさん"に声をかけたのだが、連絡を取り合っている間に
土日とも晴れの予報に代わったので、土日OKの"きむひろさん"と日曜のみOKの"ゆうさん"の都合を考慮し、初日は、沢登りを始めようと意識した最初の沢である
柳沢川本流遡行に一度TRYしたかった赤岩滝登攀を加え、二日目はmoto.pさんの遡行記録を参考に、西ノ湖から県境尾根を越え泙川上流域を遡行する事にした。

3:37自宅発→(日光宇都宮有料)4:55赤沼駐車場
5:30赤沼発→(ハイブリッドバス)5:57西ノ湖バス停発→7:00赤岩沢出合→7:05赤岩滝下→9:45赤岩滝上→10:28柳沢川本流入渓
→10:55二俣→(右俣遡行)11:30黒岩滝下→13:20右俣遡行終了→13:33左俣右沢下降開始→15:23左俣右沢/左沢出合→15:38二俣
16:19林道着→16:43西ノ湖付近幕営地


きむひろさんとは赤沼駐車場で待ち合わせ。一般乗用車はこの先、西ノ湖方面には入れず、ここでハイブリッドバスに乗り換える。ハイシーズンだと
バスは始発が5:30。これに乗り遅れると2時間以上の待ちになってしまう。さすがに快晴の土曜日バス停には行列が出来ていた。
このバス、西ノ湖から赤沼へ戻る最終バスは15:30と早い為、赤沼から自転車でアプローチするのもお勧めだ。300円を払って満員バスに揺られる事
20分くらいで西ノ湖バス停到着。柳沢川遡行するパーティがもう1組いた。

ここから西ノ湖に向って300mほど進むと直角右に伸びる道があるのでここを入っていく。(自転車通行可能) 次の日ゆうさんと西ノ湖湖畔で待ち合わせ
する事を考慮し。林道が柳沢川と接する所に駐車場跡地みたいな所があったのでここをベースとし、荷物をデポ。かろうじて自転車なら通れる林道を
進み柳沢川へ入渓最初の堰堤は左から。赤岩滝までは踏み跡が付けられており、これを利用。西ノ湖からここまで約1時間半。
赤沼駐車場でのバス待ち行列
西ノ湖バス停から歩き出す
堰堤から入渓

疲れる前に赤岩滝を済ませてしまおうと、赤岩沢に入る。5mナメ滝を上がればすぐに赤岩滝だ!下から見えるのは4段90m。その上にまだ3段有り
全7段140mの豪瀑。高巻くなら右ルンゼ。もちろん今日これを登らないと、もうここに来る機会も無いかもしれないので、呆然と滝を見上げるきむちゃんを
尻目にハーネスを付ける。(笑)
赤岩滝(クリックしてください)
3段目
4段目の壁

直登ルートは水流右の壁。岩は乾いているのでフラットソールがあれば安心だが、用意してないので沢靴のままで登る。とは言うものの、3段目までは
3級―で何の問題もない。残置支点も所々にあり立派。問題の4段目は、フリーで極力登ってそこから50mザイルでギリギリ届く・・・と言う記録を事前に読んで
いたので、45mザイルを持ってきた我々は2ピッチで早めにザイルを出す事にする。
 
4段目1ピッチ目は最初30mは3級レベル、立派な支点が一箇所あったが、ここで切ると2ピッチで行けるかだったのでさらに進もうとするが、壁がここから
立ってきて4級レベルになる。"ザイル残り5m"のコールを受けた所にボルトが2個連打されている所があったので、ここでピッチを切る。足場が狭いので
きむちゃんには私の下4mくらいの所にある支点まで上がってもらい、2ピッチ目に入る。ここからはホールド/スタンスが細かくなり、沢靴では結構シビア。
草を掴み慎重に一歩一歩上がると残置ハーケンがあったが、ハンマーで叩いても利きが甘いのでここを通過。精神衛生上全然よろしくない。
幸い草がしっかり根付いていて助かった。何とか突破すると3m壁。水流に目をやると、これを登れば終了と言う感じ。この壁は15cm幅のクラックが
入っているがスタンスとしては使えないが、ハーケンボルトが連打されており、シュリンゲを2回掛けなおしてA0突破。オマケの1.5m壁を越えると終了点に
立派な残置支点あり。これで下から見える4段90mを終了。

 5段目となる25mは水流を離れ、右側の階段状の草付をを上がれば難しい所はない。ザイルを引っ張る形でフリーで登る。6段目10mナメは水流左を
直登。レベル的には3級+。滝上に立派な残置支点あり、最後の7段目は釜を持った8mナメで右壁を5m登って水流に向ってトラバース。落ち口への一歩
が非常にいやらしく、滑って滑落。残置ハーケンに支点を取っていたので3m落ち怪我無しで済んだ。ホッ! 再度TRYして突破成功。
きむちゃんはゴボウで突破。これで赤岩滝全7段が終了♪ 
5段目(クリックしてください)
6段目
深い釜を持った7段目
7段目は左岸側から超える

赤岩沢はここからは平凡で遡行価値はあまり無いので、予定通り柳沢川へ戻る。懸垂下降を繰り返して降りる方法もあるが、右岸の小尾根を
30mも登れば隣の枝沢へ出られるので圧倒的にお勧め! 沢に下りてミニゴルジュを抜けると左岸にまたしても小尾根があるのでこれを5m登るとまた
隣の枝沢になり二俣が視界に入る。この左の沢が柳沢川本流だ。苦労する事無く柳沢川本流に降り、遡行を開始する。
赤岩滝上
ここをすぐ右岸尾根に上がる
隣の枝沢から柳沢川へ(カーソルあてて)

二俣までは、概ね平凡、以前来た時より、崩壊箇所が増え、沢が倒木/岩で埋まっている所も見受けられた。5m滝を越えるとナメ床になり右俣と左俣を
別ける二俣。水量比はほぼ1:1。
柳沢川序盤の様相
柳沢川本流5mナメ
右俣/左俣の二俣

ここは滝の多い右俣に入る。ここからはナメ床が延々続く非常に気持ちの良い所。3m、7m逆「く」の字滝を過ぎると10mスダレ状の美瀑。ここは水流
右端を直登。続いて同じような12mスダレ状。こちらは左端から直登する。さらに進むと10mのナメ滝が見えるが、こちらは左岸から入る支流で本流は
ちょっと平凡な感じ。。。
右俣のナメ
10mスダレ状
左岸枝沢の10mナメ滝

しかしすぐ先には黒岩滝と名が付く17m滝がある。これは左から取り付き、水流を横断。滑りやすいのでザイルが欲しい所だ。横断後はそのまま落ち口
に向って直上したい所だが、壁が脆いので、右から小さく巻いた。このすぐ上にも4mナメ滝が有りS字状に進むと15m大ナメ滝。これまた美瀑だ!
ここは水流左を直登する。
17m黒岩滝
黒岩滝の水流を横断
15mナメ

この滝の上からは平凡な様相になる。左か1本枝沢を見送り、(2:3)の二俣に出る。前回来た時はここを水流の多い右に入ったが、すぐに水が涸れる
事は判っているのと、時間短縮の為に左に入る。途中4m弱の小滝を越えると平地に出る(テン場もある)。左に見える尾根は近く、これを越えると
左俣の右沢に出ると思われるが、もう少し詰め上がることにした。少し進むとより大きく開けた所に出て水流は消える。沢筋はガレに向って伸びており、
その手前に20m涸滝。これを問題なく登ってガレを上がる。振り返ると男体山と中禅寺湖が見え実に感動的だ!。

ガレを詰め上がると笹藪。稜線に出るにはまだ距離が有りそうだったので、獣道を広いながらトラバース気味に左俣に移動。左俣には右沢と左沢が
あり、前回は稜線(県境尾根)から左沢を下降。左沢は緩やかなナメが連続する超癒し系でお勧め。今回は稜線まで出ないで、左俣右沢に出ると
思われるガレを下降した。
(2:3)の二俣
ここから左俣へショートカットできる
20m涸滝

"右沢"に出るとすぐにゴルジュになり、4m滝をクライムダウン続いて倒木のある4mは倒木を滑り台代わりにして下降。沢は一旦開けるが再びゴルジュ。
4mCSはクライムダウン可能だが、8mトイは右岸から懸垂。45mザイルでさらにその下の4m滝まで一気に懸垂するのが良い。ゴルジュ出口の4m滝は
クライムダウン。この先はナメ床になり癒し系と変化。2段8mもクライムダウン可能。左沢との出合は水量比(1:1)でお互いナメ床で出合う。一本入れる
にはいい所だ。
倒木のある4m
細い沢筋を下降する
8mトイ状のあるゴルジュ全景
2段8m

ここから小滝を幾つか下ると右俣/左俣出合に到着。ここからは来た道を戻るだけ。1時間強で西ノ湖に近い柳沢川本流のデポ地に到着♪
既に整地された所にテントを張り早速焚き火。つまみと酒でお腹いっぱいになり、寝床につく・・・


P.S:柳沢川へのアプローチだが、ハイブリッドバスの最終バスが速いため、自転車でのアプローチがお勧め。赤岩滝は4段目が核心で4級。柳沢川の継続は
   今回のルートが圧倒的に早いと思います。今のところ栃木県BEST3に入るお勧めの沢です。ただし、紅葉の時期はいろは坂が大変込み合いますので
   ご注意を・・・。ザイルは柳沢川のみの遡行でも40mあると安心です。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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