2005年9月4日 秩父 川浦谷本谷

メンバー:moto.pさん ひろた
装備:ザイル9mm×45m
参考ガイド:奥秩父、両神の谷100
ルート図はこちら

土曜日昼過ぎに、川浦谷鞍掛ノ滝沢を片付けてたあと、車で川浦林道を終点ゲートまで移動。川浦林道終点ゲート付近には駐車スペースが車1台分しかなく、
ここにmoto.pさんの車を駐車し、私は200m程戻った退避スペース(車3台分か)に駐車する。林道を10分弱歩くと、なぜか車50台分くらいの駐車スペースが林道の両脇に
広がっている。道標が立っており、これを見るとここから矢岳への登山道が整備されるようだ。余計な荷物をデポして遡行するには、この辺りで幕営するのがBESTなのだが、
なんとここにパトカーが停まっているのだ!車を覗き込むと埼玉県警山岳警備隊らしい。
「なんか事故でもあったのかなぁ?」
「焚き火やってると消せ!って言われるかなぁ…?」
と躊躇しつつ、周辺でテン場を探すが見当たらない。まぁいいや!と薪を集めていると、『焚き火厳禁!』の看板を発見! 
Hiro:「ゲゲッ!!!…どうしよう…」
Moto:「う〜ん、まずいなぁー」
と言う事で、本谷基点となる"秩父橋"まで移動する。秩父橋のすぐ脇、本谷右岸にgoodなテン場を発見。薪ま大量にあるのでここに
タープを張る。焚き火にも火が灯った頃なんとさっきのパトカーが!!!

「火の始末とゴミの始末だけお願いします!」
と言っただけだったのでホッとした。。。
基点の秩父橋
秩父橋脇で幕営


6:45秩父橋(基点)発→7:30大ゴルジュ内15m滝下、7:40大高巻き開始→8:13高巻き終了(大ゴルジュ上)→8:36インゼル上
→10:45水涸れ(標高1250m?)→11:00小尾根(下山開始)13:30林道着

大半の荷物を基点の秩父橋にデポし遡行を開始。シアン沢を過ぎるとゴルジュっぽくなる。1.5m程の滝が現れるが、釜も深く、へつりも難しそう。
Moto.pさんがガイドを広げると"右岸に立て掛けられた木を頼りに登る"と書かれてある。

「えっ!これ?」

と見てみると立て掛けられた木に5寸釘がバシバシ打ってある。大丈夫なのかなー??? と釘に足を掛け、一歩上がると両手で掴めるガバが
あり、水流左のバンドに上がる事が出来た。草付の泥バンドで少々いやらしいが、これを利用して次の8m滝も巻いて突破する。
遡行開始です。
シアン沢出合(本流は左)
倒木利用1.5m滝(カーソルあてて)

大岩で出来た滝を腰まで浸かって取り付き突破すると正面の壁が大崩落しており沢は明るい様相となる。ここで沢は逆"コ"の字型に曲がり
深いゴルジュに入っていく。3m程の滝を突破すると左直角に沢は曲がった所に15m滝が現れる。この滝はどー見ても直登不可能。
小さく巻くのもムリで登った3m滝を下り、左岸のガレた所まで戻って高巻きを開始する。しかしこれが私にとっては結構な大高巻きで、
先頭を行くmoto.pさんに

「こんなに高巻くのー!」
「下の方から小さく巻けたんじゃない!」

とブーブー不平を言ってしまう。しかし、moto.pさんが選択したルートに間違いは無く、小さく巻けるルートは無い。左岸仕事道までキッチリ
登る必要がある。仕事道をすこし進み小沢が流れるところから下降を開始。上手く降りれば懸垂下降はせずに済む。
大崩落した正面壁を見る
深いゴルジュ入り口の3m滝
ゴルジュ内15m滝
左岸を大きく高巻く


 本谷に戻ったところは、以前命からがら脱出した南アルプス尾白川下流部のゴルジュを思わせるような大ゴルジュの上。15m滝の上は
ガイドにはかかれていない深いゴルジュがありその出口に25m級の滝がかかり、我々はその滝の落ち口に出た。このゴルジュの様相をみると、
大高巻き以外には突破する方法はなさそうだ。

この先の8m滝は水流左を登る。6m2条滝を越えると沢は二俣に別れ、ここがガイドに書かれてあるインゼルになる。岩峰の記号がここに書かれ
てあるが、そんな顕著な物は無い。ここはmoto.pさんが右を入ったので私は左に入る。どちらかと言うと右側の方が難しそう。
高巻いた大ゴルジュ
8m滝
6m2条滝
インゼル付近に掛かる滝


右からワサビ沢が入るとナメ床状になり実にいい感じになる。10m階段状滝など快適に登れる
ワサビ沢出合(左が本流)
10m階段状滝
小滝を超えていく

滝をいくつも越えると。これが大滝!?と思われるような滝が現れる。 ザイルを出せば水流左から取り付いて落ち口に向かってトラバースして
いく感じで直登可能と思われたが、ここは右岸を高巻く。

ここでほぼ終了かと思いきや、もう一つ15mクラスの滝が行く手をふさぐ。「これが本当の大滝なんじゃない!」と二人の意見は一致したが、
正解は謎のまま。。。この滝は直登ムリそうで左岸を巻く。
大滝?-1
15mクラス大滝?−2
15mクラス大滝は高巻く

 この先は(1:1)二俣となっており、標高もガイドにある終了点(1050m付近)も越えているので終了にしようか考えたが、まだ十分な水量が
あるので稜線に出て矢岳尾根を下る覚悟で、明るい左俣に入る。
明るいゴーロ状の床を水が流れる所を詰めると、樹林帯に入り。少し進むとウソの様に水がピタリと無くなる。
(1:1)二俣 左に入る
もう滝は無い
源頭部の様相

moto.pさんによると標高1250m付近。稜線までまだ400m程ある。10分ほど涸れた窪地を詰めたが、右岸側の子尾根にでてチョット周りを
見てみようか!という事で尾根に出ると。遥か東側に矢岳尾根が見える。時間的には問題なさそうだが、この獣道程度しかないこの子尾根を
登って矢岳尾根に出るのもカッタルイ気がしたので、地図で現在地を確認。この子尾根を下る事にした。

小尾根を15分ほど下ると先ほどの(1:1)二俣に出た。左岸側を登るとすぐに赤テープ付きの踏み後を発見。
「これだこれだ!」と下っていくが何度も道を見失う。

 「ここ下ったら、すぐに秩父橋のチョイト上に出るんじゃない?!」

と下っていったら先ほどの大ゴルジュのまだ上だったりした。

 何だかんだ仕事道を見つけ進むと腐りかけた橋や木道が何箇所も現れる。橋は今にも落ちそうで渡れたものでは無い。沢筋に降りて
突破する。。。「よし!ここを下ったら秩父橋だ!」と思ったところで熊に遭遇し断念(熊は逃げていった)。 仕方なく仕事道をもう少し歩き、林道に出る
感じで下る。moto.pさんが細かい踏み後をも見逃さず。見事秩父橋近くの林道に出た!

温泉は荒川村道の駅奥にある白雲荘(2014年時点、無くなったようです)に行く。余り広くはないが、悪くは無い。
子尾根を下る
ギリギリ渡れた橋
これはムリ


概念図(クリックして)





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