2014年6月1日 五頭 安野川 小倉沢 ハゲ沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m 靴:アクアステルス
地形図:出湯
遡行図・概念図はこちら

 昨日、大荒川本流権四郎沢の遡行を終え、今日は隣の安野川 小倉沢の本流筋"ハゲ沢"を遡行する。この沢は初級者向けで、五頭山塊の沢で一番メジャーな沢の様だ。
この沢の記録は地元山岳会が書いた『五頭山塊の沢』に詳しいが、今日も敢えて遡行図は用意せず地形図のみで遡行してみた。

6:30基点駐車場発→6:55堰堤上から入渓→7:20 10m金剛ノ滝下→8:30大杉沢出合→9:30出戸ノ朴木沢出合→11:25水場(遡行終了点)
→11:40五頭山山頂、11:47下山開始→12:58基点P着

松平山から五頭山登山口に車で移動。さすがに五頭山塊の主峰の登山口だけに,駐車スペースは多数ある。ただ、登山客も圧倒的に多くすでに何台も
駐車してあった。歩き出してすぐに金山沢に掛かる橋を渡ると”どんぐりの森キャンプ場”。ここから五頭山登山口(三ノ峰コース)があるが、その脇に小倉沢
入渓点に向かう踏跡があったにもかかわらず、これに気付かずに直接小倉沢方向に歩を進めてしまう。キャンプ場から小倉沢へは絶壁になっていて
下るのが大変そう。金山沢と小倉沢を分ける中間尾根を見つけて(踏跡あり)、途中まで下るが、堰堤が見えたので、仕方なく堰堤の上にめがけて、懸垂
下降して小倉沢に入渓した。。。

少し進むと、直登不可能な7m滝。。。後日、”順慶ノ滝”と名付けられている事を知る。

「癒し系と聞いたのに、いきなりこの滝はなんなんだ!」とすでに昨日の疲れが残る思い足で右岸を高巻くと、尾根付近まで巻き上げられ、SACHさんが、
「尾根まで上がったら、踏跡あるんじゃない?!」と言うので上がってみたら本当に明瞭な踏跡があった。
基点駐車場
平凡な様相です
いきなり出てくる7m順慶ノ滝(カーソルあてて)

これをチョット利用して、尾根筋を下降すると、トラロープが付けられており、沢床に降りることが出来た。少し進むと、行く手を阻む10mの剛瀑・・・。これは
金剛ノ滝と呼ばれるらしい。下部4mを頑張れば水流左を直登の可能性もあるが、ムリせず左岸ルンゼから大高巻きする。沢床への下降はかなり急で、
懸垂かな・・・と思ったら、真新しい残置シュリンゲが掛けられていた。これを回収して、木に直接ザイルを掛けて懸垂。30mザイルで不安な高さだったが、
無事届いた。
再入渓です
10m金剛ノ滝(カーソルあてて)
30mザイルで届きました(カーソルあてて)

少し進むと、6m2条滝。この滝も名前が付けられており、”布引ノ滝”と呼ぶそうだ。直登は難しく右岸を小さく巻くと、梯子があり、これで沢床に下りれる。
キャンプ場から伸びる踏跡はこの滝上まで付けられているので、何処で沢床に降りるかは行動予定時間で決められる。この先、概ね癒し系の平凡な
様相。左岸から化物沢が出合う。この辺り魚が居そうだが1匹だけ確認。割と新しい足跡を発見したので先行者が居るようだ。
6m2条布引ノ滝
癒し系の様相が続きます(カーソルあてて)
癒し系-2

小滝を超えていくと、ゴルジュっぽくなり、6m滝。その上に人の姿が・・・。右岸から懸垂したのか、ロープを片付けている。この滝は見た感じ悪いが、水流
奥側まで突っ込むと登れそうで、さらにボルトや、残置シュリンゲまでぶら下がっている。残置を使わなくても突破できそうだが、ここは1ポイント利用させて
もらう。高巻きよりもこちらの方が簡単だろう。滝上にあがると、単独遡行者で、地元新潟の方らしい。もう1パーティ先に居るとの事。さすがにメジャー沢
となると人が多い。昨日の大荒川には誰も居なかったのに・・・

ゴルジュは続き、右岸から水呑沢が5m滝を落として出合う。 このゴルジュが終了した先で、(1:3)二俣。左は大杉沢というらしい。ここで、SACHさんが
大量の孵化したばかりのオタマジャクシを見つけ大喜びしている間に、先ほどの単独遡行者が我々を抜いていった。
先行者が居た6m滝(カーソルあてて)
水呑沢出合(カーソルあてて)
大杉沢出合

この先、出てくるのはせいぜい3〜4m程度の小滝程度で楽しませてくれる。なんとなく、奥多摩・・・いや奥秩父っぽい雰囲気だ。。。 3段9m滝は1段目は
頑張るが2段目が難しく、左壁を上がり高巻いた。
小滝が散見-1
小滝が散見-2
3段9m滝

9m滝を超えると、雪渓が現れる。すでに崩壊しており、突破に問題無し、昨日の大荒川本流は、多数の雪渓に悩まされたが、小倉沢はここだけだった。
一部ゴルジュっぽくなるが通過は容易。小滝を超えていくと、380mに位置する(1:3)二俣。左は二ノ峰沢というらしい。ここを右に入るとすぐに(1:1)二俣。
本流は左で、右は出戸ノ朴木沢との事。こちらは滝が連続していた。
雪渓はこの1か所だけ
380mに位置する二ノ峰沢出合
出戸ノ朴木沢出合(カーソルあてて)

本流は引き続き癒し系の様相。2mCSは簡単に右から超えることが出来る。3m小滝を超えると、ミニ廊下になり右から奥ノ朴木沢が小滝で入る。水量比
は(1:1)。 この先も小滝が続く。。。トヨ状の小滝を二つ超えると4mCS。CSを抱きかかえる格好で直登して、SACHさんにはお助け紐を出した。
2mCS
奥ノ朴木沢出合
4mCSの突破

このすぐ上で4m、7m、5m、2m、3mと続く5段滝。下からはせいぜい2つ目までしか見えない。1段目は直登。2段目は左から小さく巻いて、3段目、4段目、
5段目は直登した。5段滝を超えると、沢幅が狭くなる。整地さえすれば、テン場になる場所もあるが、まぁこの沢で幕営するパーティは少ないだろう。
5段滝の最下段(カーソルあてて)
2段目7mと3段目5m(カーソルあてて)
整地さえすればテン場になりそうな場所

この先、左岸から二本ほど枝沢を見ると、この位置にしては似つかわしくない10m滝が現れる。この滝は快適に直登出来る。滝上で振り返ると展望が
開ける。

この先は源頭の様相。途中、枝に付けられた赤テープを発見。これは無視して進むと、2m程度の小滝の手前左岸に明瞭な道が付けられていた。稜線は
すぐ近くで、これは水場へ導く道だろう。おそらく、この先はもう詰めあがるだけなので、ここで素直に遡行終了とし、登山道に上がった。1分もかからず登
山道に出ると 『龍神清水』 との看板が立っていた。
10m滝
赤テープと源頭の様相(カーソルあてて)
稜線から延びる水場の道(カーソルあてて)

登山道は明瞭。五頭山山頂は東側だけ展望が広がる。さすがに五頭山塊の主峰だけあって一般登山客が多かった。遠くに見える飯豊連峰はまだ雪を
かぶっている・・・
今日は、昨日と違って焦って下る必要はないが、普通のペースで下山しても1時間で基点に戻ることが出来た。
五頭山頂
下山途中の『五頭龍神』と避難小屋(カーソルあてて)
行くとき見過ごした小倉沢へのアプローチ道


P.S:小倉沢は隣の大荒川本流に比べると1段〜2段階くらい易しい沢でした。疲れた体にはちょうど良かったかもしれません。雪解けも早いので、5月下旬から遡行可能です。
   ザイルは30m1本で足りるはず。メジャー沢なので、週末には複数パーティが入ることは覚悟した方が良いかも。。。

小倉沢遡行図(クリックして)
小倉沢概念図(クリックして)


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