2007年6月17日 奥日光 三右衛門沢→三左衛門沢下降→三俣沢大岩沢→柳沢川ネギト沢下降

メンバー:きむひろさん、ゆうさん、ひろた
装備:ザイル9mm×45m、8mm×30m、靴:フェルト
参考ガイド:足尾山塊の沢
概念図はこちら、三右衛門沢、三左衛門沢、大岩沢遡行図はこちら

昨日の柳沢川本流を遡行を終え、今日は片品川流域泙川三俣沢大岩沢狙い。
通常泙川といえば群馬県側からアプローチするが、moto.p氏のレポによると三俣沢流域は奥日光側からアプローチするのが
お勧めとの事。 彼は、登って、下って、登って、下って、登って、下ってと6本の沢を日帰りで遡行しているが、
沢初級者のゆうさんを加えた3名でそんな遡行はムリなので、登って、下って、登って、下っての4本の沢を遡行する。

6:28西ノ湖→7:22カクレ滝→8:34(1:1)二俣→9:28県境尾根、9:40三左衛門沢下降開始
→11:18三俣沢出合(大岩沢へ)14:56県境尾根→15:15ネギト沢下降開始→16:00林道横断点
→16:46柳沢川本流→17:30西ノ湖バス停→19:00赤沼駐車場着

ゆうさんとは西ノ湖手前で合流。初顔合わせ。早速西ノ湖から伸びる三右衛門沢に向う。
西ノ湖西側に伸びる踏み跡をそのまま真直ぐ進めば良いものを、一旦西ノ湖に出てしまった為、
西ノ湖を半周してしまいそうになる。三右衛門沢の序盤は完全伏流なのでカクレ滝まで付けられた
踏み跡を利用するのが良い。
 カクレ滝は両岸切り立ったゴルジュ内にある8mの直瀑で突破不可能。少し戻って左岸を大きく高巻く事に
なる。急な泥ルンゼの登りではゆうさんにザイルを出す。
高巻きを終えるといたって平凡な様相。8m滝は右壁を直登するのも右を巻くのもOK。
ここを西ノ湖ではなく真直ぐ進むとよい
カクレ滝
8m滝

しばらく進むと左岸から顕著な沢筋が入る水量比は(3:2)。本流は左だが、三左衛門沢を下降するには、
ここを右に入った方が早い。
 枝沢ではあるが、ナメもあり、まずまずの様相。難所も無く沢筋を忠実に詰めれば1時間掛からず県界尾根
に出る。県界尾根はあまり人歩かれていないが、木に目印が多数打たれており、迷う事はない。
(3:2)二俣、ここを右に入る
三右衛門沢 3段10m
県界尾根(踏み跡あり)

さて、三左衛門沢の下降であるが、このまま県界尾根を跨いでしまえば良いだけ。後日判ったが、
ここよりもう少し三俣山方向に進んだ所から下降すれば、三左衛門沢本流になるようだ。
傾斜が緩い所を選んで下降する。藪コギは全く無し、獣道を利用して沢床に降りるがしばらくは水は現れない。
左岸から入る涸沢を見過ごし右岸からより水量の多い枝沢が出合う。この辺りから滝が現れ始めるが容易に
クライムダウンできる。12m滝は左岸から小さく巻いて下降。さらに2、3の小滝をクライムダウンすると左岸
から6mナメ滝で出合う沢筋。遡行図を見るとこちらの方が本流のようだ。この下で三左衛門沢最大の15m2段滝
クライムダウンできず。懸垂で降り様としたが、トップで降りたきむちゃんが岩を踏んだとたん、ガラガラと岩が
崩れた。オーバーハングになっている所が一気に崩れたとの事。「上がった方が良いよ!」と言ったが、
「脇のルンゼをたどって降りれば大丈夫そう」と言って懸垂を続け、無事下に着地。
私とゆうさんは支点を換え、違う位置で懸垂。ゆうさんが懸垂途中でトラバースしたときにザイルで石を落とし
頭上をかすめたが、当らずホッとする。
三左衛門沢小滝の下降
12m滝
15m2段滝

 下降にザイルを用いたのはここだけ、後はナメ状の小滝をクライムダウンを続けると。三俣沢にぶつかった。
県界尾根から1時間40分。三俣沢側から見ると三左衛門沢は狭いゴルジュから細い水を出しており。
ちっぽけな枝沢に見える。出合にテン場は無く、三左衛門沢下降途中にも良いテン場は無かった。

一服して、大岩沢の遡行に移る。ゴルジュ内の4m、4m、5m、3mと小滝を越えるとすぐに宿堂沢/大岩沢の
二俣だが、5m滝で、トップを歩いていたゆうさんが、「ここ登れない」と振り返った時足を滑らせ1.5m程滑落、
釜に落ちる。幸い怪我は無かったが、落ちたのは初めてとの事。こんな事もありますよ。
 二俣から見る宿堂沢は8mナメを落としており、こちらの沢も楽しそうだ。遡行する大岩沢も12mのナメ滝
かかる。一見簡単そうだが、高さもあるのでザイルを伸ばす。
三俣沢本流と三左衛門沢出合
4m、5mナメ
大岩沢12mナメ

下部はスタンスホールドが少なく、意外と苦労させられるが上部は容易。ここをきむちゃんはフリーで登攀。
ゆうさんはザイルを繋いで登ってもらう。滝上はナメ床が続きよい感じ。7m3段は、ゆうさんにシュリンゲを出す。
10m3段は容易。10m2段の下段は水流右のルンゼを利用して登れば難しくない。ゆうさんは左から小さく巻いた。
この先に、よくガイドで見る25m大滝がある。大岩沢のハイライトだ!ガイドの写真以上に実際は厳しく見える。
左の水流をシャワーで登るらしいが"ホンマかいな?"と言う感じ。ゆうさんは完全に呆然としてしまった。
。。。結局、カッパを忘れたゆうさんは右岸高巻きを選択。自分はザイルを伸ばして直登に入る。水流真ん中
から取り付き瀑心を被って左に横断。左の水流に取り付くが、ガイドの通り、ホールドスタンスは多くあり3級
レベル。滝の取り付から濡れっぱなしだが、容易に抜ける事が出来た。核心を抜けた所に残置ハーケンがあり、
一発打ちたして、ピッチを切り、きむちゃんに上がってきてもらう。
 この25m大滝上にもうひとつ25m滝があり、こちらは階段状なのでフリーで登れる。
10m3段滝
25m大滝(写真をクリックして下さい)
もう一つの25m滝

この滝を越えるとちょうどゆうさんも高巻きを終えて沢に降りてきた。
「大滝はどうでした?」
「取り付いたら楽勝でしたよ!」
「えっ!そうなんですか?」
25滝を越えると沢は開けるが、テン場になりそうな所は無い。この先4m、3mと小滝を越えると平凡な様相。
しばらくすると1:1二俣。ここはニグラ尾根に詰め上がる左に入るのが滝が続き一般的だが、時間も押している
のでショートカットする目的で右に入る。しかし水はすぐに涸れ、稜線までは意外に長かった。腰までの笹藪を
こいでようやく県界尾根に出たのが15時前。既に筋肉痛を訴えていたゆうさんは疲労困憊だ。
上部の小滝
源頭部
最後の詰め

ここからネギト沢へ:の下降は県界尾根を宿堂坊山方向に進み1991mピークを越えればどこから降りてもOK。
平凡な様相で下降に問題になるような所は無い。林道は1/25000地図の通りに付けられており、荒れてはいる物の
車の通行を前提とした林道なので、見失う事は無い。くねくね曲がった林道を上手くショートカットしながら進むと
意外と早く柳沢川本流に出れた。
ネギト沢下降
林道に出る

 デポした荷物を引き上げ、西ノ湖のバス停に付いたのが17時半、ここでバスに乗れれば楽勝なのだが、
ここから赤沼まで10kmのロードワークは本当にかったるい赤沼到着は19時。6月なのでまだ明るいが、
時間も時間なので、ここで解散となった。

P.S:moto.pさんの遡行距離の2/3の行動だったので初級者のゆうさんを連れていっても
  最終バスには余裕で間に合うと思ったのだが全然NG。県境尾根越えで泙川に入るなら
  赤沼からのアプローチは自転車がBESTだ。
  三右衛門沢の支流ではなく、本流で県界尾根にあがるとスルノ沢、前小屋沢で三俣沢
  に下降するルートが選択できる。色々組み合わせて計画を立てると楽しいと思います。

コース概念図


遡行図(三右衛門沢、三左衛門沢) 遡行図(大岩沢) 




inserted by FC2 system